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「わたくしはコドトリ」
「……スズドリ」
「ドククリだよ!」
人間は混乱しているので歩み寄り、情報の共有と、神からの無理難題な命令のとりかかりへこぎつける。
「よくわからないですが……僕はAです。年は15で、将来は安定した公務員になりたいです」
「あれ?人間の名前、こんなシンプルだっけ?」
「生きて帰るかもわからない奴らに、今は名前は必要ないだろう」
「あーオレはB、大学生だぜ~」
神の容赦のない言葉で重たい空気になるが、彼は間髪入れず自己紹介を続けた。
次いで、マイペースそうな青年は視線にようやく気が付く。
「あれ……俺?Cだよ。田舎めぐりが趣味の、今は大学教授かな……」
「私この人にする!」
ドククリがCに抱き着く。
「あらあら~」
「そいつの何がいいんだか……」
「スズドリも先に選んでいいのよ」
「いいの? 死ぬんだよ?」
「ふふ……わたくしははどんな子でも一流に育てられるもの」
「じゃあ、オマエ……」
「ええっ!?オレ!?」
「まあまあ面白そう、あのガキつまんなそう」
「残り物にはなんとやら……頑張りましょうね」
「は、はい」