表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ゲームの世界に転生?  作者: まほろば
10の町
20/95

ダンジョンへ



10の町は今までで一番大きな町だった。

さすがダンジョンの町だ。

地図で見ても始まりの町の1.5倍くらいあった。

町の中の通りも何本もあって、目的のダンジョンは町の直ぐ横の森にあった。

まず鍛治屋に依頼の品を届けてから冒険者ギルドへ行ってこれからお世話になる宿を紹介して貰った。

宿は1泊金貨3枚。

ダンジョンの町だから他より値段が高いらしい。

お風呂も込みだから私的には許せる金額だった。

夕食はステーキ。

美味しかったけど何の肉か聞くのは怖かった。

翌朝、冒険者ギルドでダンジョンの説明を聞いた。

かなり難しいダンジョンらしくお姉さんからパーティー参加を強く勧められた。

『入口でダメだと思ったら帰ってきます。その時は紹介してください』

そう書いてからダンジョンに向かった。

このダンジョンは初級の炎魔法を使う魔物が出てダンジョンとしても初級の8階層、ボスは炎を使う狐で氷の魔法が良く効く魔法使いには美味しいダンジョンだった。

装備は宿を出る前に炎耐性に変えてあるし剣も魔法を増幅するヤツにした。

初級ダンジョンでも8階層だと1日で攻略は無理だから、今日は下見を兼ねて潜ろうと思う。

町から森に向かう。

ダンジョンの前には見知らぬ魔方陣と3人のおじさんが居て好きな階層に連れていってくれると言われた。

踏破した者は魔方陣から好きな階に行けると自慢して、私に何階に行くか聞いてきた。

行きたい階数で料金が変わるらしい。

『初めてだから様子見』

と書いて見せれば話せないのかと笑われて終わった。

おじさんの横をすり抜けてダンジョンの入口へ。

警戒しながらステータスの地図の通り満遍なく歩く。

1度開けた宝箱は復活しないから1階の宝箱は今全て開けてしまおう。

最初はヒヤッとした魔物も氷魔法には弱かった。

これならボスまで行けそう。

この日は2階層までの宝箱を開けた。

宝箱の中身にはまだ耐性付の装備は無かった。

2階からは前回無かったトラップがあったりで解除に時間が掛かった。

トラップ解除のスキルは一応持っているけど、今まで使った事もなかったからかなり手こずった。

今日は3階まで行くつもりだったけど3階手前の休憩部屋から宿の部屋へ転移で帰ってきてしまった。

その日はゆっくり休んで、翌日朝食の後ダンジョンへ転移した。

昨日の休憩部屋から3階に降りる。

3階はトラップらしいトラップは無かった。

不思議に思いながら宝箱を開けていったら、4階の初めからたまに宝箱から魔物が出てくるようになった。

コレが本で良く読むミミックかも。

最初は驚いて凍らせてしまった。

予告もなく出てくるのは苦手だけど落とす品は微妙な初級属性付き、それでも他より高く売れそうだった。

雑魚装備がかなり溜まったので冒険者ギルドで買取りしてもらうか鍛冶屋を紹介して貰うかしたかった。

最初は冒険者ギルドへ行った。

受付のおじさんはつっけんどんで話を聞いて貰えなかったから屋台巡りをしてから出直した。

統計的にお姉さんの方が優しいし対応も丁寧。

出直して、受付がお姉さんになったのを確かめて買い取りの話をした。

雑魚装備と書いたら2件の鍛冶屋を紹介された。

1店目は昔からの店で頑固なおじさんの店で、2店目は店を出したばかりのお兄さんの店だそうだ。

始めにおじさんの店に行ってみよう。

鍛冶屋のおじさんにも同じ説明をしてドロップした装備を出していく、微妙な属性の装備を出したらおじさんの目の色が変わった。

聞けば雑魚も溶かして武器にすれば使えるらしい。

また出たら高く買うと言われて店を出た。


半月も部屋にこもって何をしてるのかと、ある日夕飯を食べに降りて聞かれてしまった。

不審に思われてるらしい。

あ、ダンジョンの前のおじさんたちも不審に思ってるかもしれない。

先に宿の不審を解かないと町の警備の人に通報されてしまうかも。

袋から綺麗な細工の髪飾りを出して、生活の糧にこれを作っていたと説明した。

その髪飾りは器用さを上げたかったので陶芸木彫りのスキルで何個か作った中の1つで、スキルて作ったから素人の私でもそこそこの作品が作れた。

ついでのようにそろそろダンジョンにも潜るつもりだと伝え、髪飾りの方が儲かると保険もかけた。

それからは5日に1度おじさんを頼んだけど、ある時冒険者がおじさんを素通りして魔方陣へ入っていくのを見て踏破してるなら案内は要らないと気付いた。

それでも念のため5日に1度は入口からダンジョンに入る事にした。

5階の迷路は難解で同じ宝箱を2回も開けてしまい、偶然ドロップは復活する事を知った。

それからは攻略の合間に1階からの宝箱を何回も開けて回った。

転移で休憩部屋へ行けばドロップ集めも楽だった。

不思議と誰かが居る部屋には転移出来ないようで、次第に転移のタイミングにも慣れてきていた。

1階層や2階層の魔物は剣でも倒せるようになった。

二月潜って明日はボス戦。

お風呂でゆっくりしながら、念のため盾も持っていこうか?

って考えていた。

8階のミミックは初級の水魔法を使ってた。

そんな事も迷う原因だった。

迷って属性無効の盾を選んだ。

ゴブリンキングと逆に他の属性を使ってくる可能性を捨てきれなかった。

もちろん装備は最上級に替えた。

ボス部屋を開けたら狐は3本の尾を振っていた。

…え?

