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19話 昆虫だらけのダンジョン

 本来ならこういうランクが上のダンジョンに、僕が挑むという事は出来なかった。



 でも同じチームで同行しているリオンさんや護君が条件を満たしているから、Gランクの僕でもこうしてFランクのダンジョンに潜れている。



 Gランクのダンジョンの時よりも禍々しさは増して、辺りは暗闇に包まれてる状態だ。先頭が明るいのは護君が松明を灯して、右手で持って進んでくれてるおかげだった。



 彼からは絶対はぐれないようにしないといけない。



「!何かいる……!?」



「え!?」



 僕の声に前を歩くリオンさんが驚いて、左右をキョロキョロと見回す姿が松明の明かりで見える。



 前方の方に何かいると感じて、僕は新たな装備のマジシャンステッキを右手に構えた。ちなみに命名はグレイドさんだ。




「ギギギ……!」



 前方から数体、アリを巨大化させたようなモンスターが現れる。大きさは140cmの僕より少し大きい。



「まずは洞窟アリか、任せろ」



 すると松明をリオンさんに預けて護君は剣を抜く。地を蹴ってモンスター達へ向かうと1体、また1体と洞窟アリを一刀両断していく。



 もうズバババッ!ってアリ達を斬り伏せる感じだ。



「この程度の敵など造作もない」



 護君は秒でモンスター達を倒し、クールに剣を左腰に身に着ける鞘へ納めていた。これ配信で流れてたら彼の女性ファン絶対出来てるよ。



 ていうかそもそも強い、流石レベル26。僕よく彼と戦って無事に済んだよなぁ……。




「フン!」



「ギィ!」



「ハッ!」



「ギィィ!」



 護君の独壇場は続き、彼は前方から出て来る洞窟アリを片っ端から倒していた。



 こんな戦ってたら僕とか魔法を使って、お腹空いたりして大変だけど護君は汗一つかかず、涼しい顔で戦い続ける。凄い子が仲間になってくれたなぁ。



『レベルアップしました』



「あ、やったー!」



 そこへ同じパーティで経験値が入って来た事により、リオンさんのレベルが一つ上がって、13に到達する。彼女が喜ぶ一方で僕の方にはその知らせが来ない。



 まぁレベルはこの前上がっちゃったから、多分またしばらくレベルアップの喜びとはおさらばなんだと思う。



『トリートを習得しました』



「え、これ回復魔法じゃない! あたし僧侶みたいな役になっちゃったー!」



 レベルが上がった事により、リオンさんは新たな魔法を習得に跳び上がって喜ぶ。



 僕は使えないけどトリートは僕も知っている。傷を癒す回復魔法で危険なダンジョンには何よりも欠かせないし、僕らチームにとっては大助かりだ。


 料理でお腹を満たす事は出来ても、身体に負った物理的なダメージの回復までは出来ないからね。



 貴重な回復魔法の習得を追い風に、僕達はダンジョンの奥を進んで行く。ちなみに此処は下へ降りる階段があって、最深部は下の方にありそうだ。




「護君大丈夫? 疲れてるなら休憩入れるよー」



 リオンさんが護君のスタミナを考え、一度休憩を入れる事を提案してくる。



「疲れてないから必要無い」



 護君は即答で答えていた。後ろから見る限り辛そうな感じは無く、タフガイだなぁと思う。



「最深部ってFランクだとどれくらいで辿り着くんだろ?」



 僕は何気なく経験者の2人に聞いてみる。この前のGランクだと階段は無くて奥へ進むような感じだったけど、一体どれくらい進むのか分かりそうかなと思っての事だ。



「うーん、Fランク全てって訳じゃないけど大体地下3、4階降りれば最深部って感じ」



「ああ、それぐらいだな。俺もそのクラスのダンジョンは多く潜っているが、深くてもせいぜい地下5階までだ」



 リオンさんと護君の話を纏めると、地下3階が最短で地下5階が最長か。今はまだ地下1階だから最深部は確実に此処じゃなく、先の方にある。



 僕は気持ちを新たに2人と先を進む。まだお腹は減ってきていないし、今回もリオンさんから事前におはぎを持たせてもらっている。護君という頼れる前衛の戦士もいるので不安は何もない。



