少し先生っぽいよ?……けど後輩君の性格なら詐欺師のほうがお似合いかも?
ーー季節も12月に近くなり、近頃はますます寒くなってきた。
先輩が空気の入れ換えの為に窓を開ける。
「ーーっ、もう大分寒くなってきたわねー」
「そうですね、もう暖房が欲しい季節ですねー」
先輩の言うことに賛同しながら、窓からはいる風をうけて寒さに震える後輩君。
「子どもは風の子なんだから、まだ後輩君は頑張りなさい」
「……年寄り臭いですよ、先輩?」
この季節に大人がよく言う決まり文句を言う先輩をみて反射的に言ってしまった。
「ーーナンカイッタ?」
ーー瞬間、周りの空気が凍りついた気がした。
「い、いえ。何も言ってません」
「……次は無いわよ?」
「了解です!」
なんとか、危険を回避して安心する。
「ーーそういえば、子どもは風の子なら、大人はなんの子なのかしら?」
「火の子です」
「へ?」
ふと、先ほど言ったものの続きあるのかと、呟いただけだったのだが、それを間髪いれずに、後輩君が答えとので、なんのことか理解できていない先輩。
「だから、火の子です。子どもは風の子、大人は火の子でよかったと思います」
理解していないようなので、再度答えることにする後輩君。
「何でそんな事知ってるの?」
「中学の頃に、俺も先輩みたいに不思議に思って、仲のよかった先生に聞いてみたんです」
「へぇ、よく知ってたわね、その先生も」
「いえ、知ってませんでした」
「じゃ、結局後輩君が自分で調べたの?」
「そうしようかと思ったんですが、先生も興味を持ったみたいで、先生が調べて後日教えてもらったわけです」
「真面目な先生だったのねぇ。」
いい先生がいたもんだ、と感心する。
「……意味までは調べきれていたら、俺もそう思ってました」
しかし、後輩君はそう思わなかったらしい。
「わからなかったの?」
「はい。まぁ、一応質問の答えは聞けだので、それで一先ず納得して終わりました」
「……その言い方だと、意味は自分で調べたの」
だったら、最初から自分で調べたらよかったのに、と呆れた視線を後輩君に送る。
「はい。意味は『子供は寒い風の中でも、平気で遊びまわり、大人は寒がって、火のそばばかりにいる』という意味らしいです。……本当はどういう経緯で出来た言葉かまで調べたかったんですが、無理でした」
「……意味だけで十分でしょうが」
わざわざ、経緯まで調べる意味がわからない。
「自分でもそう思ったんですが、調べているうちに、どうせならもっとしっかり調べたくなってしまって」
自分でも自分の行動に呆れてしまっている様子な後輩君。
「まぁ、先生に聞いた答えだけで満足できなかったんだから、そこまでしても不思議じゃないわね、後輩君なら」
少しかわいそうなので、フォローしておくことにする。
「普通じゃないですか?」
自分の行動の何がおかしいのかと、首を傾げる後輩君。
「意味まで調べるのはわかるけど、その言葉が出来た経緯まで調べるのはあまりいないと思うわよ?」
一応、私が思う一般論で後輩君に説明してみることにする。
「……そんなもんですか」
だけど、あまり納得のいってない様子な後輩君
「で、どうせ、そのついでに他のことも調べてるんでしょ?なにかないの?」
これ以上つつくと、拗ねちゃいそうなので話を変えることにする。
「いや、確かに調べてますが、何で分かったんですか?」
本当になんで分かったのか、わからないみたい。
「そんなの、普段のやり取りでわかるわよ。直ぐに本題から逸れて脇道に逸れるんだから」
「そうでしたね」
普段のやり取りを思い出して納得している後輩君。
「ほら!納得したんなら、さっさと言いなさい」
「じゃあ、割りと大勢の人が知ってることわざで続きがあったものをとかでいいですか ?」
「どんなことわざ?」
「『井の中の蛙、大海をしらず』です」
「あれって、続きなんてあったんだ」
「正確には、中国から来たものに、日本の誰かが勝手につけたみたいですけどね」
「じゃ、正式なものって訳じゃないのね」
