上巻 ~真夜中の連続殺人~
「杉原君、しっかりここの原稿まとめていくれないと困るんだね。」
「はーい。」
「何だそのマヌケっぷりは!いい加減にしないと、クビにするぞ!」
「あああ、はい、やります、やりますよ!」
杉原は「クビ」この2文字に弱い。なんたってこの仕事見つけるのにどんだけ手がかかったことか。
杉原卓也というこの青年は椅子に戻った。
パソコンのマウスを手に取り、行を選択した。そしてササッとキーボードで文字を打ち込んだ。
仕事への意欲は低いものの、キーボードのタッチタイピングはこの仕事一速い男である。
「ったく、最近の若者は…」
部長はそう言いながらタバコに火をつけた。いつものことだ。俺が文字の間違いや提出日を少しでも
過ぎた場合は必ずこの言葉を言う。というかそもそも事務所内でタバコをスパスパ吸って良いものなのか。
火災報知器が作動する寸前ではないか。
最近は喫煙ルームなどがあり、タバコの吸う場所は限られている。
「アンタ、またまとめきってないの?繰り返してたら、クビになるよ。」
滝川愛菜と言う少女はそう言った。
「分ぁってるよ」
俺はそう返した。ここ最近必ずこの会話がある。
しばらくして…
「ここの書類、まとめ終わったら帰してやる。」
「あい。」
仕事の呑み込みは速い。しかし、心の中ではめんどくせの連呼中である。
「よろしい。」
俺はやっと帰された。外はもう真っ暗だ。
帰りは歩いてでもいけるほどの距離に会社がある。
そして行きつけの自販機により、ブラックコーヒーを買う。
俺は無糖じゃないと逆に飲めないんだ。
「あ、卓也。」
その先にいたのは咲。雄大文句グループに所属(?)していた少女である。
今ではすっかり大人しくなってしまった。顔も良いので正直、いいなとは思っていた。
でも愛菜の方がいいので…冷たい態度をとってしまう。というか、自分で意識してとっちゃう。
「な…なんだ。お前かよ。なんか用か。」
この通り冷たい態度を取るのだ。
「いや、別に。」
「なんだよ…。じゃあな…」
俺は無理矢理スルーするようにその場を通り過ぎた。
(なんだよ、あいつ。突然話しかけてきて…)
俺は家に着いて、椅子に座った。ふぅ、と一息ついて冷蔵庫をあさり缶ビールを取り出した。
そして再び椅子に座り缶ビールの缶を開けてビールを一口飲んだ。
(俺ももう、親父だな)
そして、テレビのリモコンを手に取った。
「ピッ」
「”現在指名手配中の大木康利。通称、真夜中の連続殺人犯。4人以上が犠牲になっており、
死刑相当の殺人鬼です。見かけた方はすぐに、警察に通報してください。”」
最近噂になっている『真夜中の連続殺人犯』。それはそれはすでに2年間逃亡し続けた男である。
連続殺人鬼は今、どこにいるのか。そして、卓也の運命は!?(←大げさ)
一人ぼっち of the final 上巻 ~真夜中の連続殺人~
翌日、朝。俺はベットからおきて、顔を洗い、パンをくわえた。
そして、雄大、俺、愛菜の写真に行ってきますと言い、家を出た。
「おぉ、今日はなかなかやるな。」
部長に久しぶりに褒められた。さぁ、久しぶりに褒められた記念として、飲みにでも行こうか。
俺は仕事が終わった後、同僚の龍介を誘った。
午後6時、居酒屋てんてん。
「いやいや、お疲れさん。」
俺はおちょこに入っている熱燗をクイッと飲み干した。
「なぁ、お前って、幼馴染とかいる?」
その質問に俺は答えるかどうか迷った。
「まぁ、いるけどね。愛菜とか…」
俺はそこで言葉が止まってしまった。
「愛菜とか?」
「いや、…もう一人は中学のとき、死んじゃった。」
答えようか答え無いか迷ったが、つい口からポロッと出てきてしまった。
「そうか…。それは残念だったな…。」
そんな感じで話をしていくうちに時刻は10時になっていた。
「さぁ、そろそろ帰ろうぜ。」
てんてんから家まで徒歩5分。俺は家に戻った。
家に戻ってシャワーを浴びた。頭が痛かった。あがったあと俺はすぐに寝ることにした。
翌日。頭が…二日酔いだ。なかなかベットから起きれなかったが、無理矢理起きて、
フラフラしたまま着替えて家を出た。
「あったまが……。」
もう本当に頭が痛かった。でも、なんだか仕事をしている間に気分が紛れて、いつの間にか
