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33話 大食いスキルを持つ魔法使いの実力

「ど、どうしよう〜!?」



「落ち着いて、姫島さんに神城君。僕の側に居てください」



 ゴーレム達の挟み撃ちに遭い、どうしようかとリオンさんは戸惑う。そこに暗夜さんから静かに声がかけられた後、彼はすかさず行動に出る。



「聖結界!」



 暗夜さんが手に持っていた白い杖を、両手で持って地面に置くと僕らの足元に魔方陣が出現。



「何? この魔法陣?」



「僕らの身を守る結界、この魔法陣内に入ればモンスター達は我々の存在を感知出来なくなります」



 魔法陣の結界、これが僕達をモンスターから守ってくれるみたいだ。その証拠に挟み撃ちとされて混戦になってるにも関わらず、ゴーレム達は僕らに見向きもしない。



「これが……僧侶の力なんだ?」



「いえ、僕の持つスキル結界です」



 リオンさんが僧侶の力なのかと思えば、暗夜さんは首を横に振ると自分の目覚めたスキルだと告げる。



「後衛たるもの、まずは何より前衛が何も気にせず戦うように努める。その為には己の身を守る事が最優先で、彼らへのサポートはそれから始まります」



「なるほどー、勉強になりまーす♪」



 リオンさんと同じく僕も勉強になる。今まで1人で戦っていた身としては、こういう連係で学ぶ事ばかりだ。



「そして、冷静に戦況を見て誰をサポートするかを見極める事。今回の場合は2人よりも岸川君が最優先でしょうけどね」



 暗夜さんの言葉を受けて、僕は護君の方を見る。



 彼は剣による斬撃ではなく、さっき盾山君からのアドバイスを受けた峰打ちによる打撃で、ミニゴーレム達と戦っていた。



 華麗な身のこなしで躱し、何度か攻撃を叩き込んでいるように見えるけど、防御力が高いせいかミニゴーレムは中々倒れない。



 これは助っ人に行く必要ありだよね!



「神城君、攻撃する時は結界を出てからで。結界内では聖なる力によって攻撃が消されますから」



 結界内から安全に攻撃出来るかと思えば、そんな都合の良い話は無くて僕は結界から出る必要があった。またチート化の対策をしっかりされてるなぁ〜。



 初めての岩モンスター相手に放つ魔法だけど、とりあえず一つかましてみようか!



「フラム!!」



 僕は結界から出ると、素早くミニゴーレムに向かって炎の魔法を放つ。



「ゴォォ〜……!」



 杖の先端から発射された大きな炎の玉が、勢いよく矢のように飛んで命中した途端、ミニゴーレムの体が燃え始める。



 するとミニゴーレムは倒れ、岩の体が崩れていった。よし、炎魔法が効いてる!



 魔法が効いた事に僕は左拳を握り締めてガッツポーズ。




 リオンSide



 護君が硬い敵に少し手こずってる所へ、神城君が魔法で援護。炎魔法が効いてるみたいで、彼は護君と共にゴーレムのモンスター達を共闘で倒していく。



「……どうなってるんですか彼は」



 結界を張った倉田さんから静かだけど、驚くような感じの声が聞こえた。一体誰に対して驚いたんだろ?神城君と護君の方を見てるみたい。



「神城君、彼は本当にレベル7ですか?」



 気になったのは神城君だった。



「それはまぁスマホに間違いなくレベル7ってハッキリ出てたから、そうなるんじゃないかな」



 あたしも神城君のレベルを見せてもらったけど、間違いなく彼は一桁のレベル。最初に見た5からレアボスを倒すごとに上がって今は7。



 スマホが狂わない限り表示は正しいはずだよね?



