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45話 戦士としての戦い

 スマホに表示された時間が12時を迎えると、護君と入り口付近で落ち合う約束が迫ったので、僕とリオンさんはダンジョンの入り口へ引き返す。



「来たか2人とも」



 そこには先に到着していた護君の姿があって、僕達が来るのを待っていたみたい。



「ごめん、待たせちゃった?」



「いや、5分前に来ていたからそこまで待ってはいない。それより……すまない」



 護君はいきなり僕達へ頭を下げてくる。彼がそうやって謝るという事は、その結果が分かってしまう。



「片っ端からモンスターを倒し続けてきたが、レアモンスターは一匹も出なかった」



「そればっかりは運だからしょうがないって、気にしない!」



 一匹も倒せていない事を気にする護君へ、リオンさんは明るく笑って彼を励ます。こういう時ムードメーカーって大事だね。



「僕達も全然会わなかったけど、ついさっき会えたよ。スマホにその情報載ってると思うから」



「何!?」



 僕の言葉を聞いて護君は自分のスマホでチーム情報を確認。そこで彼はレアモンの討伐数が増えているのが見えた。



「2人が頑張ってくれたのに俺は……」



「いやいや、だから気にしないでって。運なんだから!」



 護君がそこまで重く受け止める姿に、僕の方が申し訳なく思ってしまう。こっちは途中で温泉入って休んでたし!



「まぁとにかく皆此処で英気を養わないと、腹が減っては戦はできぬって言うからね?」



 リオンさんの言う通り、そして僕はまさにそれである。此処は一度休憩にして、リオンさんの作る美味しい料理でも食べよう。




「ダンジョンボアーがたっぷり居たから、神城君も護君も沢山食べるんだよー」



 フライパンで先程収納したダンジョンボアーの肉を焼き、リオンさんの手によってイノシシステーキは次々と完成されていく。



 相変わらず猪肉によるステーキは美味しく、良い店でステーキを味わってる感覚だ。僕が食べ進める横で、護君も結構多く食べている。



 こうして僕達はリオンさんの料理で疲れを癒し、体力を回復させていく。




「どうしよう、此処で一回ダンジョンの外に出て他の所を周るべきか、それともこのまま留まって狙い続けるか……」



 僕は考えていた。1体のレアモンを狩る事に成功したから、この場所はもう出なくて他に行くべきなのかどうかを。



「時間が経過して奥多摩にも人が押し寄せて、ダンジョンに入れなくなっているかもしれない。折角こうして入れているのに手放すのは勿体ないと思うぞ」



 護君は残って戦い続けた方が良いという意見。



「うーん、レアモンの流れが途切れたのを思えば移動するのも手だけど、1体だけでもう次は出ないって決まった訳でもないしなぁ……」



 リオンさんはどっちにしようか、迷っているみたい。どっちも良いけど、此処で選んだ選択肢は……。



「じゃあ帰り時間までこの場所で粘る?やっぱり他の冒険者が押し寄せて、それでもうダンジョンに入れないってリスクが結構大きいから」



 僕は今いる場所で粘った方が良いと、護君の意見に賛成。



「帰る時間としては午後6時……今が1時だから5時間ね、またあたしと神城君、護君で手分けして探しましょっか。それで時間が来たら此処で落ち合うって事で」



「了解、では5時間後に会おう」



 リオンさんの話を一通り聞いた後、護君はすぐに走り出して風のように去る。



 一体も狩れていないのを気にして、突っ走り過ぎなきゃいいけどなぁ……。




 護Side



 神城に頼り過ぎないよう、このチームを引っ張っていくつもりで、数え切れないモンスター達を斬り伏せていた。



 しかし目当てのレアモンスターが出る事なく、時間ばかりが経過してしまう。


 それどころか神城と姫島が一体を発見して、討伐数を一つ重ねる事に成功する。



 結局仲間に頼ってしまう自分が情けない!



「うおおおっ!」



 ズバッ ザシュッ ザンッ



 立ち塞がるダンジョンボアーの群れを次々と斬っていく。



 ルナが精魂込めて完成させた白銀の剣、武者修行も経てより使いこなせるようになり、自然と手に馴染むようになっていた。


 熟練度は間違いなく増していると思う。



「いないか……」



 倒したモンスターを確認するが、皆同じダンジョンボアーにしか見えない。


 確か姫島が言うには、金色に輝いている方がレアモンスターという事だ。



 俺が見た限り金色に輝くモンスターはいない、つまり通常という事か。


 続いてスケルトンの集団が俺の前に立ち塞がり、一瞬奴らの姿を確認してから戦闘に入る。



 全員見慣れたスケルトンの群れで、俺は片っ端から骨の化け物共を斬り倒す。




「ふぅ……」



 スマホで時間を確認すれば午後4時、タイムリミットの6時まで残り2時間。


 未だに俺はレアモンスターに巡り会えていなかった。



 自分の中で焦燥感が生まれ始めてくる。このまま1体も仕留められずに、2人の仲間にすがるしかないのかと。



 俺はダンジョンの更に奥深くへと、足を踏み入れていく。




「! 此処は……」



 他のフロアとは異なる神聖な雰囲気漂う場、何時の間にかこんな所まで踏み込んでいたのか。



「ブモォォ……」



 奥から低い唸り声が聞こえ、俺は反射的に右手で剣の柄を掴む。この声はダンジョンボアーの感じがするが、それとは何か違う気がする。



「ブモォォーー!!」



 俺の前に大きな雄叫びと共に姿を見せたのは、巨大な猪。



「こいつは……オヤブンボアーか!」



 一度見た事がある、確かアンフィニアーミーの討伐したレアモンスターの中に、こいつのデータがあった。



 奴は巨大な体で俺へ猛然と突進してくる。



「っ!」



 それを俺は左へ移動して、最小限の動きで躱す。この辺りは剣道で鍛えた躱し方が染み付いているかもしれない。



 オヤブンボアーは勢い良く壁に頭からぶつかり、首を横に振ると再び俺に振り返って睨みつける。


 確か2人から以前聞いた話では、この最大の隙を突いて倒したと聞く。



 だが俺はそんな倒し方では納得しない、神城と同じ攻略で彼に近づく事が出来るのか?


 否、俺は神城とは違う方法で倒す。



「……来い……!」



 それは真っ向勝負。



 俺は敵と常に向かい合う戦士だ、ならば正面から倒さなければ修行にならない。



「ブモォォーー!!」



 狙うは一撃必殺、奴が俺に突っ込んで来る姿を落ち着いて捉える。



 もう少し、まだだ、まだ引きつけろ。


 自らの心にそう言い聞かせ、その時は訪れる。



 今だ!



「地竜斬!」



 抜刀すると共に俺は突進してくる、巨大な猪へ剣を横に一閃。


 カウンターの斬撃、気を溜めた事による力の剣を叩き込んだ。



「ブモ……オォォ〜〜……」



 ズズーンッ



 オヤブンボアーの巨体が横倒れとなり、地面が揺れるような感覚が伝わる。



 俺の剣の威力だけでは、おそらく一撃必殺はムリだろう。


 なので奴の強力な突進力を利用して、より威力を高める為に俺はその時を待って、己を高めていた。



 以上の事が重なったおかげだな。



『レベルアップしました』



「む」



 そこに俺のスマホからレベルアップを告げる通知。



『空竜波を習得しました』



 更に新たな力を得て、俺は確かな成長を感じた。

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