40話 お出かけ
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傭兵団の討伐後、俺とアルテは一般兵士のランクを1つあげた。いくつか上がれば中級兵士になれるが、道のりはまだまだ長い。最近は、領内を巡回しているが、異常なし。問題は起こらないに限る。
上官に集められいつもの様に整列していると、長期の休みの話になった。
「貴様らは日頃、問題なく仕事をこなしているので、伯爵軍トップの中隊長より休みを頂ける事になった。現在、14名を4組に分けて交代で1週間休め。班分けが決まったら、ルークから私に報告せよ。以上だ。」
ジヨンと久しぶりに観光でも行こうかと考えた。伯爵夫妻にも挨拶にいかないとな。ガラテアの墓参りもしたい。忘れていたけど、父親のダンとポルンとポルンの姉の墓参りもしたい。あれもこれも色々と考えていて、ジヨンの行きたい所も聞かないと。
ジヨンもたまには両親に会いたいとかあるのかな?自宅に戻り、ジヨンと夕食をとりながら今度休みがとれる話をした。ジヨンも最近は無理のない範囲で仕事を始めた。自宅から歩いてすぐの所にあるパン屋である。たまに売れ残ったパンを持って帰ってきている。俺の休みに合わせられないか確認してもらう事になった。
俺が休みの日にジヨンが仕事に出ている時もある。家でゆっくりと掃除でもしてから、ジムールを散策している。冒険者活動はしていないが、ジムールにもギルドはあり、たまに情報収集している。受付嬢の話だと最近はダンジョンに冒険者をとられて一般の依頼をこなしてくれる冒険者が減っているらしい。今の所、戦争の兆しもないので安心した。
掲示板をかるく見ているが、ここではCランクの依頼が一番上である。普通にCランクの力があればダンジョンに行くだろう。ちらっと見てみると、1つ気になる依頼を見つけた。泉の調査依頼である。
伯爵領から北西で、男爵領の境目付近に大きな泉があるそうだ。その泉に観光で来ていた人が幾人も行方不明になったらしい。溺れたのか?と思ったが、死体が見つからないそうだ。魔物の可能性も考えたが、何となく気になる。盗賊か?幸せの泉と言われていたが、現在は封鎖されているらしい。
その日の夜にジヨンから休みの予定を合わせる事が出来ると聞いた。
「ジヨン、冒険者ギルドのCランク依頼として幸せの泉の調査があるんだが、仕事みたいな感じだが一緒に行ってみるか?夫婦や恋人同士がその泉に行くと幸せになれるという噂があるらしい。現在は、封鎖されているが、依頼なら入れる。」
「え……?いいけど……。休みの全部を使うのはイヤよ!せめて男爵領で観光したいし。買い物とかする。」
「わかった!それで行こう。泉に行く馬車がないから、軍で使っている俺の馬で行こうか。ジヨンのお尻を守る為に柔らかい座布団を用意しておくよ。」
休みになり、冒険者ギルドで依頼を受けてから、ジヨンを馬に乗せて北の泉に向かった。2人で馬に乗るのは初めてだったので楽しかった。ベットの上ではよく上にのってもらっているが……。俺が馬か?
