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41話 マンション型のダンジョンを突き進む

 先に進むにはフロアのモンスター全てを倒さないといけない、今までと変わったダンジョンへ入った僕達アンフィニアーミー。



 幸いなのは浅草のゴーレムと比べて、僕達にとっては倒しやすい相手という事。斬撃や魔法がよく効くせいか、僕達の攻撃は通って豚のモンスターこと、ポークファイターやウォリアーを相手に無双しまくりだった。



「フンッ!」



 護君が最後の一体となる敵を斬った時、登ってきた階段の方から大きな音が響き渡り、それが次へ進めるんだと理解する。



 さっき聞いた時は驚いたけどね!



「うーん、レベルアップは無いなぁ〜」



 リオンさんは通知の来ないスマホをじぃっと見つめた。



 この階で6階。そろそろ一番上の8階まで近づき、相当な数のポークファイターとポークウォリアーを倒したつもりだけど、僕だけじゃなくリオンさんや護君のレベルも上がらない。



 僕は元々スキルによって上がり難いし、護君も高レベルになって上がり難いだろうから、しかし何時もは道中辺りで上がるリオンさんも上がらないか……。



「それだけレベルが上がって強くなってきたって事じゃないかな?」



「うーん、あたし強くなってるのかなぁ。いまいち実感無いけど」



 リオンさんは強くなってるのかなと、自分の手を見つめる。



 ちなみに僕自身は強くなってると思う。そうじゃなきゃランクGより上のダンジョンで戦ったり、ボスを倒すなんて不可能だから。



 とは言っても頼れる仲間による力の方が大きいけどね、今戦えているのは。



 後は前より魔法を使っても、すぐには空腹にならなくなってきたって部分かな。これが強くなった何よりの証と、ちょっと変わった証明だ。



「神城君まだお腹は空かない? 大丈夫?」



「うん、まだ行ける」



 リオンさんの空腹かどうかの確認を、僕は平気と答える。



「じゃあ次の7階が終わったら一度休憩しよっか。その上がボスかもしれないし」



「そうしよう。自分で大丈夫と思っても無意識に疲労が溜まり、戦いに支障が出る前に英気を養うべきだ」



 確かに今は大丈夫だけど、何時お腹が空くのか分からない。また厄介なレアボスが出て消耗したまま戦う前に、しっかり休むべき。リオンさんと護君の言葉に僕も同意して、次の階で休む事に賛成。



 これでフェイントかけて8階じゃなく、7階でいきなり出て来るような事は止めてねダンジョンさん?




「ブビィィーー!!」



 7階に上がっても元気よく、声を上げながら僕達に襲いかかって来る。数はまた多く、白バージョンに黒バージョンと相変わらずポークファイターとウォリアーだ。



「はぁぁっ!」



 そこへ更に冴え渡る護君の太刀筋が、1匹2匹3匹と斬りまくる。此処までの戦いで体が暖まって、動きが良くなってそう。



「フラム2!」



「ブビィィ〜〜!」



 固まっていた集団のポークファイターに、僕は炎の渦を発生させれば纏めて飲み込ませる。やっぱりレベルアップのせいか、まだ空腹にはならなくて普通に使えた。



 7階のフロアの敵も僕と護君で全て倒せば、8階への階段が現れる音が聞こえ、此処で予定通りの休憩。



「よーし、じゃあ食事の時間ね!」



 リオンさんの見せ場がやってきて、腕が鳴るとばかりに背負う大きなカバンから、調理器具を取り出して準備を進める。




 収納空間から取り出されたポークファイターに、アンチドートを使って毒部分を綺麗サッパリ取り除けば、リオンさんは包丁を使って捌き始めた。手慣れたもので鮮やかに切って、食べやすい豚肉にしていく。



