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50話 レア狩りまくりのフィーバータイム

「キィィーー!」



 燃えてるウッドマンが叫ぶと共に、顔の部分から炎が僕らに向かって吐き出される。



「わっ!」



 僕は驚きながらも左へ横っ跳びで避けた。


 2人を見れば誰も炎を浴びてなくて、無事な様子。



「はぁぁ!!」



 護君は抜刀すると両手で剣を持ち、木の枝をたたっ斬る。



「ギィ!?ギィーー!!」



 一瞬たじろく仕草を見せた魔物だけど、すぐ護君の方へ向く。


 僕はあのままでは護君が、さっきのブレスみたいな攻撃を浴びてしまうとなって、瞬時に魔法を繰り出す。



「フロスト!!」



 初めて使う氷魔法。


 燃える木に冷気の風が吹いて、先の鋭く尖った氷の矢が飛ばされると大木にグサッと突き刺さる。



「ギギィィーー!!」



 護君の斬撃を受けた時より苦しそうで、絶叫しながら戦う力を無くしたかのように、木の炎が消えて大木は倒れていく。



「倒した!?」



「……反応は無いな」



 リオンさんが遠くから様子を見る中、護君は剣の切っ先で軽く突き、反応を見るもモンスターの反応は無し。


 無事に倒れたみたい。




「あ、今のってレアモンみたい!ほら!」



 僕達にリオンさんがスマホの画面を見せると、レアモン討伐数が2から3に増えているのが確認出来た。



「ええと、フレイムウッドって名前か……」



 僕もスマホを見てデータを見れば、今のがフレイムウッドという名の珍しいモンスターだと分かる。


 今回は早めに1体目を狩る事に成功。



「この調子でどんどん狩ろうー♪」



 幸先良くレアモンを討伐出来て、リオンさんの気分もノッて来たのか、彼女は笑顔でどんどん討伐数を伸ばそうと次に向かう。


 確かに他のライバルチームが、どれくらい狩っているのか分からないし、狩れる分だけ狩っておいた方が良いはずだ。



 これでAチームがレアモン1000体とか狩ってたら、もう笑うしかない。




「! 見ろ、あいつら……!」



「 !?」



 僕達は通路を歩いて、レアモンを探し続けていた。


 そこに先頭を進む護君が何かを発見したみたいで、僕やリオンさんが前方を見た先には……。



「キキィィーーー!」



「キキキキ……!」



 ゴウゴウと燃えまくる木々、それはいずれもレアモンのフレイムウッド。


 さっき見たばかりで間もないし、間違いなく同じモンスターだ。



「まさかの大量発生!? これはもう狩るっきゃないでしょ!」



 食べられはしないモンスターだけど、大量のレアモンを前にリオンさんのテンションが上がる。


 昨日は散々ダンジョンの中を歩き回って、2体がやっとだったのが、もう2桁の数字に乗りそうだから無理もない。



「昨日より手強い奴らだ、2人とも気をつけろよ!」



 僕達にそう告げながら護君が真っ先に、レアモンの集団へと駆け出して抜刀。


 1体へ力強い斬撃を浴びせれば、振り向きざまにもう1体を斬り伏せていく。



『レベルアップしました』



「あっ、やった! 22上がった!」



 そこへレベルアップを告げる通知、これはリオンさんのスマホからだ。


 やっぱり珍しいモンスターは経験値たっぷりって訳か。



「キキィィーー!!」



 彼らもやられっぱなしじゃない。


 反撃の炎がそれぞれから吐き出される。


 でも、それは避けられてリオンさんもレベルアップしたせいか、軽快な動きで躱す事が出来ていた。



「波動脚ー!」



「ギィィーー!?」



 凄まじい衝撃音がダンジョン内で響くと共に、リオンさんの青白いオーラが宿る、左足の飛び蹴りはフレイムウッドを吹っ飛ばして、壁に激しく激突。



『レベルアップしました、ブリッツ2を習得しました、バインドを習得しました』



 次にレベルアップしたのはなんと僕だ。


 ブリッツがパワーアップしただけじゃなく、拘束魔法も覚える。


 さっき白岸さんが使ってたような物かな?



 とにかくレベルが9に上がって、やっと見えてくる2桁の世界。


 少しでも近づく為に、僕も目の前のフレイムウッドを倒す事に集中だ!



「フロスト!!」




「ふん!」



 最後の1体を護君が斬って仕留めれば、これでこの場にいるレアモン全てが全滅。



『レベルアップしました』



『レベルアップしました』



「む」



「あ、またあたし上がったラッキー♪」



 そこにレベルアップの通知が、リオンさんと護君のスマホに届く。


 これでリオンさんは23で護君は昨日1レベル上げてたらしく、ついに30へ到達していた。


 僕はまだ9レベル、2人に追いつくどころかレベル差が開いてばっかりだなぁ。


 まぁ今日1レベル上がってくれたし、贅沢は言わないでおこう。



「よし、じゃあこんなもんで引き上げよっか? 2桁に討伐数届いたし、帰る時間だからねー」



 スマホの時計を見れば時間はもうすぐ午後6時、無理はせずリオンさんの言う通り引き上げる事にする。



 ダンジョンの外を出ればもう外は結構暗く、白岸さんやチンピラ達の姿は消えていた。


 多分白岸さんが連行していったんだろう。



「完全に暗くなる前に急ぐぞ、山の中で遭難は洒落にならない」



 そうそう、暗くなった山は色々怖いって聞くし、またさっきみたいなチンピラが今度は闇討ちを狙ってくるかもしれない。


 護君が先行して進み、僕達は急ぎつつも慎重に山道を下って行く。



 どうにか無事に駅まで到着すれば、やっと安心感が生まれて気が抜けてくる。


 今日はダンジョン前でガラ悪いパーティに絡まれたし、改めてモンスター以外で危険な事があるのを知った日だ。



「今日はレアモンすっげー狩れたよなぁ、うち4体行けたぜ」



「こっちなんか7体よ? あれはテンション上がったな〜」



 電車を待つホーム内で、僕達と同じく他の冒険者達の話が聞こえてくる。


 ちなみに僕達は一気に今日9体狩れて、合計11体。


 けど何か他のパーティも結構倒してるみたい。



「今日はレアモン大量発生のサービスデーだったとか……?」



「……だとしたらダンジョン結構な大盤振る舞いだよね」



 声を潜めて、僕はリオンさんと先程聞こえた会話について話す。


 まさかダンジョンが意思を持って昨日、あまりレアモン出なかったから今日は多くしてやるか、みたいな。



 どっちにしても1レベル上がってくれたから、ありがたい出来事だったけどね。

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