第4話 団長!可愛いです!
女の子になってしまったグラムレス。
騎士団は大混乱、城中は大騒ぎ。
そして現れたのは――
肝っ玉母ちゃんメイド長・ヴィーロ。
第4話は、
“女騎士(仮)グラム”の新しい日常が始まる回。
・⋯━☞騎士団更衣室☜━⋯・
ドタドタドタドタッ!
バタバタバタバタッ!
「やぁ~~~めぇ~~~ろぉ~~~!!」
「団長ぉ~~~♡」
「きっしょく悪い呼び方すなぁ!!」
「グラムちゃあ~~~ん♡」
「グラムちょわぁ~~~ん♡」
「グゥちゃあぁあぁ~~~ん♡」
「うっさいわあ!!
お前たちから、そんな呼ばわりされる筋合いはねぇ!!」
ドタバタドタバタッ!
ドタバタドタバタッ!
グラムレス騎士団の帰還後、更衣室では大騒ぎとなっていた。
なにせ、どこから持ち出したのか、木の板にグラムレスを乗せて、まるで大名行列のような有様で帰還するものだから、そりゃあ目立つと言うものだ。
しかも、団員たちが城内の人たちに、グラムレスが地龍討伐に一番貢献したことと、なぜかそれ以上に女の子になっちゃったことを嬉しそうに話すので、誰もが女の子になったグラムレスを一目見ようと人が集まる集まる!
だが、そんなとき!
「こらぁーー!!」
「「「「?!……」」」」
「何やってんのアンタたち!!」
「「「……(汗)」」」
(タジタジ……)
「あっ! ゔぃ~~ろさぁ~~~ん(汗)」
そこへやって来たのは、騎士団と救護班の「調理兼世話役担当」のオバチャンだった。
要するに、「騎士団のお抱えキッチンメイド長」である。
このメイド長、名を「ヴィーロ」という。
グラムレスは彼女見ると、一目散に駆け寄る!
ガバッ!
(グラムレスを抱きしめるヴィーロ)
「あらあら、こんなに小さくなっちゃってまあ!」
「「「「ザワザワザワザワ……(汗)」」」」
「あんたたちぃっ!!」
「「「「!!……っ(焦)」」」」
(びくうっ!!)
「こんな幼気な少女相手に、何考えてんの!?
まったく、見境が無さすぎでしょ!!」
「「「「違う違う違う違う違うっ!!(汗)」」」」
「何が違うと言うの?!」
「「「「!!……(焦)」」」」
(びくくうっ!!)
流石は、肝っ玉母ちゃんメイド長!
屈強な男共を相手にひるまない。
そして、鬼瓦のような表情で睨みつける!
騎士団ともあろう者が、メイド長に叱られ縮こまってしまう。
このメイド長ヴィーロは、女性にしては背が高く170cm超え。
身長165cmしかない男だったグラムレスよりも背が高い!
また、他の団員たちも背が高く、皆180cm越え。
ラストは、誰よりも背が高く、190cm!
そのせいか、女の子になったグラムレスの身長は、150cm足らずなので、やけに小さな少女に見えてしまうのだ。
「ほぉら!」
ふわっ!
(グラムレスをお子ちゃま抱っこ)
「ひゃあっ!」
「もぉもぉもぉ! 女の子にこんな格好させてもぉ!」
「あ、あの……その子は(汗)」
(ビビりながら声をかけるラスト)
「なにっ?!」
(キッ!)
「はいっ! なんでもありません!!」
ビシッ!!
(激しく敬礼!)
「うむ、よろしい!」
トットットットッ……
「「「「ええええ~~~……(汗)」」」」
「……参ったなこりゃ」
グラムレスは、ヴィーロにどこかへ連れていかれてしまったのだった。
・⋯━☞メイド用更衣室☜━⋯・
所変わって、ここは「メイド用更衣室」。
そこには、ちょうど休憩時間だったのか、たくさんのメイドたちが集まっていた。
メイド長ヴィーロは、なぜグラムレスをこんな所へ連れて来たのか?
それは……
「可愛い~~~!」
「きゃあー何この子?!」
「小っちゃ~~~い!」
「うわっ! なんだ?!
おい、ここはどこだ!」
「こぉら! 女の子がそんな口の利き方をしてはいけません!」
コツン!
(グラムレスのおデコに軽くゲンコツ)
「あてっ!……でも」
「はい! みんな~用意はいい?」
「「「「はぁーーーーーい♪」」」」
「グラムちゃん~~~メイクアップ!」
「はあっ?!」
ドタバタドタバタッ!!