 とりあえず僕は自惚れないようにしよう。これはあくまで自分の力じゃなく、リオンさんや護君が付いてくれてるおかげだから。そこは勘違いしちゃ駄目だよね。




 護君が前から襲って来る敵を抑え、僕は背後から来るモンスターを警戒。リオンさんは松明を持って周囲を明るく照らす係と、各自の役割がハッキリしていた。



「これで3階、フロアボスはそろそろかな?」



 リオンさんが今僕達のいる階層を確認する。とりあえず最短という線は消えて、4階や5階という可能性が高まっていく。



 僕の方は2回ぐらい洞窟アリが後ろから襲いかかって来て、それをフラムで撃破する。Gランクのモンスターより強いはずだけど、僕の魔法一発でモンスターは力尽きていた。



 さてはあの洞窟アリって炎に弱い?だとしたら初見で弱点を突けてラッキーだ。僕のお腹も空いてないし、勢いに乗ってこのまま地下4階に突入する。




「……む」



 地下4階に着いた時、護君の顔が険しくなる。僕も何か気配を感じて前方の方を警戒。



「どうしたの? また洞窟アリ?」



「いや……それとは違う気配だ」



 リオンさんの問いに護君が答えてる間、その気配は自ら姿を見せてきた。



 それは洞窟アリを越える大きさで、両手が剣のように鋭い腕となっているカマキリのモンスターだ。しかも2体。



「ほう、ソードマンティスか……Eランクのダンジョンでも見た事はあったが此処で見る事になるとはな」



「知ってるの? 強い?」



「剣のような鋭い腕が厄介なモンスターと言われてるが、それさえ気をつければなんとかなる。神城、片方は俺がやるからもう片方は任せた!」



 ソードマンティスとは初見のリオンさん。対戦経験のある護君が特徴を教えた後、1体の方へと護君は素早く向かう。



 Eランクのダンジョンって今より上じゃん!その強いモンスターの相手を僕に任せるって、護君は結構無茶振りするね!?



 ヒュンヒュンと巨大な剣のような両腕を振るってくる。いかにも斬れ味鋭そうで、新装備に守られた状態でも食らいたくない。



「ギッ!」



「っ!」



 ソードマンティスが素早い動きで前進してくると、僕に自慢の腕を振り回してきた。



 僕はそれをバックステップで躱して距離を取る。そこへ再び再び突進して来る昆虫のモンスター、目の前の動きが僕にはよく見えていた。



 護君と手合わせした経験からか、ソードマンティスの斬撃は護君より体感として遅く感じる。僕は敵が迫って来ても焦らず、冷静に魔法を放つ。



「ブリッツ!」



 赤い宝石のような物がついた杖の先端から、雷の矢が目にも止まらぬ速さでソードマンティスに襲いかかる。



「ギギギギィィ〜〜〜!!」



 全身に雷の衝撃が走ったみたいで、昆虫のモンスターはまともに雷の矢を浴びると奇声を上げて、黒焦げの状態で倒れていった。



「流石だな、あれを一撃か」



 護君の声がすると彼の方は、もう一体のソードマンティスを一刀両断にした後だ。やっぱ強いなぁ。



「ああもう、此処って虫ばっかりなの〜!?」



 そこへリオンさんは頭を抱えた様子で、虫ばかりのダンジョンという現状に不満を吐き出していた。



「えっと、リオンさん……これって収納とか無理そうですよね?」



「……出来ない事は無いかもしれないけど、嫌だよ? 虫と他の食材を一緒に保管するなんて。神城君は食べたい?」



 全力で遠慮します。



 流石の僕もこんなカマキリとか、食べたいと思う気持ちは全く無い。食べるならやっぱ美味しい物が食べたいし。



 このダンジョンは昆虫系のモンスターが多めのようで、リオンさんにとっては相性の良くないダンジョンらしい。



「おい、新手だ」



「!」



 休む暇は与えてくれそうにない。護君の視線の先には多くの洞窟アリ、そこにソードマンティスも混じっていたりと昆虫達が僕らに襲って来る。



 食べられない敵ならもう遠慮なく全部倒しちゃおう!

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