頭痛は治っていた。
「さっ、これで…」
俺はピンキーを口に放り込んだ。そして、バッグを持ち、会社を出た。
「あ、卓也。」
「ちぇっ、またお前か。」
「何よ、あったから挨拶しただけじゃない。じゃ」
咲はここ最近ずっと会う。いつも同じ時間に同じ道で…。
しかし、次の日からは咲を目にすることは無かった。
(たまに、愛菜の家にでも行くかな。)
俺は愛菜の家に遊びに行った。
「どーも。」
「どうしたの?急に」
「なんとなく。」
「ふぅん」
俺はヤドカリのことを話した。
「へぇ、まだ飼ってるんだ。」
そんなことを話しているうちにテレビに、緊急ニュースが入った。俺は特に気にしていなかった。
だって、俺には関係の無いことだもん。でも、殺人鬼の新しい犠牲者が出たということから
少しは耳を傾けた。しかし、俺はそのニュースを見た瞬間、体中が汗でびっしょりになっていた。
「”被害者の名前は、森定咲。繰り返します。被害者の名前は、
森 定 咲 。 ”」
嘘だ。あの咲が?どうして…。息が乱れる。過呼吸状態だ。まさか、殺されるなんて。
愛菜も、かなりダメージを受けていた。
嘘だ…嘘だ……。
「うあ!?」
俺は知らないうちに眠っていた。目の前には、愛菜がいた。
「もう、振り向いたら横になってたから、気絶してるかと思っちゃった。
なんだ、寝てたのね。もう、驚かして。」
愛菜は少し笑った。
「…もう帰るわ。」
「いいの?」
「うん…じゃあな。」
卓也は家を出た。愛菜のあの笑いを思い出す。彼女も相当ショックを受けてるいるはずなのに。
翌日。咲を殺したあの指名手配犯は俺は許せなかった。
いくら、雄大の文句を言っていたって、同じ仲間だったから。
仕事も終わり、帰り。暗い夜道に見覚えのある顔見た。
あれは、指名手配犯?まさか…。でも、その隣には指名手配犯の用紙が。
顔を見比べる。100%と言って良いほど同じ顔。
気がついたら俺は指名手配犯に殴りかかっていた。
「ふざけんな!ふざけんなぁ!」
「なんだてめぇ!」
俺は刃物を手で払いのけた。気がつくと手からは血が流れていた。
こんなことしなければ怪我しないのに。殺されるかもしれないのに。
警察呼べば一発なのに。命は一つしかないのに…。
でも、仲間を奪った罪は重い。仲間を殺した罪は重い!
「咲の仇だ!俺がこの手で殺してやる!」
体中傷だらけになりながらも戦い続けた。
すると、近所を通りかかった人が警察に通報してくれた。
「何やってたの。」
「はい…」
注意されるのは普通だ。こんなまで指名手配犯に飛び掛るなんて。
「いってぇ!」
「もう、我慢して。」
俺は愛菜の家にいた。ただいま消毒中。
「もう、何であんなことしたのさぁ。もう、バカ!心配したんだから…」
愛菜の目からは涙が溢れていた。
ごめん、愛菜ごめん。それしか言えなかった。
翌日、仕事は休みなので俺は愛菜の家に泊まっていた。
昼、愛菜は外の空気を吸ってくると言ったので家を出た。すると、
「犯人に飛び掛ったって本当ですか!?」
「なぜ犯人に飛び掛ったんですか!?」
マイクや大量のカメラを担いでたくさんの人が寄ってきた。マスコミだ。
「い、いやぁあぁぁ!!」
愛菜は家の中に逃げた。
「質問に答えてください!」
「バン!」
愛菜はドアを閉めて二つ鍵をかった。
「もう、卓也!」
愛菜はどんどん足音を立てながら卓也の要る場所に行った。
卓也はマスコミが来たことに気がついたらしく顔を青ざめていた。
「ごめん…愛菜…ごめんよ…」
「もう!何であたしまでこんな目に合わなきゃならないの!全部卓也が悪いんだからね!
もう…やだよ…」
最後のほうが少し涙声で聞きづらかった。
マスコミのカメラの音だけが響き渡っていた。
あぁ、あんなことしなければ。
俺は愛菜の部屋まで謝りに行った。
「愛菜、本当にごめん。」
「来ないで…。一人にさせて…。」
そんなことを言うのなら…。俺は愛菜の部屋を出てい行った。
下巻へ続く……
次回予告!
愛菜と卓也はしばらく仲直りは出来なかった。しかし、愛菜の
方から謝ろうと決意する。卓也の家に出かけようとして家を出ようとした瞬間、
同僚の龍介から電話が来る。
「もしもし?」
「愛菜か!?今、卓也は…」
下巻 ~残酷~
★乞うご期待!★