「確かに先輩の言う通りですが、言葉に正式かどうかなんて求めてもどうしようもないと思いますよ?」
「どういうこと?」
「テストみたいにちゃんとした形にするなら必要だと思いますが、日常生活において、言葉なんて曖昧なものにしっかりとした形を求めるのは不可能です」
「……急に難しそうな話になったわね」
「簡単な話ですよ?言葉なんて現在進行形で作られてるって話です。だから、その言葉が正式かどうかなんて今だけの話で、何年後にはわかりませんよって話です」
「いや、流石にそんな簡単に出来る分けないでしょ」
「そうでもないですよ。きっと俺達、若者世代が一番作ってると思いますよ」
「えー、ホントにー?」
「疑り深いですね。じゃあ、例えを出しますね。ーー少し古くなってますけど『KY』なんて若者が作った言葉でしょ?」
「あれを作ったって言っていいの?」
「最初に使った人が、どう思って使ったかはしりませんが、世間の人が使ってるってのが大事なんですよ。その言葉に意味があっても知ってる人が1人しかいなければ、それは道端の犬が吠えてるのと同じです。世間に認知されれば、言葉なんてどんどん増えていきますよ」
「よくそんな事、考えてるわね」
「俺の説明が下手で複雑にみえてるだけどすよ。大分話がそれた気がしますが俺が言いたかったのは、あとから付け足された言葉だろうが、それが世間に認められてしまえば、数年後には正式な言葉になることがあるかもしれないって事です。ーーーーあくまでも、俺が考えるにはってだけですが」
「……実際にそうなってるのってあるの?」
「……弱冠、違う気もしますが、『目には目を、歯には歯を』って聞いたことないですか?あれって、少し前にやってたドラマみたいに、やられたらやり返す……倍返しだ!みたいに思ってません?」
「え!?そうじゃないの!?」
「実際の意味では、やられた以上事はしてはいけないっていう、復讐が過剰なものにならないように抑制する意味合いぽかったですよ」
「……ホントによくそんな事知ってるね」
「ーーつまらなかったですか?」
「たまにならいいかと思ったわよ。流石に毎日は嫌だけど」
「ですね。俺も説明が下手なので困ります。今回話した内容もどこまで本当かは、調べきれなかったし」
本当に説明だと思ってるらしく、困った顔をする後輩君。
「ーーそういえば、『井の中の蛙、大海をしらず』の後付け聞いてないわよ?」
「…………元々、それを言うつもりだったのに、随分と脇道に逸れちゃいましたね」
「ま、いつものことでしょ。で、続きは?」
「いろんなとあるんですが、俺が気に入ったのは、『 井の中の蛙、大海をしらず、されど空の深さを知る 』です」
「複数あるんだ」
「ええ。って言っても言い回しが微妙に違うだけで、そこまで違いはなかったと思いますよ。それで意味は『 一つのことを突き詰めればより深い知識を得ることが出来る 』みたいなことだったと思います」
「なかなかタメになりそうな意味ね」
「……突き詰めきれなかったら、ただの大海をしらずで終わってしまいますがね」
「そういうこと言っちゃ、台無しじゃない」
「それだけ突き詰めるの一筋縄ではいかないって言いたかったんですよ」
「やっぱり、ひねくれてるわね」
「どうせ、ひねくれてますよ。ーーさて、今日はこの辺にしてそろそろ帰りませんか?」
「そうね。ーーでもその前に、今日も最後に後輩君に一つ質問!」
「………なんですか?」
「後輩君は、人が知ってなさそうなこと調べてるの?」
「はい」
「楽しいの?」
「それなりに楽しいですよ。後、単純に先輩に質問されるときに、出来るだけ答えられるようにってのもありますし」
「なんていう、忠犬ぶり!」
後輩君のその従順ぶりには、毎度驚かされるよ。
「忠犬言うな!」
「ーー冗談よ、冗談。……いつも私の為にありがとう、後輩君」
「いえ、好きでしてることですから」
ーー季節も12月に近くなり、近頃はますます寒くなってきた。
先輩が空気の入れ換えの為に窓を開ける。