「ああいう岩のモンスターというのは斬撃への耐性だけでなく、炎魔法の耐性も兼ね備えているはずなんですよ」



「え?」



 今戦っているゴーレム達が炎魔法に強い?それを聞いてあたしは神城君の戦いを改めて見る。




「フラム!」



 杖の先端から炎の玉が勢いよく発射されて、ミニゴーレムが避ける間もなく炎の玉に命中すれば炎に包まれていく。



 神城君の魔法に耐え切れず倒れる所を見る限り炎魔法に強いとは、あたしから見れば思えなかった。



「レベル7という事は本来、そこまで高い攻撃魔力が無いにも関わらず一撃で仕留めている。となれば彼の場合は通常のレベルを遥かに超越している事になります」



「それってつまり普通のレベル7じゃない……!?」



 倉田さんがあたしの言葉に小さく頷く。



 確かにこれまで神城君は初めて会った時から、低レベルとは思えない力を見せている。お腹が空けば急に力が出なくなるデメリットはあっても、そうじゃない時は格上の人やボスに競り勝つぐらいに強かった。



「加えて彼は魔法を無詠唱、それも溜め無しで放っています。あんな事は動画で配信する高ランクの高レベルな魔法使いじゃないと出来ないはずなんですよ」



「そ、そうなの!?」



 魔法に関して言われてみれば、あたしは初歩の回復魔法トリートを唱える時も詠唱が必要。対して神城君は魔法をすぐにマシンガンみたいにガンガンぶっ放してるって感じ。



 普通のレベル7より強めとは思ったけど、実はあたしが考えてるよりもずっと凄いことなのかって、倉田さんの話を聞いて思ってくる。



「確か彼は通常よりレベルアップが遅いとの事でしたが、その分おそらく上がった時のステータスの上昇値が我々よりも高い。そう考えなければ神城君の力に説明がつきません」



「じゃあ、神城君はレベル自体7だけど……ステータス自体がめっちゃ高いの?」



「そのステータスの数値が出ないので推測の域を出ませんが、そう考えるしかないでしょう。レベル7で戦う今の彼を見る限りは」



 急に神城君がとても凄く見えてしまう。そう言えば彼の持つスキルは大食いだから、レベルアップの経験値を沢山必要としてるせいか上がりが遅い。



 その経験値が貯まってレベルが上がった時、彼がその度に凄く強くなってるんだとしたら、もっと上がってあたしや護君のレベルに追いつけばどうなるんだろ?



 とにかく神城君は大器晩成タイプ。次のレベルアップで神城君は一体どれだけ強くなるのか、あたしは彼の戦う姿を見ながら考えていた。




 明弥Side



「ふー、これで全滅かな?」



 僕は左頬に伝う汗を軽く拭いながら、崩れ落ちたミニゴーレム達を見渡す。



「擬態も含めて付近の敵は全て倒れているようだ」



 護君も一緒になって確認すれば、周囲に敵がいない事は確認出来た。これで後ろの敵は全て倒したと見て間違いない。



 後は最前線で戦う盾山君とシュンちゃんの方か。同じ事を護君も考えてたみたいで、僕と共に2人の元へ駆け出していく。




「おう、そっちも終わったか!」



 流石と言うべきか、僕達が駆けつける前に盾山君が左手の盾を掲げれば終わったとアピール。



 その足元にはゴーレム達が崩れ落ちたであろう、無数の岩が転がっていた。



「まだまだ序盤だからドンドン行くニャー♪」



 体力的に余裕が全然ありそうなシュンちゃんは明るい笑顔で、重そうなハンマーを担いで先頭を進む。



「おい春林、あんま先行くなって。ちゃんと俺の後ろ隠れとけ」



 シュンちゃんが先に行くのを見て盾山君も続いて歩き出す。頼もしい前衛で助かるなぁ。




「神城君、お腹の方は大丈夫?」



 そこへリオンさんが僕の近くまで駆け寄って、僕が空腹かどうか確認してくる。



「うん、お腹はまだ空かないから」



 此処に来る前、ダンディーンでボリュームあるカツサンド等を食べてお腹は満たして来てるから、早々に空腹にはならない。



 後はレベル5の時より魔法を多く放ち続けられているし、レベルアップした事でMP的な物が多く伸びたのかな?



 どっちにしても上がりは遅いけど、僕が強くなってる事は確実。この調子ですんなり目当てのスチールゴーレムに合えれば良いね。



 彼らの為という事もあるけど、レアボスを倒せば僕のレベルがまた1つ上がるかもしれないから、僕にとっても良いレベル上げだ。

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