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【私は妖怪です 共通Ⅰ


―――私には双子の妹がいる。顔や声、身長、体重も成績も同じで、容姿にはたいした差がない。

そして妹と同じ会社の面接を受けていた。


「ねえ、私面接受かってた!!」


性格や器量には大きく差があった。

私は妹よりもタイミングが悪く、考えてから行動にうつすまでに時間がかかる。

そのせいか幼い頃、妹が壁にイタズラ描きをしたり花瓶を割ったときには私が叱られていた。

否定しようにも逃げ遅れて現場をおさえられるからだ。

それに対し妹は世渡り上手でずる賢い。世間一般でも長男長女はこんな印象だ。


自分に都合が悪いことがおきたら脱兎のごとくその場から消える。

こんなの兄弟姉妹ならよくある話。“要領の悪い姉と良い妹”それだけならまだよかった。


――――――


「人違いのようですが、どちらも同じような顔で区別がつかない。どっちもかわいい。というわけでもうどっちでもいっかなーって。では失礼します」


件の面接官を勤めた空見は碎けた調子で椅子に座る男に報告すると、退室した。


「空見」


男は秘書の名を呼ぶ。


「はい社長」


彼は先程の男の兄である。


「先日お前の弟が落とした女性を雇いたい」

「え!?…申し訳ございませんどの女性ですか」


空見は社長の抽象的な考えは察せない。


「先日、会社の窓から偶然見下ろしただけであったが、遠目で見ても彼女はとても美しい女性だった」

「は、あの……社長?」


ようやく話の主旨を理解できた。社長はいわゆる恋をしているのだと。


「この会社がダメなら、彼女は私の邸宅で雇用する」


面接官の兄崎にずいと迫る。


「さすがにそれはなあ……空見」

「オレ達犯罪の片棒担ぎたくはないんですよねえ…」


「お前たちが社長にたずねる前に落としたからじゃないか?」

「……だって二人とも高卒ですし、一流企業にはふさわしくないと思いますよ~?」


少なくとも社長のようなタイプは、と付け足す。


「では…今日面接に来た者に聞こう。双子ならダブル採用して名物にしてやれ」

「…はあ」


それはいいかもしれない。と一同は少し思った。



面接落ちて暇だ。これから何をしようか。


【やけ酒】

【やけ食い】

【外出】

【寝る】

【?】

【?】

【?】

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