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中学校  作者: イチゴメロンパン
まさしく本編的なもの
3/8

謎の集団

どーもー!

今日は4月23日土曜日。祷、優希、美香の3人は10時に中学校プール前に集合して遊ぶ約束をしていた。



≪うわぁ~、ヤバイ遅刻だぁ!!≫


9時58分。今、私は猛スピードでダッシュしている。理由はただ寝坊をしただけだ。起きたのは9時20分で、家から中学校までは普通に歩いても30分ほど。


≪やった!学校見えた!あと1分。よし間に合う!!≫


人影が2つ見える。優希と美香だ。


「祷~!はやくしろー!」

美香が怒鳴っている。


「あと20秒だよ~」

優希も言う。


≪急いでますって(苛)まあ、遅れてるのはあたしなんだけど≫


何が何でも遅刻だけはできない。なぜならば・・


「「せーの、10,9,8,7,6・・・・」」


≪うわ、カウント始まっちゃった!≫


あたし達のグループでは約束を忘れたり、遅刻したりするごとにペナルティを付けるというルールがるからだ。ちなみに10分以内の遅刻では“1日荷物持ち”か“パシリ”の刑である。今日は手持ちの荷物はほぼない。ということはだ、


≪パシリになってしまうではないかぁあああああ!!≫

※美香と優希(特に美香)は人使いが荒い・・・


「「・・・4,3,2,1・・・」」


「うぉーーーーーーー!!!」


「「・・・0!!」」


「つ、疲れた・・・・・」


「おつかれ~、ま、ぎりぎりだけど~、間ニ合ッタカラヨカッタネー」優希が言う。


≪こ、こわい、セリフが棒読みだ・・・≫


バシッ!

「いてっ」


「いてっ!じゃない!祷、その毎回遅くに来る癖なんとかしろ!」

毎度のことだけど美香に叩かれ、怒られた。


叩かれておかしな姿勢で固まる祷に「何?そのポーズ」と優希が聞く。


「痛みをこらえるために・・・」

※今、祷は背中をそらせて、両手を挙げ、右足も少し上げた・・・グリコのお兄ちゃんのポーズをしている。


「「ぶっ。あははははは!」」


「わ、笑うな!」




いつものように祷が最後に来ると、3人は市立図書館の方へ歩き出す。


「あれ見て!なんか車の数多くない?学校で何かあるのかな?」

と、不意に優希が中学校の駐車場の方を指さして言った。


見てみると、確かに駐車場にもその周辺にもたくさんの車が止まっていて中にはトラックなども2,3台あり・・・


≪ほんとだ。なんだろう?≫


不思議に思って昇降口の方へ目をやると、校長先生と若松中学校の先生たち数名と、今年の地元の国会議員としてあっちこっちにポスターを張られている山岸さん達がトランクと段ボールなどを交換している。


≪うわ~。あれだけの数のスーツの人たちが集まると迫力あって怖いなぁ。特にサングラスとかマスクしててガードマンっぽい人とか・・・≫


「なんか、気になるよね?あれ」


「「うん」」


「もっと近くで見てみよう!?」


3人ともアニメなんかの“非日常”みたいなものにあこがれがあったから考えることは似たり寄ったりなようだ。

とまあそういうことで、隠れながら顔がはっきり見えるくらいのところまで近づいてみた。


≪うん・・・やっぱり、あの人たちからは黒いオーラが・・・・・・・・って、あれ?≫


取引している人たちから少し目を逸らしたとき、生徒用昇降口に誰かがいることに気づいた。


「ね、ね、2人とも、あれって郁雄と誠也じゃない?」


郁雄と誠也はクラスメイトだ。あともう二人奥に見えるが、暗くてよく分からない。


「ほんとだ。あいつら何やってんだろ?・・・しかも、奥にもう二人いるよね」

優希が言う。


「うん。後の二人は郁雄たちの後ろにいるからよく見えないね・・・誰だろう?」


「祷も優希もそんなことよりも取引の方が気にならない??まさかとは思うけどさ、先生たちが怪しい商売してるのかな?」


「う~ん。あの段ボールの中身はさ、教材じゃない?ほら、新しいやつ」

と現実的な発言をするのは優希。


「いやいや、この時期に?ってか、まずそんな穏やかな雰囲気じゃないでしょ!教材運ぶのにガードマンなんかつけないし、国会議員関係ないし普通に考えてやばいことしてるでしょ、あれは」