ドタバタドタバタッ!!
「ぎゃあ~~~やめてくれぇ~~~(汗)」
………………
…………
……
「はい! できあがり!」
「「「「かわいいい~~~!!」」」」
「はみゃあ?!」
(子供用のメイド服姿のグラムレス)
「さっ! グラムちゃんは、今日からしばらくはメイド見習いとして、ここで働くのよ!」
「はあいーーーーーー?!」
なんと! メイド長ヴィーロは何を思ったのか、グラムレスをメイド見習いとして働かせると言うのだ!
「ちょっと、待てぇーーーーいっ!!」
「「「「?!……」」」」
「なに?」
「なに? じゃねぇーよ!
俺を誰だと、思ってやがる!!」
「え? 知ってるわよ?
王宮騎士団所属グラムレス騎士団団長様でしょ?」
「知ってるのかよーーー!!」
「知ってるわよお~~~!
あれだけ大騒ぎしていたんですもの!
誰がどうなったかなんて、すぐに分かるの!
早速、陛下にもお許しをいただいたわ!
メイド長ヴィーロさんを、
甘く見ないでちょーだいね!」
「はっやっ! こっわっ!
どんな情報収集力と行動力だよ?!」
「それより、グラム団長がそんな姿じゃあ、
騎士団としての職務は無理でしょ?」
「そ……それは……んん……
追放処分になっても仕方がない……(凹)」
(項垂れるグラムレス)
「でしょ! 理由はどうあれ、
団長として騎士団を纏められないなら、
他にできることをすればいいの!
今までの鎧は着られないでしょ?
今のあんたに合った鎧が作られるまで、
まあ我慢なさいな!」
「んかっ?!……分かりました
でも、なんでこんな格好に?」
「可愛いから」
「そこっ?!」
「うん! あんたは、とっても可愛い!」
「なんですかそりゃあ?!
俺のためを思って城に置いてくれるよう
陛下に取り持ってくれたのかと思ったら、
あんたの視点はそこっ?!」
「ええ、そうよ! 可愛いから!」
「?!……もう、どうにでもなれ……」
なぜ、こうなった……
グラムレスは、騎士団団長として
騎士団を纏められないなら、
追放処分も覚悟していたのだが、
運良く拾ってくれる部署があったと思いきや、
まさかの、メイド見習いってかよ!!
グラムレスは、仕方なく、
今の体に合った鎧が出来上がるまで、
メイド見習いとして、働くことになってしまった。
と、その時だった!
団の部下たちが、やいやいとグラムレスをからかう。
「団長! 可愛いっす!」
「んなっ?!」
「めちゃくちゃ可愛いっす!」
「うるせぇーよ!」
「俺、目覚めちゃったかも?」
「なににっ?!(怖)」
「ああ、こんな可愛い孫が欲しかった!」
「お前、幾つだよ!?」
「団長! 夜寂しかったら、
いつでも俺の部屋に来ていいですからね?」
「誰が行くかぁ!!」
「こぉらっ!! 女の子がそんな口の利き方をしてはいけません!!」
パチィ~~~~~~ン!
「きゃん!!」
メイド長ヴィーロは、思い切りグラムレスのお尻を平手打ち!!
堪らず寝転がってお尻を抑えてのたうち回るグラムレス。
「いだぁ~~いん! すん…すん……(泣)」
「はい! これからミッチリ立派なメイドとして鍛えてあげますからね!」
「違っ……俺は、騎士だぁーーー!!」
パチィ~~~~~~ン!
「きゃいん! ひゃんひゃん……(泣)」
(また尻を叩かれたグラムレス)
「まだ、状況が分かってないようね?」
「やだもお! この人!
一本傷より怖えよぉ~~~(泣)」
「なんですって?!」
(右手を振りかぶるメイド長)
「きゃあ! ごめんなさぁ~~~い!」
「「「「「あははははははははっ!」」」」」
女の子になってしまったグラムレスは、
今の体に合った鎧ができるまで、
メイド見習いとして働くことになった……
さて、どうなるの?
読んでくださり、ありがとうございます。
騎士団長から一転、
まさかのメイド見習いに転職(?)してしまったグラム。
騎士団の暴走、
ヴィーロの圧、
そしてグラム自身の戸惑い。
ここから“ある女騎士の事情”は、
さらに騒がしく、さらに可愛く、さらに深くなっていきます。
次回もぜひお楽しみに。
”ヴィーロ”とは、どこかの国の言葉で、”御局様”という意味だそうです。




