表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

3/54

3話 今の自分と今の世界

「どうもー!ファンタジーズです!」



「世界中にダンジョンが出現したの切っ掛けでコンビ結成しました。皆さん是非名前だけでも覚えて帰ってくださいねー」



 目的地の駅に降りて、その足でお店に行って店内に入り、待ち時間の時に店内のテレビで漫才が流れていた。


 漫才も色々コンビ名いるけど、ダンジョン切っ掛けでコンビ誕生とかあるんだ。分かんないけどさ!



「13、4年前ぐらいに世界各国からダンジョン出現! 何でやー!? とパニクりましたわな世間」



「僕も驚きながらもラーメン美味いからすぐ食事戻りましたわぁ」



「世間そんな時にラーメン食う余裕あるんかい! めっちゃ冷静やな自分!?」



「ううん、冷たないよ? 熱々のラーメンやで?」



「その冷製ちゃうー!!」



 あ、ヤバ。ラーメンネタはちょっと笑っちゃうかも。



「当時はもう未知の洞穴、遺跡とミステリーに満ち溢れたり恐怖もあったなぁ」



「それを打開したのがスキルに目覚めた人々やな。これが人によっては色々違うんですわぁ」



「せやなー。むっちゃ剣の達人やったり、むっちゃ格闘家で腕っぷし強かったり、むっちゃ魔法使えてごっついのぶっ放せたり、むっちゃー……」



「むっちゃむっちゃ言い過ぎやな!?」



「次に麦茶言おう思とったのにー!」



「それ繋げる為にしてもむっちゃが多くてクドいなぁ!?」



 うーん、魔法が使えるというのは僕に当てはまるけど、凄いの使える訳でもないんだよね。流石にあれから13年経って進化はしてるつもりだけど……。あ、漫才?今ので麦茶飲みたくなってきたよ。



「スマホも色々進化しましたわ。僕らのレベルとか表示されるようなりましたし、ダンジョンの情報とか分かるようアプデされましたからねー」



「ほんでゲームのRPGみたいに剣とかの武器も売られるようになって、鎧も売られたりとホンマもんのファンタジーや。まぁこうでもせんとモンスターに太刀打ちとか無理やからなぁ」



「けどいくら強い武器持ってもランク無しやと無理やで。試験とかを受けて、ランクを獲得したりせんとダンジョンは入れへん」



「ランクは全部でG、F、E、D、C、B、A、SとGが一番低くてSが一番高いんやなー。ダンジョンもランク付けされとって自分のランクより上のダンジョンは立ち入り禁止や」



 笑いよりもそうだなぁと感心してしまう内容。彼らの言ってる事はネタじゃなくマジだ。国全体で色々動き、武器と共にスマホも新たに作られて、10年ぐらいで急激な発展を見せていった。


 更にランクの制度も追加したのは、誰彼構わずダンジョンに入ってしまい、大惨事が起きてしまうのを避ける為みたい。



 本当に人間の適応力って凄いよね。



 ちなみに僕は最低ランクのG。この辺りの取得はそんな難しい事じゃない。モンスターの中で一番弱いとされている、スライムに勝てばなれる。これはスキルを習得していれば、勝てる相手だ。



 スキルを覚えてから10年以上経つけど、レベルはなんとか5まで上げた。レベルアップの時はスマホから「レベルアップしました」と教えてくれる。経験値の数値とかそういうの見えないし、モンスターがどれくらい持ってるのかも分かんないから知らせてくれるのをただ待つしかないんだよね。



「僕のお笑いスキルのレベルやランクも上がらんかなぁ?」



「お前そこはレベル1のGランクやからな」



「流石にもっとあるわ! せやったら相当おもんない奴が今此処に立って漫才しとるぞ!? もうええわー」



「「どうも、ありがとうございました〜」」



 とりあえず今の世界について学ぶには良い漫才コンビだねファンタジーズ。面白さは別として、まぁラーメンのくだりの方は面白かったかな。



 っと、言ってる間に向こうの準備整って来たみたいだから始めるか。僕はスマホをカメラモードにセットして、テーブルの上に固定させてからスマホの前に映る。




「朝の人も昼の人も夜の人もお疲れ様です。本日もグルーチャンネルの時間がやってきました」



 僕は自分の中のスイッチを切り替えた。今の僕は神城明弥じゃなく、1人のJTuberグルーとして動画を撮っている。



 僕のJTuberとしての活動は主に大食い。お店にあるデカ盛りにチャレンジして、それを食べ切れるかの動画だ。大食いで完食すれば再生回数が伸びて必ず人気が出るかと言えば、そういう訳じゃない。