「あれ?トランクの中身って札束っぽくない?」

この厨二発言はあたし。


「現金って・・・」


「だって先生たちが持ってるトランク。なんであんなに頑丈な鍵がついてんの?中身は相当大事なものってことでしょ?それにあの段ボールの中身が仮に教材だったとしてごらん?そしたら『その辺に積んどいてください。ありがとうございました』って業者さんに言うでしょ」


「・・・そっか」


あの優希を説き伏せるとは、美香やるな!


「・・・・・たしかに、あの山岸さんは国会議員になるためにヤバイことしてたみたいな噂があるって親が話してるの聞いたことあるけど」


「えっ!そうなの!?じ、じゃあ、もしかしたらこれってマジでやばいことなのかもしれないじゃん!!!」


≪優希、そんな怖いこと聞いたことがあるんかいな!≫


「しぃーーーーー、静かに。祷、声でかいよ。で、どうする?警察とかに通報した方がいいのかな?」


「でもさ、それでなんていうの?『もしかしたら国会議員とうちの校長が密売とかやってるかもしれません!』とか??証拠もないのにそんな突飛な話し、信じてもらえないでしょ・・・」


「たしかに・・・」


「まあ、優希も美香も落ち着いてよ。まだ、先生たちがヤバイことしてるって決まったわけじゃないんだから、何をしてるかがわかるまでもう少し様子見てみよう?」




あたし達はそんな会話に夢中になっていて、近くに止めてあった車から数人の大人が降りてきて、こっちへ小走りで近づいてくることになんかまったく気が付かなかった。


≪本当にあれは何をしているんだろう??・・・ん?誰か来たなぁ。こんな会話とか聞かれたら怒られそうだし、二人に教え・・・んん?後ろで止まった・・・≫


中学校で遊んでいる中学生なんかがいて当然だし、逆にわざわざ敷地内のしかもあたしたちのいる植え込みで足音が止まるというのは、偶然にしてはタイミングが良すぎる。

祷りは振り返り――――――――こう言った。


「あちゃー・・・・・・・・・ねえねえ2人とも?・・・・・・後ろを振り返ってみよう、これはアウトだね。どうしましょうか・・・・・・・・」


―――――――そう、盗み見をしていた祷達の後ろには、4人の大人がずらりと並んでいた。服装的に明らかにあの取引の関係者だろう。

つまり、あの取引は人に見られたらよろしくないもの(=ヤバイ取引)だったということだ。


ところで、今の3人の置かれた状況はもはや“どうしよう”のレベルではない。というか、どうにかなる確率があるのだろうか?いや、何をしてもどうしようもないだろう。


結局3人は逃げることも抵抗することもできず、あっさりと捕まってしまった。3人が大人たちに連行されていくとき、かん高い悲鳴が聞こえた。


「アァーーーーーーーーーー!!」


声のした方を見ると・・・・・・・・・。ああ、郁雄だ。

本人には悪いが、その場にいた全員(大人たちも)が「あぁー。あんたらバレてなかったのに。君馬鹿じゃないの?」という顔をしていた。


まあ、そんなわけで、生徒用昇降口にいた男子たちも捕まってしまい、最終的には祷、美香、優希、郁雄、誠也、翔輝、俊太の7人は大人たちに若松中の4階(最上階)にある、視聴覚室に連行された。

※昇降口にいたのは郁雄、誠也、翔輝、俊太の4人だった。


ついでに言うと、連行された時に誠也、翔輝、俊太の3人は黙って郁雄を睨んでいた。

『目は口程に物を言う』てよく言うよね(`・ω・´)b

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