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魔神バルクイント前編(再会そして再戦)

遂に、マリアンルージュと因縁のある魔族がザイオンに攻めてくる。大量の魔力を消費してザイオン全体に結界を張り巡らしていたが、すでにザイオン内部に因縁の最高位魔族が侵入していたのだ。

 アークデーモンを倒してから1週間経ったある日、ザイオンの街に不穏な瘴気が漂い始めていた。


 魔法大国で過去に敵対していた魔族であるバルクイント。


 当時魔法大国アンブロシアの皇女であったマリアンルージュ。


 最高位魔族バルクイントは彼女と300年前に激しい魔法戦を繰り広げ敗北しているのだ。


 その時の怨みを晴らす為に、魔法の眠りから醒めたマリアンルージュの魔力に気付き追ってきたのだ。


 マリアンルージュの方は、バルクイントが目覚めた事を気付いていないようだが、魔族の襲撃が始まった事については理解していた。


 「魔族がこの街を狙っているようだけど、取り敢えず、結界は必要かな?」マーリィは腕組みする。


 「この街を護る理由があるなら結界を張るのは上策ですが、街全体に結界を張るにはかなりの魔力を消費します。姫様がそこまでする価値がありますか?」


 専属の護衛騎士ルーナは正直言って結界を張らずに街を出て行った方が良いと考えているのだ。


 「次の街を探すのも大変でしょう?」マーリィはさも当たり前の様に答える。


 「姫様が気に入ったなら仕方ないですよね。」諦めたようにルーナは溜め息をつく。





 バルクイントもまた作戦を考えていた。


 過去にマーリィに敗北した際は、単独で戦って負けたのだ。今回は、別の最上位魔族を一体と上位魔族を3体連れてきていたのだ。


 更に、マーリィが街自体に結界を張るであろう事も想定して、最初から街に入り込んでいたのだ。


 ザイオン外周には間も無くレッサーデーモンやグレーターデーモン、無数のアンデッドの群れが到達する所だった。





 「結界を張りますよ。」街の中央に立ち詠唱を開始した。


 「セイクリッドフィールド!!」


 マーリィの固有色である淡い桃色の光がザイオンの街をまるごと包み込む。


 「完了したよ。」マーリィはふわりと微笑む。





 「待っていたよ。マリアンルージュ皇女様・・・」


 マーリィは、悪い意味で懐かしい声を聴いてびくっとする。 


 「バルクイント・・・300年もあれば復活出来ると言うことか・・・」マーリィは、最上位魔族であるバルクイントに向きなおる。


 剣聖ルーナはもう一体の最上位魔族ヴァロアに向かい合い下手に動けない。


 魔剣士フィンは結界の外側で大多数の悪魔達を抹殺する作戦だった為、結界内には戻ってくる事は出来ない。


 それどころか、結界内で何が起きているかすら気付く事すら困難だった。





 「さぁ、あの時のように思いっきり超特大級の魔法を使って見なよ。」


 街の中で超特大魔法は使えない。

 

 「じゃあ、私だけ使わせて貰おうかしらね。」バルクイントは不敵に笑う。


 「ディメンション・ケージ!」


 バルクイントの異次元隔離を試みる。


 背後から高速移動、空間転移を得意とすると上位魔族クレストがマーリィのいる座標で空間爆発魔法を放っていた。


 「ドオオオン!」


 バルクイントを空間隔離する事に気を取られていたマーリィは呆気なく巻き込まれてしまう。


 「キャャャャアァァッ!」切ない悲鳴を上げて、そのまま落下、地面に叩き付けられた。


 「姫様ぁ!」


 流石の剣聖ルナフォースも、最上位魔族ヴァロアの相手で手一杯だ。


 全身血塗れで気を失いかけているマーリィの両腕、両脚に強力な魔封具か嵌められる。


 必死に維持していた結界が消える。


 「姫様あああぁぁぁっ!」周囲の雑音を引き裂いてフィンが結界内の戦場に割って入る。


 空間魔法の天才であるフィン。空間転移、瞬間移動、思考加速など結界が消えて僅か3秒で戦闘に参加、絶対切断を付与された魔剣は、一瞬にして上位魔族2体の首を切断、バルクイントの左腕すら切断した。


 「不味い!全滅させられる!!」


 クレストが最上位魔族2体と動けなくなったマリアンルージュを遠隔転移させる。ルーナもチャンスを逃さなかった。


 「させるか!神速剣・一閃!!」転移直前のヴァロアの胴体を両断した。


 結果的にバルクイント意外はクレストが逃げ延びた形となり、マーリィは連れ去られてしまった。


 

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