究極の解呪魔法
いよいよ、治癒魔法師としての依頼にとりかかった。実際に診察すると、原因は集団魔術による呪いであった。そして、解呪を成功させるマリアンルージュ。眼を醒ましたシャルティア王太子妃は、アリアンルージュの出自に迫る。依頼は成功し、あまり深入りさせない様にザイオンに帰るのであった。
「バルザーク王太子妃殿下!ザイオンの賢者マリアンルージュにございます。早速ですが検査を開始しますね。」
マーリィは、意識の無いシャルティアのホーリィスキャンを開始した。
光属性の病源検索魔法である。
「これは・・・病気ではないですね。呪いです。それも20人以上の熟練した呪術師が、集団で呪を完成させた非常に強い呪いです。」マーリィはつづける。
「もしも、私が力ずくで解呪すると、呪いが術者に帰ってしまうので、呪術師達は生きてはいないでしょうね。他国の者が呪いをかけていた場合には犯人は判らなくなってしまいますがそれで良いですか?」
マーリィは側に付き添っていた王太子に伺いをたてる。
「シャルが救かるなら、あとの事はどうでも良い事だ。」
王太子はシャルティア王太子妃を非常に大切に思っているようだ。
「畏まりました。直ちに解呪致します。」
マーリィは王太子妃の前に跪き手を組むと解呪魔法を唱え出す。
マーリィの身体から発する眩いばかりの薄桃色の光がバルザーク王太子妃をも包み込んでしまう。
そして魔法構成が完成する。
「ホーリィ・ディスペル!!」
そして数分間解呪の光が鎮まる事はなく輝き続けた。
「マーリィ殿、結果は如何ですか?」王太子は心配そうだ。
「手ごたえはありました。呪いの邪気は消えましたし、呪いの力が術者に帰って行くのも確認出来ました。今頃術者は全員生きてはいない筈です。」
一仕事終えたマリアンルージュ達は客室に案内された。
後は王太子妃が目を醒ませば、依頼は成功である。
「冒険者の方達は、本日はこちらでお休み下さい。」案内した執事が一礼して下がっていった。
王宮では、今回の呪いを見抜く鑑定眼、集団呪術をたった一人で解呪した強力かつ正確な魔力操作に感嘆の声が上がっていた。
「元々は欠損部位すら完治させる程の白魔導士でありながら、解呪士としても規格外・・・ザイオンには帰さず、バルザークの宮廷魔術師として囲い込んだらどうか?」バルザークの宰相が提案した。
「マーリィ様は、権力には全く興味を示さないばかりか、ギルドでもFランクのまま昇格する気も無いらしいですよ。」今回情報収集に当たった執事兼諜報員は語る。
「まだ15歳にしてあの美貌に女性としての魅力の全てを備えた様な女性だ、あの深い瑠璃色の瞳は他にも類を見ない。本当は何処かの王皇貴族の血統を受け継いだ者だろう。そうで無ければ、側付きの剣聖や、ドラゴンをも屠る程の魔剣士を従えているなんてあり得ない。」
シャルティア王太子妃は、翌日にはほぼ完治していた。
「マリアンルージュ様、この度はありがとうございます。今後もよろしくお願いしますね。」
「はい。マーリィとお呼びください。今後ともよろしくお願いしますね・・・」
シェルティアはマーリィの容姿をじっと見て、一言尋ねる。
「貴方、幻の魔法大国アンブロシアの血統を受け継いだ者ですか?古文書に記された過去の魔法国家の皇族の特徴に酷似してますが・・・」
シャルティアの聖女としての知識と洞察力は本物である。
「そうですね、時々魔法学の歴史に詳しい方には指摘されますが、私は孤児ですので出自についてはわかりません。」
「そうですか・・・可能性はありそうですね。」
「私は東の最果ての国、エデンの公爵家に引き取られた孤児で、魔法の実験素体として生きていた所、二人の騎士達に助け出されたのです・・・」
「ごめんなさい。辛い過去を思い出させたかしら。」
「ギルドでも、素行でも目立ちたく無いのは、それが理由です。」
「マーリィ、そろそろ時間だよ。帰ろう。」ルーナが促す。
依頼の成功証明を受け取って、ザイオンに帰って行った。
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