 僕達は見守るのみで、戦闘の時とは完全に立場が逆転してしまう。



「イノシシの時と同じステーキじゃ芸が無いからなぁ〜。揚げてポークカツにしとこ」



 リュックから新たに油の入ったボトルをリオンさんは取り出し、フライパンで豚肉を揚げる下準備を整える。



 新たに収納空間から卵を取り出し、豚肉に卵、パン粉をまぶしてフライパンで揚げ始めれば、やがて聞こえて来るカツの揚がる食欲の唆る良い音。




「でーきた! リオンさん特製ポークファイターのポークカツ〜♪」



 明るい笑顔と共に、皿へ盛り付けたポークカツを僕に見せる。見慣れたポークカツの姿だけど、凄く美味しそうに見えた。



「いただきま〜す」



 僕は揚げたて、出来たてのポークカツにかぶりつく。衣がサクサクしながらも、口の中で溢れ出る肉汁と共に蕩ける豚肉が旨味となって、僕を美味しさの世界に誘う。



「すっごい美味しい……!」



 何度も動画を出してコメントは言ったりしてるけど、美味しいという言葉しか出て来ない。



「美味い……」



 絶品なポークカツにクールな護君も、思わずそんな言葉が出ていた。



「じゃんじゃん食べてボス戦に備えてねー。あたし達はレアボスに会う事になるんだろうし」



 リオンさんの言葉にそうとは限らない、と言いたかったけど既に3連続でレアボスに会ってるから、正直僕もそうなるだろうなぁと思っている。



 4回目であろうレアボス戦に備え、僕はこの美味しいポークカツを食べ進めて、空腹となる前にお腹を満たしておく。




「ご馳走様でしたー」



 あっという間に美味しいポークカツを食べ尽くし、僕と護君は共に手を合わせた。



「ふ〜、美味しいポークカツだったけど、それだけじゃ栄養バランス悪いから野菜のモンスターとか出ないかなぁ?」



 食事を済ませたリオンさんは肉じゃ栄養バランスが悪いと、野菜のようなモンスターが出ないかと願う。



 何かそうなるとあんまり迫力無くて、コメディっぽいモンスターのイメージが強いかも。ダンジョンに出る野菜のモンスターってどういうのだ……?



「ダンジョン内でそんな贅沢は望まん。美味いというだけで充分恵まれている」



 護君は座って食べていた姿勢から、立ち上がって出発の準備を進めていた。次も先陣切って戦う気満々って感じ。



「お腹も満たされたみたいだし、先に進もうー」



 片付けてカバンに調理器具を元通りに収めると、リオンさんも動ける準備が整う。僕もお腹は満たされたし、再び出発しよっか。




 僕達は8階への階段に向かい、そこを登って進む。



 此処がゴールなのか、それとも更に上の屋上があってそこがフロアボスなのか、今の所は全く分からない。



 やっぱりポークファイターに関係したボスだろうね多分。此処までのボスは道中のモンスターと関係してたし。



 8階のフロアへ来ると目の前にエレベーターがあるのみで、後は広いワンフロアとなっていて、贅沢に広いエレベーターホールって感じの所だ。



「! エレベーターが動いてるぞ……」



 護君が左腰の鞘に手をかけながら、エレベーターの方を見据える。そこには1階から上がって、この8階まで数字の表示が変わっていく。



 扉が開かれた時、エレベーターから1体のモンスターが出て来る。



「ブヒァァーー!!」



 今までと違って白でも黒でもない赤バージョンのポークファイター。大きさは他の豚モンスターと同じだ。手には大きな斧を持っていて強そうな雰囲気が漂う。



「あれは、フロアボスのポークリーダーだよ!」



 リオンさんから情報を教えてもらうと、此処のボスだと判明。これまでと違って大きさが普通で、通常ボスかな?と思ったけど僕はすぐ気を引き締める。



 通常でもボスに変わりないし、強いはずだからね!



「ブヒィーー!!」



 その時ポークリーダーは僕達へ猛然と迫って来る、ターゲットは護君だ。



「……」



 でも護君は動く気配がなく、右手で剣の柄を握り締めたまま動かない。



「護君来るってーー!」



「ブヒァァーー!」



 ポークリーダーは両手に持った大きな斧を護君へ、高々と振り上げてから力一杯振り下ろす。そこにリオンさんの来るという声がフロアに響き渡る。



 フロアの床を砕く程の強烈な一撃だけど、護君は直後に左のサイドステップで躱してから抜刀。両手に持った剣で隙だらけとなった、ポークリーダーを斬りに行く。



「地竜斬!!」



 それは力強い横薙ぎの一閃。護君の背後に竜の影みたいな物が出現すると共に、ポークリーダーの斧ごと一刀両断。



 まさに必殺剣と言うべき一撃を前に、ポークリーダーは悲鳴を上げる間もなく、地面に倒れ伏した。



 ……あれ、一撃で終わり!?

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