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3話 リベルタ陥落 その1

もう一丁いくぜ。投稿します。よろしくです。

「お父さん、城壁から遠く離れた所に進軍している沢山の兵士がいたよ!」


「ルーク、わかっている。おそらく軍の上層部の連中は事前に知っていて、領民に伝えなかっただけのことだ。今、リベルタを攻めているのが、北のジェノム王国だろう。ここまで来るまでにあった村や町も落とされているかもしれない。」


「何で急にそんなことになったの?」


「皇帝ネロが領土拡大のために他国に兵を送り、無差別な殺戮を行ったという話を聞いた事がある。急に武器の取引が増えたからおかしいと思ったんだ。もう逃げ場なんてないぞ。」と父親が言っていた。


これ以上焦っても仕方ないので、俺と父親のダンは必要な食料や備品を買いに出かけた。当然、皆考える事は一緒でろくな物が手に入らなかった。お金があっても物が買えない状態だ。できる事は、領軍の兵士が籠城戦に勝ってくれる事を毎日祈ることだけだった。


数日後、開戦の音が聞こえた。無血開城とはいかなかった様だ。父親のダンが情報収集しており、籠城戦という事もあるので、現時点では互角に戦えていると言っていた。しかし、1週間が過ぎて戦争に慣れて油断した頃に城門を突破されてしまった。


フラストレーションのたまった敵の兵士達がなだれ込み、領民に対して一方的な虐殺と略奪が行われた。頭から真っ二つにされたリベルタの兵士、領民の首と胴体が離れた死体がいたる所で散乱していた。先ほどまで普通に動いて、生活をしていた人達である。地獄とはこの世界に存在していた事を思い知らされた。


中には、家の鍵をこじ開けられ、侵入した兵士になぶられ、犯された若い女性もいた。複数人に何度も犯されて、用が済んだらナイフを突き立てられて、裸のまま放置された。子供も関係なく殺されていた。


「ルーク、奥に隠れていなさい。」と言われたので、店の奥に入り休んでいた。鍵の閉まっている店の扉を誰かが蹴り破る様な音が聞こえた。父親が誰かと話していたが、すぐに悲鳴の様な声が聞こえた。反射的に動いて、店内に出ると父親のダンが剣を突き刺されていた。


「こっちに来るんじゃない。」と父親が必死に言っていたが、「何をしているんだ!」と俺が言い、鎧を着た1人の兵士に向かって走った。厳しい訓練を受けた人間にとって子供など赤子の手をひねるようなもので簡単に蹴り飛ばされてしまった。


壁に強く頭をうち星が見えた。頭を触ると血が手についた。鼻からも血が出ており、息ができなかった。「お父さん、苦しい。何なんだ、あいつは?あれ?……そもそも俺は?この前、家族に看取られて俺は死んだはずでは?」と独り言をつぶやいた。その瞬間に、過去の記憶がすべて思い出された。


今から数百年前、表の世界最強と言われていたのが、当時S級冒険者の龍殺しの英雄クリス、または対人最強のロマネ王国騎士団団長と言われていた。まぁ、相まみえてないので確かではないが……。その2人と同格と言われていた俺は、とある組織に属し、貴族の暗殺などの依頼を受けていた。


前世では、生まれた境遇から何も考えず悪の道をひたすら進んだが、最初から悪事をしたかったわけではない。幼少の頃から暗殺訓練をさせられたのがよくなかった。途中からは、真っ当に生きる事も出来た。


裏の組織を抜けた後、隠れて小さい村で生活していた。最後は、家族に看取られて幸せだった。思い残すことなく、死んだと思われたが、どうやら数百年後の世界に転生していたようだ。


すぐに今の自分の状態を確認した。生まれてから12年の記憶があり、前世の記憶もある。現在は、ダメージを受けて体の状態があまりよくない。


子供の体であり、攻撃スキルはアイスピックのみだった。何それ?刺突か何かの下位互換のスキルだろうか。数多の俺の覚えたスキルやレベルはどこにいった?生活魔法とアイテムボックスはあるが中身が空だ。嘆いても仕方ない。まずはこの危険な状況を何とかしよう。


目の前の敵が父親から剣を引き抜きこちらに向かって歩いて来ている。父親が気になるが、今はそれどころではない。左上を見るとルビーのナイフがあったので使わせてもらおう。ゆっくりと立ち上がり相手がもう少し近づくのを待った。こちらを子供とあなどっていたのか大振りで剣を振り下ろした。


剣を半身になり躱した直後に一気に接近してスキルアイスピックを敵に向かって使った。高速で放たれた突きが兵士の首に突き刺さり前に倒れた。ルビーのナイフは切れ味がとてもよかった。すぐに父親ダンの所に移動した。すでに命のともしびが消えかけていたが……。


「お父さん、お父さん!」と声をかけると、かろうじて反応してくれた。

「先に……母さんの所に行く。すまない。お前が大人になるまで、……結婚して子供が生まれるまで生きたかった。これじゃ、母さんにあわせる顔がない。何とか……生きて……。」と言い息を引き取った。


涙が出たが、それは12年共に生きてきたルークの記憶からである。前世の記憶があるので、すぐに頭を切り替えた。父親をアイテムボックス(微)にしまい、いくつか金になりそうな剣などお金も含めて回収した。もちろん食料や備品も持っている。


腰にルビーのナイフ、防具は革の鎧を装備した。その後、兵士の死体を蹴り飛ばしてから、そのままにして店の外に移動した。生まれ変わった命を無駄にするつもりはないが、……今にも爆発しそうなこの怒りの感情を抑える事が厳しくなっていた。はぁ~、さぁ、死ぬ前に一花咲かせてやろう!復讐という名の皆殺しのパーティー開始だ。

気楽に投稿していきます。

よろしくお願いいたします。

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