42話 レアハンティングダンジョン開幕
ダンジョンが封鎖されて周囲が立ち入り禁止となる期間。
リオンさんは家で読みかけのラノベを読んで待つみたいで、護君の方は妹の立樹ちゃんをダンディーンへ連れて、そこで共に過ごしながら開始の時を待っている。
「ダンジョンの方に行ってばかりでJTuberとしての活動が減っちゃうと思ったら、お兄ちゃんしっかり動画撮ってたんだね」
「お腹を満たす事も兼ねてね」
今僕はダンディーンにある甘利の部屋兼作業部屋にて、編集に立ち合っている所だ。
今編集してるのは総重量5キロの巨大チャーシューメンに挑戦した時の動画で、つい最近に挑んだ大食いチャレンジ。
チャーシューが国分寺で食べたポークファイターの肉を使ってて、スープはバードファイターの鶏ガラスープと、この組み合わせがラーメンを飛躍的に美味しくさせていた。中太麺がスープと絡んで最高だったり、かなり夢中になってたべたっけ。
制限時間40分のチャレンジで、熱いながらも美味しく食べれたけど後半のスープ飲み干しまで来ると、流石に満腹近い。やっぱ水分は一気に来るから。39分50秒と残り10秒と、超ギリギリの完食は本当にヒヤヒヤしたなぁ。間に合わなかったら6000円払わなきゃいけなかったし。
「お兄ちゃん、もう時間迫ってるんじゃない?」
「え? あ、本当だ!」
美味しいラーメンの回想を呑気にしていたら、RHDが開幕する時間が来ていた。甘利に言われた僕は身支度を整えると、階段をドタドタ降りていく。
「立樹、行ってくるから待っててくれよ」
「うん、行ってらっしゃい!」
「2人ともしっかりなー。リオンさんにもよろしく!」
下の喫茶店に居た護君と合流すれば、僕達は甘利、立樹ちゃん、高大叔父さんに見送られて外に出る。
「考える事は皆同じみたいだな」
「そうみたい」
僕と護君が見た外の光景は何人かのチームが動き出して、ダンジョンに向かう姿。皆が大会の開始時間が迫ると共にスタートダッシュで、ダンジョンへ到達するのを狙っていた。
今日から3日間は町中がダンジョン冒険者にとって、戦場と変わりそうかも。
「神城君! 護君!」
そこへお馴染みの大きなカバンを背負って、リオンさんが走って来る。
「もうこっちとか凄いよ? ダンジョンに向かう人達でいっぱいだったから! あ、神城君おはぎ!」
「普通に考えてこの辺りは駄目そうだな。既に定員へ達してる可能性が極めて高い」
僕らは話しながら移動を開始すれば、各チームやソロの冒険者達の走り回る姿が多数見えた。勿論忘れずにリオンさんから僕は美味しいおはぎを貰う。
「くっそ! あっちのダンジョン定員オーバーだった!」
「空いてる所無いのー!?」
「なんだよこっちも駄目かよぉー!」
早くもダンジョンに入れなくて悪戦苦闘のチームが続出。スマホでこのダンジョンが今空いている、という情報表示も無いので、空いてるかどうかは運次第。
「大都会の方は皆狙ってそうだから、ここは人が行かないような場所のダンジョンに狙いを定めた方が良いんじゃない?」
リオンさんの提案に僕はなるほど、と思った。
人が絶対居る栄えた場所は間違いなく人がいる。となれば人が寄り付かなそうな所へ行く方が、まだ可能性はありそう。
「とりあえず電車で西東京、山の方に行ってみるか」
「てなると奥多摩だね」
人があまり行かない場所を目指して、僕達は奥多摩の方へと向かう。
電車内でもいくつかの冒険者チームと遭遇して、皆が目当てのダンジョンを目指し、途中の駅で下車する。
やっぱり皆も同じ事を考えたりしてるのか、そう考えながらも僕達を乗せた電車は奥多摩駅へ到着。
駅前に出れば今の所は他の冒険者の姿は無さそうだけど、もう多くのチームやソロがダンジョンに突入してるかもだから、手遅れの可能性はあり得るよね。
「奥多摩って来た事無いけど、確か多くの山があるんだっけ?」
「ああ、初心者コースから上級者コースまで幅広い。そこにいくつかダンジョンとなった所があると聞く」
奥多摩に初めて来たリオンさんは、護君からこの場所の情報を教えてもらう。
数々の山がある事で知られる奥多摩も、ダンジョン化の影響は受けて護君の言うように、何個かダンジョンは存在する。
「どうしよ、此処から近い山に行ってみようか?」
「今の所は通常モンスターも倒してないからね……すぐ行こう」
何時もはダンジョン1日1回で終わってるけど、3日間の間は連戦を覚悟した方が良いかもしれない。勿論そこは自分の体力と要相談だけど。
というか山ってまさか山登りしないと、ダンジョンに辿り着かないとかいう場所に無いよね……?
挑む前に登山をしなければいけないのかと、僕の頭にそんな考えが過ぎりながら僕達は奥多摩のダンジョンを目指す。
「あった! ランクG奥多摩ダンジョンって書いてある!」
山の近くにある洞窟。そこがダンジョンの入り口となってて、リオンさんがスマホで場所を確認すれば間違いなかった。僕達はランクDとEだから、それより下のランク立ち入りは許されるはず。
とりあえず登山をせずダンジョンに辿り着けてよかった!
「後は他の冒険者がいるかどうかか」
そうだ、見つけて浮かれてたけど護君の言うように入れるかどうか分からない。
立ち入り禁止だったら結界によって先に進めない仕組みらしく、進めなかったら定員オーバー確定だ。
先陣の護君が試しに一歩を踏み出してみる。
「……進めるな」
「本当!?」
ダンジョンへ向かって歩く護君の足は止まらず、入り口に近づけていた。これにリオンさんがパァッと顔を明るくさせて、後に続く。
最後に僕も入ってアンフィニアーミーが奥多摩のダンジョンへ挑む。