順調に進んだが、目的地までもう少しかかるので、近くの村の宿に宿泊する事になった。この村は、幸せの泉に近いこともあり、以前は観光客で賑わっていたらしいが、今は少しだけさびれてしまった。馬を預けて、宿を借りた。
ジヨンは案の定、お尻が痛くなったらしく、ポーションを俺が優しく手で塗ってあげた。その先は想像に任せるが、ポーションの新たな使い道に気づいてしまったかもしれない。暇な時に小道具を作ったり、探したりしても面白いかもしれん。ちなみに面白いのは俺だけであるが……。
翌日、朝食の後すぐに出発して昼前には幸せの泉に到着した。冒険者ギルドで預かった鍵で封鎖された扉を開けて中に入った。泉はすぐに見えたし、特に異常を感じなかった。2人で歩きながら泉に近づいた。
「これで俺達は確実に幸せになることが約束されたな!」
「ええ、こんな綺麗な泉があるなんて知らなかったわ。来て良かった。」
しかし、仕事なのでここで帰るわけにはいかない。泉の周辺に魔物や人の気配はない。ジヨンに魔力銃を渡して、万が一敵が来たら撃てと言っておいた。俺は、泉の中を泳いで調べてみようと思う。行方不明になった人がいるらしいからな。ジヨンには俺の事は気にせずに休んでいるように伝えた。
装備品はアイテムボックスにしまい、服のまま泉に入った。多少重くなるが、大丈夫だ。ゆっくりと進み、ある程度の所で深く息を吸い潜った。水が綺麗なのでよく見えるが、深い所は底が見えなかった。息がもたなくなるので、さっさと進んだ。
一番深い所まで来るが、魔物や人骨、お宝などはなかった。金貨が沈んでいたので、誰かが投げたのか頂く事にした。空気を吸い込んでは潜りを繰り返した。ジヨンの様子を確認したが、問題なさそうだ。本当に何もないので、次で最後にしようと潜ったところで、奥底に石板を見つけた。
「何だこれは?」と思い触ったのがよくなかった。急に光でまぶしくなり目を閉じた。どこかに飛ばされたようだ。「ばしゃん!」と音を立てて、背中から着地した。泉だとわかった。周りを見渡すが、ジヨンはいなかった。
「まずい、まずいぞ!どこに飛ばされた?」
服を着替えてから、森の中を走り、森を抜けると小さい集落が見えた。ゆっくりと歩いて人を探した。
「すみません!誰かいませんか?」
何度か声をかけると、年配のおじさんが家から出てきてくれた。「誰だい。こんな田舎に来るのは珍しいな!まさか泉から迷い込んだ人かい?たまにその森から現れるんだな。」
ゆっくりと話を聞くことが出来た。ここはどうやらミスリル帝国のはるか西の方らしく、役人が年に1度来る程度らしく何もない田舎らしい。何となく理解できたが、前にも現れた人は陸路でどこかに向かったそうだ。ここからでは、戻るのに何ヶ月かかるかわからないので、おじさんに礼を言って、拾った金貨10枚渡して、移動石を使った。
一瞬でジヨンの目の前に到着した。まじでジヨンに魔力銃を渡しておいて良かった。ちなみにジヨンは俺の姿が見えなくなり、心配で泳いで探そうとしてくれてパンツ1枚と下着の姿になっていた。
「心配させて悪かったな。原因がわかったから。」と言いつつほぼ裸のジヨンを抱き寄せて、残りの下着を脱がした。俺も服を脱いで2人とも全裸だ。たまには開放的になり外でセックスするのもいい。誰もいないから遠慮はいらない。
それからはジヨンの喘ぎ声がいくら泉で響こうとも遠慮なく穴を突いた。体が汚れても生活魔法があるので洗い流せた。暗くなる寸前まで外でしてから、結界石のテントで夜は続きである。夕食を食べてから元気を取り戻した。
無駄にポーションをお互いに半分以上飲んでから、残りを下腹部につけた。夜の間も元気もりもりで遊べた。たまには違う環境だと燃えることに気づいた。翌日、泉でしっかりと体を綺麗にしてから男爵領を目指した。ジヨンと約束していたからである。
泉で拾った金貨が残っていたので、服や美味しい物を2人で食べてお土産を買って伯爵領の自宅に戻ってきた。ジヨンを自宅に残して、冒険者ギルドに行き報告した。すぐに移動石を持った調査隊が派遣される事になった。調査結果がその内報告されるとのことで、依頼料金貨50枚を頂いた。
後日、幸せの泉から女性の喘ぎ声の様な音が聞こえて、何か一定の間隔で、「パンパン」と叩く音がするので、調査してほしいという依頼が冒険者ギルドに出たらしいが、誰にも受注はされなかったらしい……。
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