本だけかと思ってたから実物をポカンとただ見てた。

本は尻尾が9つの九尾の狐だったけど、何かに三尾もあった記憶があった。

三尾の狐の弱点って?

おいなりさんは好物だよね。

考えていたら炎魔法がきて、属性無効の盾が跳ね返してくれた。

氷、土と使ってくる間に私も氷から試していく。

属性無効の盾がなければ負けてたかも知れない。

ポーーン

久し振りにレベルアップの音を聞いた。

ステータスを開くとレベルが18まで上がってる。

このダンジョンも暫く潜ろう。

ゴブリンキングと同じ雷が弱点とかやめて欲しい。

最後に雷使うとか危うかった。

ボスのドロップは中級の炎の剣。

威力的には中盤まで使えそうな感じ。

だけど…ぷぷっ。

最強トラップじゃ。

前回より最悪になった?

兎に角暫くレベル上げに潜るの決定。


あれから一月潜ったけどボスのドロップは炎の剣で確定みたいで他は出なかった。

ボスが使ってくる魔法は炎と氷と土。

それだけじゃなくボスの弱点はコロコロ変わった。

雷と氷と風のランダムでその日の弱点を見付けるまで属性無効の盾が無いと攻略は絶対不可能。

10のダンジョンでこれなら…この先が恐ろしい。

ここでレベルを上がるだけ上げてからでないと怖くて次の町に進めなかった。

今のレベルは28。

もう中々上がらなくなってるけどレベル30まで忍耐で上げるつもり。

アイテムボックスには雑魚装備と炎の剣が数十本。

売ったら儲かりそう。

鍛冶屋のおじさんに試しの1本売ってみようか。

翌日鍛冶屋に行って雑魚装備の後に剣を見せてみた。

「こっ、これはっ!」

手にした途端おじさんは大声を出した。

「どこから持ってきた!」

『ボスの』

あまりのおじさんの迫力にそれしか書けなかった。

「ボスを攻略出来る奴がパーティーに居るのか!」

耳元で大声で怒鳴らないでってば!

『私』

「お前には無理だ!あのボスは魔法使いじゃないと攻略できん!」

おじさん潜ったことあるの?

おじさんの迫力に負けて…知り合いに魔法使いが居てたまに一緒に潜ると嘘をついた。

知り合いも忙しいからたまにしか来ない設定。

来たときは一緒に潜っておじさんの所に売りに来ると約束させられた。

その代わり、私も条件を出した。

私が売ったのを誰かに話したら2度と剣は売らない。

おじさんはうんうんと真面目な顔で頷いていた。

それから半月に2本売った。

朝倒しても夕方には復活してるから、月に2回4本の計算で売った。

おじさんは馬車で2日の11の町から魔法使いが来ていると思ったらしく、乗り場の人に金髪の人が11の町から来たら知らせてくれと頼んでいるそうです。

居ない魔法使いから私より安く買って更に儲けを出したいと話しているそうです。

なぜその話を私が知っているか?

乗り場で売ってるお菓子にハマって毎日のように買いに行ってるから、頼まれたおじさんたちの話が聞こえたから。

その日から、おじさんにダンジョンのドロップ品を売るのは止めた。

アイテムボックスに溢れたけど、スペースは無限にあるから次の町まで溜めることにした。

半年近くダンジョンに潜って居たから剣でもボス以外なら倒せるし、レベルも30になった。

今回はレベル30で上級黒魔法が職種に増えた。

取得スキルは幻惑と模造(コピー)

私に使いこなせるスキルとは絶対思えなかった。

そろそろこの町も潮時だと思って、11の町へ行く仕度を始めようと決めた。


町を出る前に、確かめたい事があった。

夕方、6の町の町長の家の裏庭を思い浮かべてスキルの転移を使った。

町長を訪ねて炎の剣を見せた。

町長さんに7の町のダンジョンのように、10の町のダンジョンにも裏ボス部屋は無いかと尋ねた。

町長さんは9の町の誰それが知っているかも、と住所を書いてくれた。

お礼に剣を渡して町長宅を辞した。

町長さんに渡せたならと鍛冶屋に売ろうとしたら雑魚の装備しか出せなかった。

この法則って…。

次は9の町の冒険者ギルドの裏に転移して、教えられた住所を探した。

けど、この住所見たこと有るような…。

探し当てた住所はテリーの家だった。

飛び付いてきたテリーに10の町で買ったお菓子をあげてお父さんを呼んで貰った。

テリーに後で遊んであげると約束して、お父さんに10の町のダンジョンに隠しボス部屋が有るか聞いた。

話が前後したと伝えて、6の町の町長さんから聞いて訪ねてきたとメモを見せて説明し直した。

「10のダンジョンへは?」

炎の剣を渡した。

「なら教えよう」

テリーのお父さんから詳しく聞きながらメモを取る。

裏ボスが武器も魔法も効かない子狐だと聞いて、書きかけていたペンが止まった…。

幻惑?

前回の14の町のダンジョンボスがそうだった。

実際は幻惑を見せる蝶。

きっと10の町の裏ボスもそれと似てると思った。

前回の見破るアイテムは鏡。

『見破るアイテムは?』

「それまで知ってるのか」

『いえ、攻撃が当たらないなら攻撃する場所が違うのではと推測したので』

「頭の良い子だねぇ。テリーがべた褒めなはずだ」

お父さんの笑顔に教えてくれる気はないと悟った。

頭を下げて待ってるはずのテリーを探した。

恐らく今回も鍵は鏡。

残念だけど今回は諦めよう。

この世界はゲームの世界だけどゲームみたいにロードもリセットもない。

危険すぎた。

2度も死にたくない。

それが真実な気持ちだった。

テリーが眠くなるまで遊んで、私も戻って眠った。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