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34話 合同パーティで突き進む

 石造りのダンジョンはゴーレム系の硬いモンスターが多く出て来る。人間ぐらいのサイズのミニゴーレムから、大型のゴーレムが出たりと斬撃を得意とする冒険者達にとって、結構苦戦はするかもしれない。



 けど今回同行してくれてる、アイアンシールドの3人のおかげで今の所は順調だ。



 盾山君が一番前で高い防御力を活かし、敵の攻撃を受け止めればシュンちゃんが破壊力抜群のハンマーで、敵を一撃粉砕していた。


 更に後衛の守りを暗夜さんが結界を張って、モンスターの注意を逸らす。



 やっぱりバランス良いチームだなぁ、攻撃に防御に補助がしっかり揃っていたりと。



「フラム2!」



 僕も彼らを援護しようと、後方から炎の魔法でゴーレム達を片っ端から広範囲の炎で燃やしていく。



 よし、まだお腹空いてないから大丈夫だ。




「当たり前だけどランクが上がると敵が強くなったり、ダンジョンが難しくなってくねー」



「Dランクのダンジョンからは毒、麻痺等の状態異常を引き起こす敵も出現するから難易度はまた上がるニャー」



 道中の通路を進みながら、リオンさんとシュンちゃんの女性コンビが会話をする。


 確かに此処まで状態異常の敵には会ってない。その上のランクから毒とか、そういうのが出て来る訳か。



「だから欲しいんだよ此処の素材。そんで加工してもらって毒や麻痺の効かねぇ鎧を手に入れてやる」



 前衛に状態異常が効かなくなれば、防御面でかなり安定するから盾山君としては絶対欲しいはず。


 ランクの高いダンジョンで一緒に潜る時があるかもしれないし、その時に防御が強化された彼が前衛にいると凄く頼もしい。



「……そうなると今着てる鎧から更に重量感ある鎧となりそうですね。何者をも通さぬ鉄壁の鎧となれば」



 確かに暗夜さんの言うように、強化された鎧ってなると結構ゴツそう。あまり重過ぎると着けて動き回るだけで、体力かなり持ってかれそうだけどね。



 僕とかは着けて一歩すら踏み出すのが難しいかも。



「!敵だ!」



 そこへ後ろを歩いていた護君から敵襲の知らせ。このダンジョン結構モンスター多く出現するなぁ!




 戦っては進み、戦っては進みを繰り返して僕達はダンジョンの奥へ進む。



 G、Fランクのダンジョンに潜っていた時と比べて、最深部までの距離が長く感じる。でも目指してる道中でリオンさんのレベルが17に上がったりと、良い事も起こっていた。



 ランクが上がってモンスターが強くなった分、貰える経験値とかも増えてきてるのかもね。



 ちなみに新しい技とか魔法は特に無しみたい。



「また来たぜゴーレム達が!」



 ってまた敵か、本当に多いなぁ!



「フラム2!」



 まだ魔法使えるから僕は一気に片付けようと、再び広範囲の炎魔法を唱える。ゴーレム達が炎の海によって飲み込まれ、焼き尽くされていく。



 レベルアップした事で魔法の威力も前より上がってるかな?



