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52話 再会したチームとの共闘

「盾山君!?」



 僕が見たのはリオンさんの前に立って、ミノタウロスの斧を受け止める盾山君の姿。


 しかも何か結構余裕を持っている感じだ。



「ニャー!!」



 そこへ飛び上がり、巨大なハンマーをドゴンッとミノタウロスの脳天に直撃させる語尾が猫な女性。


 春林ちゃんことシュンちゃんの姿も見えた。


 脳天に重い一撃を喰らったミノタウロスは、そのまま倒れて動かなくなっている。



 相変わらずシュンちゃん凄いパワー、流石の剛力スキルだ……。



「あ、ありがと盾山君。おかげで助かっちゃった!」



「礼は後だ、牛の野郎達がわんさか迫ってるからな!」



 リオンさんが礼を伝えると、盾山君の見る先には多くのミノタウロス達。


 何処からあんな大きいモンスター沸いて来るのー!?



「やはり素晴らしい……!新装備を纏いし2人の攻守に磨きがかかっている、これが鋼の武具と彼らのポテンシャルの融合か……!」



 暗夜さんの姿もあって、彼は盾山君とリンちゃんの戦う姿をみれば、感動で震えているっぽい。


 とりあえず言える事は、相変わらず独特の世界を貫いてるなって感じ。



「まさか此処で会うとはな大地、その鎧を見るとどうやら間に合ったらしいな?」



「おお、昨日ようやくな。完成したって連絡来たから、もうすっ飛んでったんだよ!」



 幼馴染の護君と盾山君、彼らは戦いながらも会話をしていた。


 器用だなぁ〜、僕今そんな余裕ないよ。


 目の前にミノタウロスが次々と迫って来てんだから!



「せぇいー!」



「ブハッ!」



「ブフゥッ!」



 そこへシュンちゃんが巨大ハンマーを軽々と、横一線に薙ぎ払い、ぶん回してミノタウロス達を蹴散らしていく。


 力自慢のモンスターを、さらなる剛力でねじ伏せる彼女には惚れ惚れさせられる。



 こうしてアイアンシールドと再びの共闘で、僕達はDランクダンジョンの敵を一掃していった。




『レベルアップしました』



「流石ランク高いダンジョンってレベル上がるねー♪」



 多くのミノタウロスを倒したおかげで、リオンさんのレベルが24に上昇。


 Dランクのダンジョンともなれば敵が強い分、経験値の入りも良さそうで、ひょっとしたら僕のレベルが10と2桁に乗る可能性もあるかも?



「さぁさぁ、じゃあ牛肉の収納と行きますかー♪」



 そう言うとリオンさんは倒したミノタウロスを、収納スキルで回収していく。


 確かに上は牛だけど、そこから下は人間に近い感じするからなぁ……実際どうなってるんだろ?