 大食い動画を上げる人はダンジョン発生以前から多く、伸びてる人がいれば伸びなかった人もいる。僕は幸い伸びてる方で、コメントも結構貰う。



「小さい子が一生懸命食べる姿可愛い♡」「あんな細く小さい子供があんな食えるのか!?」と、反応は色々だけど……僕もう20の大人だからね?5年前の15歳で動画の投稿は始めて、そりゃ当時から身長や外見に大きな変化無いけど!




「本日は麺屋ビクトリーさんにて、名物の大食いチャレンジ。超ビクトリーラーメンにチャレンジしたいと思います! 制限時間は40分で総重量は4キロという内容です。どうなるか分かりませんが、やるからには美味しく完食します!」



 スマホの前で僕が一通り喋り終えると、4キロのラーメンが僕のテーブルにドンと置かれた。すり鉢に盛られたチャーシューやメンマに海苔と、麺以外にも数々の具材がある。スープも完飲の条件と厳しめだ。



「では、いただきまーす」



 店員さんから頑張れとエールを貰いながら、僕はラーメンを勢い良く食べ始める。こういうのはスープから味わうのが礼儀だけど、今回はチャレンジなのでそんな余裕は無い。



 ラーメンは細麺でスープは豚骨醤油ベースでかなり美味しい。スルスルと食べられて具材と共に麺を一気に食べていく。時間だったらスープを吸って量が増えて難易度上がるから!



 ただ難関なのは……滅茶苦茶熱い!!



 出来たてのラーメンはすっごい美味しいけど、凄く熱い!これが僕の完食を大きく阻んで来て苦戦してしまう。



 なんとか具材や麺を完食して残るはスープ、此処ですり鉢ごと持って飲もうとするが、僕の腕にはすっごいズッシリとした重さが伝わって持ち上げられない。



 僕の細腕じゃ無理だー!



 という訳で地道にレンゲでスープをすくって地道に飲み続ける。うー、水分って結構お腹いっぱいになりやすいから難関って言われてるんだよね……!



 熱さに耐えながらも飲み続け、小さな食べ残しも逃さず食べていく。こういうの視聴者さん厳しいから!



「ご馳走様でしたー!」



 すり鉢の中身を綺麗になくしてから手を合わせる。タイマーの方を確認すると、時間は39分だった。



 危なぁぁぁ!失敗したら5000円払わなきゃいけないから、この表示を見て本当ヒヤッとしたよ!



「味が滅茶苦茶美味しくて、美味しさに夢中になって時間オーバーになりそうでした……という訳で無事に完食! 此処まで見てくれてありがとうございます。この動画が良かったと思ったらチャンネル登録よろしくお願いしますー♪」



 チャレンジの感想を言ってから僕は明るく笑うと、動画を閉めた。まだ体があっつい……!これもし夏場で猫舌の人がチャレンジしてたら色々大変だよ。



 少し体を休め、店員さんと挨拶してから僕は店を出た。この後はどうしよ?今日の予定は終わったから何をしようか。



 この後の予定について考えている時だった。




「キャーーー!!」



「!?」



 女性の悲鳴がすると、それは僕の前を一瞬横切って走り去る。それからすぐぐらいに、体格の良い男2人が追いかけて行く姿が見えた。



 明らかに女の人を追いかけてるように見える。何か只事じゃない気がして、僕は彼らの後を追って行く。




 曙橋の駅から離れて、女性と男達は禍々しい雰囲気を漂わせる洞穴に入って行った。僕はスマホで情報を確認すると、此処は「曙橋ダンジョン(Gランク)」と表示されて僕に教えてくれた。



 幸いGランクの僕も入れる所でラッキー!あの人達はダンジョンの中に入っていったみたいだから、僕も続いて突入する。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