「ゴォォ〜……!」



 ってまだ大きいゴーレムが残ってたか!僕は再びフラムを唱えようとした。



 ぐぅぅ〜〜〜



「あうっ……!」



 お腹の音が鳴り響くと共に僕の放った炎魔法は小さくフラフラの頼りない軌道で、ゴーレムに向かうとその前に魔法が消滅してしまう。



 お腹が空いてしまい、魔法が使えなくなった。今回長く使えると思って、レベルを上げた方を連発。



 その結果ガス欠となり、これはもう調子に乗った僕のミスでしかない。



 これは早くリオンさんのおはぎを食べたい所だけど、敵がそんなのを待ってくれる訳もなく、ゴーレムが僕に迫ってくる。



「ニャー!」



 そこへゴーレムの頭上から猫、ではなくシュンちゃんが降ってきて巨大ハンマーを叩きつけた。



 脳天にハンマーを喰らったゴーレムは一撃で、大きな岩の体が砕かれて地面に散らばっていく。



「助かったぁ〜……シュンちゃんありがとう〜」



「さっきすっごいお腹の音がしたけど、神城君お腹空いたのかニャ?」



 シュンちゃんの耳に僕がお腹を空かせた音が聞こえてしまったようで、僕はその問いかけに対して正直に頷いた。



「話には聞いてましたが、それが大食いスキルのデメリットですか……魔法が急に弱くなるんですね」



 僕が空腹で弱った所を暗夜さんは興味深いと思ったのか、僕を観察するように見てくる。



「皆、相当進んだ事だし神城君もこのままじゃ戦えないから一旦休憩にしない?」



「そうだな、腹が減っては戦はできぬって言うし。飯にでもするか!」



 リオンさんの提案に盾山君が賛成して、護君もそれに頷く。




 リオンSide



 あたし以外の皆が凄い活躍するもんだから肩身狭かったけど、やっとダンジョン料理人として活躍する時が来た。



 人数多いし、張り切って料理作っちゃうからねー!



「モンスター達が寄って来ないように、結界を周囲に張っておきます」



 倉田さんナイスー!モンスターが襲って来る心配無しで、料理を集中して作れるってかなり大きいよ!



 とりあえず今回は肉を食べて元気になってもらおうという事で、Gランクダンジョンで大量に収納しておいた、ダンジョンボアーの猪肉を此処で使う事にする。



「おお〜、こいつは美味そうだ……」



「お腹空いてくるニャ〜」



 持って来たコンロとフライパンで猪肉を焼いていき、簡単に塩コショウで味付け。肉の焼ける香ばしい香りに盾山君やリンちゃんが吸い寄せられていた。



 ずっと前衛で戦ってたし、2人も結構お腹空いてるかもしれないね。



 とりあえず神城君は大食いだから、彼の分のステーキは多めに焼いておく。




「うめぇー!」



「猪肉ってこんな美味しいのかニャー!?」



「これは……美味いですね」



 3人には初めて振る舞うあたし特製、ダンジョンボアーのステーキ。3人揃って高評価いただきました♪



「リオンさんの料理ホント美味しいんだよ、いくらでも行けそうなぐらいにね」



 そう言う神城君の皿はもう空になって、早くもステーキ2枚目に行こうとしている。足りるかなぁ?



「ダンジョン料理人ってすげぇ〜」



「1パーティに1人は欲しいニャー」



 ステーキを食べながら盾山君とリンちゃんから、熱い視線を向けられてしまう。移籍の話はお断りだからね!?



「潜るダンジョンが深ければ深い程、食料の重要さも増していく。確かに1人は必ずいた方が良いな」



「同感です。僧侶に傷の手当ては癒やせても空腹を満たす事は不可能ですからね」



 護君と倉田さんからも冷静な高評価を貰い、なんか恥ずかしくなってくる。あたしは戦いであまり活躍出来ない分、料理で頑張ってるだけだし。



 護君、盾山君、リンちゃんのように前衛で戦い、後衛から神城君が魔法で援護して、倉田さんが補助を行ったり、あたしが戦い疲れてお腹を空かせた皆に料理を作る。



 ダンジョンでの役割は色々あったりと、皆それぞれ出来る事は異なっていく。



 基本的だけど今回みたいな大人数で潜るダンジョンに来て、改めて分かったかもしれない。




 休憩を済ませて再び最深部を目指して、あたし達は先を進む。相変わらず前衛の盾山君が攻撃を受け止めて、リンちゃんがハンマーで叩きまくっての無双状態は継続中。



 このまますんなり最深部まで着けると良いな、と考えながら進んでいたら大部屋へと出た。



 神殿のような神秘的な雰囲気、今までの経験からすれば此処がフロアボスのいる場所で間違いないはず。



「よっしゃ来たぜ! さぁ今度こそスチールゴーレムか!?」



「またストーンゴーレムのガッカリはゴメンニャー!」



 アイアンシールドの皆にとっては慣れ親しんだ場所みたいで、ボスが出る場所というのはとっくに分かってるっぽい。



「ゴォォ……」



 奥の方から声のような感じが聞こえて、絶対何かいる事が確定する。




「ゴォォォーー!!」



 次の瞬間、巨人みたいな大きさを誇る巨大モンスターがあたし達の前に現れた。ミニゴーレムやゴーレムと違って白く大きなゴーレムで、顔部分にある両目のような物が赤く光り出す。



「大きいニャー!?」



「まさかこれは……!!」



 此処のフロアボスを倒し慣れているはずのアイアンシールドも、目の前のモンスターを見て驚きを隠せない。というかあたしもこの巨大さは間違いないと思う。



「レアボス……スチールゴーレムだ!!」



 盾山君の興奮するような声がフロアに木霊していく。

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