 ちゃんと美味しい牛肉でありますように。



「なんと、そのような事が出来るとは……」



「リオンちゃん凄いニャー」



 あ、そっか。


 暗夜さんやシュンちゃんは収納する所、見るの初めてだったね。


 前回はゴーレム相手で食べられなかったから、今回は多分……牛肉だから見れたんだ。



「また肉とか思われそうだけど、今回は肉単体じゃないからね? 付け合わせの野菜とかたっぷり用意してるよー」



 肉ばかりじゃなく、今日はきっちり野菜を用意してくれたみたいで、リオンさんは僕達の健康面を考えてくれてる。




「しかし此処でお前達に会うとは……大会中で、レアモンスターの討伐数を競わないといけないから、今回はライバル同士となるな」



「そうらしい。だがまさかお前達まで奥多摩に来るとはな」



「都内はもう人が凄い殺到してきてんだよ。だから人があまり来なさそうな所を狙って、山の方まで来たって訳だ」



 護君と盾山君の会話が僕の耳に入って、やっぱり皆考えている事は一緒だと思った。


 栄えた場所から離れた所の方が、空いてるダンジョンを狙いやすいんだと。



「では、名残惜しいですが今回は競争相手という事で」



「明弥君やリオンちゃん相手でも負けないニャー!」



「うん、アンフィニアーミーも負けないから!」



 アンフィニアーミーとアイアンシールド、それぞれが会話を交わした後に互いの武運を願い、僕達は別れた。




「となるとレアモンをこっちで発見して、早めに倒さないとね。グズグズしてたらあっちに取られて無くなっちゃいそうだし!」



「昨日みたいな大量発生してくれれば良いけど」



「あ、それあったら大ラッキー!」



 アイアンシールドより先に多くのレアモンを狩ろうと、僕とリオンさんが話していた時。



「また出たぞ!」



「ブルルル〜〜!」



 先頭を進む護君から、モンスター出現が告げられる。


 見た所さっき見たミノタウロス達と変わらず、レアらしき変わった姿をしたのは特に見当たらない。



「ブリッツ2!」



 僕は新たに強化された雷魔法を、ミノタウロス達へ杖を向けて唱える。



 するとより巨大な雷の矢が、モンスター達へ向けて発射された。



「ブガァァァ〜〜!!」



 一気に3体程が雷の矢に貫かれ、ミノタウロス達は絶叫しながら力尽きていく。


 それは矢というより槍、巨大な矢を放つバリスタのような感じだ。



 とりあえずまたパワーアップしたって事で、かなり調子は良い。


 なんかDランクのモンスター相手にも、負ける気がしなくなってきた。




「ぷはぁ〜、Dランクのモンスターとも慣れば迫力あって強いね!」



 途中休憩でリオンさんは水を飲んで水分補給。


 このダンジョンに潜って、相当な数のモンスターを倒したつもりだけど、レアモンは今回全く現れてくれない。



 ぐぅ~



「あぅ……」



 此処まで結構魔法を連発で使った僕も、お腹が飯を寄越せ!と叫んでしまう。



「よっし、ご飯にしましょっか!」



 水分補給を終えたリオンさんの出番。鞄から調理機器を取り出して準備は良し。


 早速倒したミノタウロスの肉を使おうと、収納空間から1体取り出し、アンチドートで消毒を行う。



 かなり大型の牛モンスターを、リオンさんが包丁で捌く姿は美しく見えていた。



「ちゃーんと牛肉で食べられるみたいだよー」



 とりあえずミノタウロスが牛肉だと判明されて、僕は一安心する。



 フライパンで肉を焼くだけでなく、今回は空間から野菜も一緒に出して、人参やジャガイモにブロッコリーといった、肉に添える物も取り揃えていた。


 牛肉の焼ける音や良い匂いが、僕の食欲を増進させてくれる。




「はい、リオンさん特製ミノタウロスビーフステーキ!」



 皿に盛り付けて僕の前に出された、牛肉のステーキは野菜が添えられている。


 あのゴツい牛モンスターが、店に出るようなステーキに変わるのが信じられない。



「いただきまーす」



 僕はナイフで切り分けて、一口サイズの肉をフォークに刺して食べる。


 肉が柔らかく、肉汁が溢れると旨味がしっかり美味しさとして伝わった。


 まさに極上の牛肉ステーキという感じで、付け合わせの野菜と共に美味しく味わい、食が止まらない。



「ミノタウロスはこういったステーキに変わるんだな」



「捌くの結構大変だったけどねー、今までの中では一番だったかも」



 同じく護君もステーキを味わい、リオンさんも食べつつ調理の手を止めなかった。



 やっぱ牛肉って美味しいんだなぁと、僕は猛烈にお米が欲しい思いに駆られながらも、気づけばステーキ10枚を平らげていく。




「ご馳走様でしたー」



 リオンさんの作った美味しい牛肉ステーキのおかげで、かなり満たされて力は満ちていく。


 両手を合わせて感謝は忘れない。



「それじゃ、レアモン狩りに戻ろうか。向こう今どれだけ狩ってるのか分かんないけど」



 同じダンジョンで戦うアイアンシールドが、今どれだけ狩っているのかリオンさんは気になってる様子。


 確かに僕達が休んでる間、向こうでレアモンが多く出て来たりとか、あるかもしれないし。



「行くぞ」



 護君は再び先頭に立って、歩き始めていた。




「何か赤いミノタウロス出たよ!?」



「それはレアモンじゃないから! ミノタウロスの強化版でメガタウロスってモンスター!」



 道中で赤くなったミノタウロスと遭遇するも、リオンさんからはレアモンじゃなく、ただの通常モンスターと教えられる。



 残念と思いながらも、僕はフロストの魔法でメガタウロスの体に氷の矢を突き刺す。


 何か結構パワーアップしたかな?


 一撃でミノタウロス系を倒してるし、その種族に滅法強いだけかもしれないけど。



「本当に中々出ないな……!」



 護君はミノタウロスの斧を躱し、袈裟斬りで斬り伏せていた。


 長い事彷徨い歩き、まだレアモンの姿は1体も見ていない。


 今日は現れない日じゃないよね……?



 道中の敵を倒しながら僕達は前進を続ける。


 すると広いフロアに出て、見慣れた神殿のような光景。


 つまりボス戦、気づけばそんな所にまで来てしまう。



「うーん、また通常かなぁ?」



「けど護君が1人の時はレアボスだったよね」



「ああ、本当にたまたま出て来てくれたな」



 どんなボスが出て来るのか、僕達が言葉を交わしつつ身構えていると。




「ブルルルーーーーー!!」



 そこに出て来たのは黒い体のミノタウロス。


 体格はミノタウロスと比べてかなり大きく、倍以上は確実にあると思われる。



「この大きさってまさか……!?」



「レアボスよーー!!」



 この洞窟に入って初めて出て来たレアモンがボスと、リオンさんの驚く声がフロア中に木霊していく。

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