1話 ノア帝国誕生の歴史
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歴史書など存在せず、口頭での言い伝えによると、300年ほど前のロマネ王国時代に天空から巨大隕石が落下したそうだ。その影響から大地震が起こり、各地で建物が崩壊した。さらに追い打ちをかけたのが、龍の爪と呼ばれる火山の大噴火で世界を灰につつんだ。
数年の間、晴れの日がへり、土地が痩せ作物は育ちにくくなり、各地で飢えや貧困が起こり、人々は疲弊し、食料を求めてやがて争いが起こった。盗賊に成り下がった者による盗みや殺しも当然の様に各地で発生した。
元々の格差がさらに広がり、力のない者、子供や女性、年寄りは力のあるものに搾取されるか、その命を奪われるかして淘汰されていった。多くの人々が、疑心暗鬼となり自分の事だけを考える様になり、世界は混迷をきわめていた。
さらに、巨大隕石の落下した旧王都跡には、多くの魔物が跋扈するようになり、人が容易に近付けない大きな穴が出来たらしい。その穴から絶えず魔物が出てきており、大陸中へと広がってしまったそうだ。
現在は、旧王都跡を囲うようにして作られた巨大な壁により、魔物が外に出られない様に守られているが、いつまでもつのか疑問である。過去に一度、魔物が壁を内側から壊した事があったらしく、その時は大きな犠牲が出たらしい。
そんな暗黒時代に救世主となる人物が現れた。それが、ノア帝国の初代皇帝となるフェルトとその妻のルルである。2人は元々は、子爵家の出で、身分は高い方ではなかったが、武力と知略を駆使して、部下と共に多くの犠牲を払い、皇帝の地位についた。
新しく国を作り、有力貴族をまとめあげ、産業を発展させた。当時の王都を切り捨てて、大規模な魔の森の開拓を進め、巨大都市である帝都ノアを作りあげ、国に平和と安定をもたらした。その帝都から西に馬車で10日ほど離れた辺境都市リベルタが、今回の物語の始まりである。
ちなみに初代皇帝フェルトとルルは、血の繋がった腹違いの兄妹だったらしく、それにもかかわらず結婚したらしい。王族や貴族の考える事は庶民の感覚からしたら到底理解はできないが、異常こそ正常という考えもあるので、否定は出来ない。
今はノア帝国の第15代皇帝ネロが治めているが、領土拡大の野心のために、各地に兵を無理に進軍させているという噂だ。初代皇帝とは異なり、ひどい暴君という話だが庶民には確認するすべはない。たいていは、無関心か自分達の生活で手一杯という可能性もあるが……。
ノア帝国の辺境都市リベルタに話は戻る。帝都ノアから馬車で10日程度離れているので、割とのどかな印象を受ける大都市だ。リベルタの西側は険しい山脈があるので、ここがノア帝国の最西端になる。
リベルタから北に馬車で7日ほど進めば、ノア帝国を抜けてジェノム王国に入り、人間、エルフ、ドワーフが暮らす小国があるらしい。北東には、旧王都跡があり橋を渡ればミスリル帝国(旧クリスタル帝国)がある。
ノア帝国の東側には、新ガイア帝国と呼ばれる貧しいが国土の広い国があり、武力がすべての盗賊がはびこっているそうだ。ノア帝国の東側にある村や町を悩ませているらしい。飽和した国において、皇帝ネロ自身がまいた種により、ノア帝国に崩壊の足音が近づいてきていた。
体調不良でしたが、何とか持ち直しました~。
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