「ーーっ、もう大分寒くなってきたわねー」
「そうですね、もう暖房が欲しい季節ですねー」
先輩の言うことに賛同しながら、窓からはいる風をうけて寒さに震える後輩君。
「子どもは風の子なんだから、まだ後輩君は頑張りなさい」
「……年寄り臭いですよ、先輩?」
この季節に大人がよく言う決まり文句を言う先輩をみて反射的に言ってしまった。
「ーーナンカイッタ?」
ーー瞬間、周りの空気が凍りついた気がした。
「い、いえ。何も言ってません」
「……次は無いわよ?」
「了解です!」
なんとか、危険を回避して安心する。
「ーーそういえば、子どもは風の子なら、大人はなんの子なのかしら?」
「火の子です」
「へ?」
ふと、先ほど言ったものの続きあるのかと、呟いただけだったのだが、それを間髪いれずに、後輩君が答えとので、なんのことか理解できていない先輩。
「だから、火の子です。子どもは風の子、大人は火の子でよかったと思います」
理解していないようなので、再度答えることにする後輩君。
「何でそんな事知ってるの?」
「中学の頃に、俺も先輩みたいに不思議に思って、仲のよかった先生に聞いてみたんです」
「へぇ、よく知ってたわね、その先生も」
「いえ、知ってませんでした」
「じゃ、結局後輩君が自分で調べたの?」
「そうしようかと思ったんですが、先生も興味を持ったみたいで、先生が調べて後日教えてもらったわけです」
「真面目な先生だったのねぇ。」
いい先生がいたもんだ、と感心する。
「……意味までは調べきれていたら、俺もそう思ってました」
しかし、後輩君はそう思わなかったらしい。
「わからなかったの?」
「はい。まぁ、一応質問の答えは聞けだので、それで一先ず納得して終わりました」
「……その言い方だと、意味は自分で調べたの」
だったら、最初から自分で調べたらよかったのに、と呆れた視線を後輩君に送る。
「はい。意味は『子供は寒い風の中でも、平気で遊びまわり、大人は寒がって、火のそばばかりにいる』という意味らしいです。……本当はどういう経緯で出来た言葉かまで調べたかったんですが、無理でした」
「……意味だけで十分でしょうが」
わざわざ、経緯まで調べる意味がわからない。
「自分でもそう思ったんですが、調べているうちに、どうせならもっとしっかり調べたくなってしまって」
自分でも自分の行動に呆れてしまっている様子な後輩君。
「まぁ、先生に聞いた答えだけで満足できなかったんだから、そこまでしても不思議じゃないわね、後輩君なら」
少しかわいそうなので、フォローしておくことにする。
「普通じゃないですか?」
自分の行動の何がおかしいのかと、首を傾げる後輩君。
「意味まで調べるのはわかるけど、その言葉が出来た経緯まで調べるのはあまりいないと思うわよ?」
一応、私が思う一般論で後輩君に説明してみることにする。
「……そんなもんですか」
だけど、あまり納得のいってない様子な後輩君
「で、どうせ、そのついでに他のことも調べてるんでしょ?なにかないの?」
これ以上つつくと、拗ねちゃいそうなので話を変えることにする。
「いや、確かに調べてますが、何で分かったんですか?」
本当になんで分かったのか、わからないみたい。
「そんなの、普段のやり取りでわかるわよ。直ぐに本題から逸れて脇道に逸れるんだから」
「そうでしたね」
普段のやり取りを思い出して納得している後輩君。
「ほら!納得したんなら、さっさと言いなさい」
「じゃあ、割りと大勢の人が知ってることわざで続きがあったものをとかでいいですか ?」
「どんなことわざ?」
「『井の中の蛙、大海をしらず』です」
「あれって、続きなんてあったんだ」
「正確には、中国から来たものに、日本の誰かが勝手につけたみたいですけどね」
「じゃ、正式なものって訳じゃないのね」
「確かに先輩の言う通りですが、言葉に正式かどうかなんて求めてもどうしようもないと思いますよ?」
「どういうこと?」
