表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
48/54

48話 不正を許さないダンジョン警備隊

「ちょ、恥ずかしくないの!? たった3人相手にそんな大人数で来るなんてプライドとかない訳!?」



 包囲される僕達、その中でリオンさんは男達の良心へ訴えるように叫んでいた。



「はっ、甘いなぁ嬢ちゃん。本当の戦いには卑怯もクソもねぇ、強い奴が勝って生き残る。そういうもんだろ」



「俺達Dランク、バンデッドスターズは手段なんか選ばねぇんでな!」



 兜を被る顔から悪い顔が見え隠れしてしまう。


 彼らは勝利が欲しくて手段を選ばない、生きるか死ぬかのダンジョンでそれが正しいだろうけど……!



 だからってこんなチンピラみたいな連中に、負けるのは嫌だよ!



「フン……こいつら叩きのめしてダンジョンに入るしかあるまい」



 護君はやる気みたいで、剣の柄に手を添えている。


 何時でも剣を抜く構えだ。



「それはこっちのセリフだ! ついでにこいつらの身ぐるみも剥いじまえ!」



 バンデッドらしく金目の物も奪うつもりか、連中は欲にまみれたような目で僕達を見て、それぞれ武器を抜き取る。



 人数的に不利だけど、やるしかないか。




 ピピィーー



 その時、笛が鳴るような音が辺り一帯に響き渡って、僕達もバンデッドスターズも動きを止めていた。



「RHD開催中に冒険者同士が戦闘で争うのは禁止だ」



 僕達の前に1人の人物が、ゆっくり歩いて近づいて来る。


 銀髪の髪に護君ぐらいの長身。


 白銀の鎧を身に着けて、右手に剣を携える姿は誰がどう見てもイケメンだと思いそう。


 僕達の戦闘を止めてきたけど誰だろう?



「なんだぁ優男! 人の獲物を取る気かコラァ!!」



「てめぇからやっちまうぞ! 引っ込みやがれ!」



 邪魔された事に怒ったか、重装鎧を纏う男達はその人へ近づき、剣を向けようとする。



「……お前ら問題行動を起こし続けてるバンデッドスターズだな。今回も見えない所で他の冒険者に絡み、襲って誤魔化せるとでも思ったか?」



「は? てめぇ何言ってやが……」



 リーダー格の男が何か言いかけた時、白銀の鎧の人はあるものを掲げた。



「!?」



 男達それにギョッと驚き、僕も驚いてしまう。


 彼が掲げたそれは警察手帳で、現れた人は警察官だと手帳が雄弁に語っている。



「てめぇ、サツかよ!?」



「バカ、ハッタリの偽者だろどうせ! 本物がこんな山の中に1人でいるかよ!」



「そうだな、どうせ1人だからこいつの身ぐるみも剥いじまえ! そんなハッタリ通じねぇぞぉぉ!!」



 彼らは警察手帳を偽者だと信じ、リーダー格の男が大きな斧を振り回して、白銀鎧の人へ襲いかかった。



「愚か……バインド(拘束)」



「ぐええっ!?」



 突然リーダー格の男の体を、複数の大きな黄色い輪が囲んだかと思えば、縮んで体を締めつけて拘束する。



「抵抗すればする程締め上げるぞそいつは。苦しみたくないなら大人しくしろ」



「がぁぁっ!ギャァァァ!!」



 暴れる男に輪が強く締め上げたのか、苦しそうな悲鳴が木霊していた。



「この野郎! リーダーを離しやがれ!」



 それを見たバンデッドスターズ達が、次々と襲いかかって来る。


 でも白銀の鎧の人は全く寄せ付けない。



「げぇっ!」



「ギャァァァ!」



 剣の峰打ちで気絶させたり、リーダー格の男のように拘束して、その繰り返しでバンデッドスターズは瞬く間に壊滅していた。




「こちら白岸(しらぎし)、大会の違反者及び公務執行妨害でバンデッドスターズを拘束した。至急応援を要請、場所は奥多摩の……」



 白岸と呼ばれる警察官はスマホで連絡。


 バンデッドスターズは偽者の警察官だって疑ったみたいだけど、見る限り本物らしい。


 そうじゃないと1人でこんな捕らえて、制圧とか出来ないと思うし。



「助かったぁ〜、危ない所をありがとうございますー」



 ようやく安全となったタイミングで、リオンさんは白岸さんに声を掛けて礼を言う。



「彼らは襲いやすそうな場所、冒険者を狙っては悪さを重ねてブラックリストに載っていたチームだ。本当に危ない所だったな」



 白岸さんから今のチームが危険だった事を知らされ、そんな連中に目を付けられてたのかと、少し身がゾッとしてしまう。


 世の中そういう迷惑チームが、こういうご時世になってもいるもんなんだ……。




「龍二さん、お久しぶりです」



「ん? ……お前、護か。大きくなったな」



 そこに護君が白岸さんへと、礼儀正しく頭を下げて挨拶をする。


 白岸さんも護君と言葉を交わし、聞く限り古い知り合いっぽい。



「知ってるの?」



「俺の剣道の師匠で、父の親友だ」



「え、そうなの!? 護君の……」



 リオンさんが驚くと共に、僕も思った以上の知り合いだった事に驚く。


 父の親友って護君のお父さんがいたら、多分若くても40前後だよね?


 けど白岸さんは見た目が若くて、20代の若者と言っても僕とか信じると思う。



「此処にいるという事はお前も大会参加者か」



「はい、今はこのアンフィニアーミーというチームの一員です」



 昔から交流を持つ2人の会話、そこに僕やリオンさんが立ち入る事は出来ず、大人しく見守る。



「……タツミとクレハの2人を、探す為か」



「……はい」



 え?誰を探す為って?


 護君、妹さんを養う為に冒険者になったんじゃないの?



「行方は俺達の方でも探し続けているが、そうか……力及ばないばかりですまない。、お前にそんな苦労を」



「白岸さんのせいじゃありません。気にする事じゃないですから」



 何か僕達の知らない事情を抱えてそうだな……そういえば護君のマンション行った時、立樹ちゃんと二人暮らしで触れないままだったけど、2人の両親について未だに分かってない状態だ。


 タツミ、クレハという名前が出て来たけど、それが護君と立樹ちゃんの両親かな?



「そうか……ああ、こいつらは警察へ連行しておくから。急ぐんだろう?もう行って構わない」



「ありがとうございます」



 護君と同じく僕もリオンさんも、白岸さんに頭を下げて僕達はランクF、奥多摩ダンジョンへ向かう。


 今度は人数制限に引っかかる事なく入れた。




「……何も聞かないのか」



 僕達の間にしばらく無言が続いていたけど、護君の方から口を開く。



「いや、正直誰の事を探してるのか気になってるけど……聞いちゃいけないかなって」



 多分リオンさんも僕みたいに、誰を探しているのか察したっぽい。デリケートな問題で触れないようにしてたんだろうね。



「構わない、そろそろ付き合いも長くなってきたし、良い機会だから此処で話すべきなのかもしれない」



 まさか護君の方から話してくれるとは、僕達にそれだけ心を許したのか、聞いてほしかったのかな?



 今回は腹を割って話すダンジョンになりそうだ。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