「テストみたいにちゃんとした形にするなら必要だと思いますが、日常生活において、言葉なんて曖昧なものにしっかりとした形を求めるのは不可能です」
「……急に難しそうな話になったわね」
「簡単な話ですよ?言葉なんて現在進行形で作られてるって話です。だから、その言葉が正式かどうかなんて今だけの話で、何年後にはわかりませんよって話です」
「いや、流石にそんな簡単に出来る分けないでしょ」
「そうでもないですよ。きっと俺達、若者世代が一番作ってると思いますよ」
「えー、ホントにー?」
「疑り深いですね。じゃあ、例えを出しますね。ーー少し古くなってますけど『KY』なんて若者が作った言葉でしょ?」
「あれを作ったって言っていいの?」
「最初に使った人が、どう思って使ったかはしりませんが、世間の人が使ってるってのが大事なんですよ。その言葉に意味があっても知ってる人が1人しかいなければ、それは道端の犬が吠えてるのと同じです。世間に認知されれば、言葉なんてどんどん増えていきますよ」
「よくそんな事、考えてるわね」
「俺の説明が下手で複雑にみえてるだけどすよ。大分話がそれた気がしますが俺が言いたかったのは、あとから付け足された言葉だろうが、それが世間に認められてしまえば、数年後には正式な言葉になることがあるかもしれないって事です。ーーーーあくまでも、俺が考えるにはってだけですが」
「……実際にそうなってるのってあるの?」
「……弱冠、違う気もしますが、『目には目を、歯には歯を』って聞いたことないですか?あれって、少し前にやってたドラマみたいに、やられたらやり返す……倍返しだ!みたいに思ってません?」
「え!?そうじゃないの!?」
「実際の意味では、やられた以上事はしてはいけないっていう、復讐が過剰なものにならないように抑制する意味合いぽかったですよ」
「……ホントによくそんな事知ってるね」
「ーーつまらなかったですか?」
「たまにならいいかと思ったわよ。流石に毎日は嫌だけど」
「ですね。俺も説明が下手なので困ります。今回話した内容もどこまで本当かは、調べきれなかったし」
本当に説明だと思ってるらしく、困った顔をする後輩君。
「ーーそういえば、『井の中の蛙、大海をしらず』の後付け聞いてないわよ?」
「…………元々、それを言うつもりだったのに、随分と脇道に逸れちゃいましたね」
「ま、いつものことでしょ。で、続きは?」
「いろんなとあるんですが、俺が気に入ったのは、『 井の中の蛙、大海をしらず、されど空の深さを知る 』です」
「複数あるんだ」
「ええ。って言っても言い回しが微妙に違うだけで、そこまで違いはなかったと思いますよ。それで意味は『 一つのことを突き詰めればより深い知識を得ることが出来る 』みたいなことだったと思います」
「なかなかタメになりそうな意味ね」
「……突き詰めきれなかったら、ただの大海をしらずで終わってしまいますがね」
「そういうこと言っちゃ、台無しじゃない」
「それだけ突き詰めるの一筋縄ではいかないって言いたかったんですよ」
「やっぱり、ひねくれてるわね」
「どうせ、ひねくれてますよ。ーーさて、今日はこの辺にしてそろそろ帰りませんか?」
「そうね。ーーでもその前に、今日も最後に後輩君に一つ質問!」
「………なんですか?」
「後輩君は、人が知ってなさそうなこと調べてるの?」
「はい」
「楽しいの?」
「それなりに楽しいですよ。後、単純に先輩に質問されるときに、出来るだけ答えられるようにってのもありますし」
「なんていう、忠犬ぶり!」
後輩君のその従順ぶりには、毎度驚かされるよ。
「忠犬言うな!」
「ーー冗談よ、冗談。……いつも私の為にありがとう、後輩君」
「いえ、好きでしてることですから」
「じゃ、今度こそ本当に帰ろっか」
「はい」
ーーこれで今回の『Sよりな先輩と振り回され気味な後輩君』はお仕舞いです。
「じゃ、今度こそ本当に帰ろっか」
「はい」
ーーこれで今回の『Sよりな先輩と振り回され気味な後輩君』はお仕舞いです。