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第7話 修行の時間です!

ギルドの試験を受けることになったハジメだが、『才能がない』と言われてしまった!

1週間アリシアに鍛えてもらうことで、無事に入会することができるのか!?

俺はアリシアに城外へと連れてこられた。

「なぁ、どこに向かってるんだ?」

俺は見慣れない景色な目を輝かせ、彼女に質問する。

少し前を歩く彼女は振り返らずに答える。

「知り合いの家よ。そこであんたを1週間鍛えるの」

「なっなるほど」

城から出て数分間歩き続けた。もう、夕暮れ時で斜陽が差していた。

森の中に入ると、一軒の家があった。

「ここよ」

明かりはついていなかった。薄暗い森の雰囲気と相まって凄く怖かった。

「本当にここ? 明かりついてないけど……」

「大丈夫。多分寝てるのよ」

そう言うとアリシアは『入るわよー』と言ってドアを開けた。鍵はかかっていないようだ。

中に入ると暗闇が広がっていた。人の気配もないし、物音もしない。ただ、暗く静かな空間がそこにはあった。

俺は正直ビビっていた。ホラー映画しかりそう言った類は苦手なのだ。

「暗すぎませんかね……?」

前から『そうね』と肯定する彼女の声が聞こえた。

そして彼女は鞄から何かを出す。

「ルクシー」

そう唱えると明かりが灯った。

彼女が持っていたのはランタンだった。

「今のは?」

驚く俺の聞きたいことを察すると彼女は言う。

「今のは光魔法ルクシーよ」

魔法を初めて見た俺の感想は、そこはかとない喜びだった。魔法を生で見て、改めて俺が異世界へと転生したと実感した。

そして奥へ進むと扉があった。それを開けると居間に繋がっていた。

その部屋にある大きな木造のテーブルに誰かが突っ伏して寝ていた。

アリシアが肩を揺すりながら声をかける。

「ロミルダ、起きて、ロミルダ」

ロミルダと呼ばれていた女性は、ゆっくりと顔を上げた。

そしてすぐにまた寝た。

「ちょっと! 起きなさいってば!」

すると彼女は怒った。

「ああ、もう! うっさいわね!! 寝てるの! 見たら判るでしょ!?

誰だって寝ているところを邪魔されたら怒る。至極当然な反応ではある。

「ごっごめん」

アリシアが謝った。するとロミルダは俺を睨む。

「あと、あんたは誰よ! 勝手に乙女の部屋に侵入してこの、変態!」

まさかの変態呼ばわり。俺はことの次第を弁明する。

するとロミルダは落ち着いたようだ。

「ふーん、ハジメねぇ。珍しい名前ね」

訝しむように俺を見る。

「えぇっと……」

俺は自分が異世界から来たことを言おうかと悩んでいると、ロミルダは言う。

「まぁ、別に何でも良いわ。私はロミルダよ。ロミルダ・ルイーゼ・アイブリンガー」

無事打ち解けた(?)ことで、話は先へと進む。

ロミルダが部屋の明かりをつけた。

「それで? あんた達がここに来た理由(わけ)は?」

アリシアが先ほどの出来事を全て話した。

ロミルダは黙って聞いていた。全てを書き終わると、何回か頷いた。

「なるほどね。それはフランツの言う通りでしょうね。やめときなさい」

彼女は俺を見る。しかし俺の決意は変わらない。

「……そう。辞める気はないのね。判ったわよ。それで? 私は何をすれば良いの?」

彼女は俺の目を見るとそれ以上否定はしなかった。しても無駄だと判断したのだろう。

アリシアが言った。

「この家の空き部屋に私達を泊めてほしいの。こいつの特訓は私がするから」

「ふーん、あんたがねぇ。随分とご執着じゃない。まぁ、良いわ。好きにしてちょうだい」

それだけ言うとロミルダは部屋を後にした。

俺は気になっていたことをアリシアに話す。

「何でわざわざここまで来たんだ?」

「そりゃあ、街中で剣をぶん回すわけにはいかないでしょ? この森なら自由に訓練ができるし、そしたら、城から通うのは面倒だから、ロミルダ泊めてもらうことにしたのよ」

合理的で納得ができる理由だった。

俺はロミルダについて少し聞いてみる。

アリシアは顎に手を置いて話した。某有名アニメの父親スタイルだった。

「彼女は私の2つ上で、一応ギルドの先輩に当たる人なの。事実上の引退をしちゃってるけど、実力は今でも相当なものよ」

プライドの高そうな彼女に言わしめるとは、ロミルダ恐るべし。

「じゃあ、今日はもう寝なさい。明日の朝からビシバシといくからね!」

「おう!」

この時はまだ、知らなかった。これからの1週間が地獄になるということを……。


ーーー翌日ーーー

俺は良い夢を見ていた。異世界での初めての夢だった。女神様からの祝福ということにしよう。

俺の部屋の扉が勢いよく開かれた。

「ハジメ朝よ! さっさと起きなさい!」

「……うぅん……」

彼女はカーテンをバサっと開けた。すると俺の顔面に朝日が照らす。

「まぶし……」

俺は布団を頭まで被った。

「起きろって……言ってんでしょ!!」

アリシアが思いっきり布団を剥がした。

そして眠気まなこの俺の顔面に水魔法をかけた。

「アクア!」

そこそこ強い水圧でやられてそのまま後ろに倒れた。

「良い目覚ましでしょ。これが嫌だったら明日からはさっさと起きなさいよ」

「……はい」

そして彼女の後について行くと、テーブルに料理が並べられていた。

「これ食べて良いの?」

「えぇ、勿論。ちゃんと食べないと強くならないからね」

俺は卓上のパンとスープと謎の肉を食べた。

「ちゃんと野菜も食べなさい!」

「えぇ……」

「えぇじゃない!」

心の中では俺のママかよと思いつつ素直に従う。

実際のところ、俺の本当の母親よりも愛情がある気がする。

「これは……何の肉?」

小鬼(ゴブリン)よ」

その台詞を聞き、吐き気を催す。

「うげぇぇ。なんてもの食わせてんだよ!!」

食ったものを吐き出そうとしている俺を見て、彼女は声を上げて笑った。

「あはははっ。冗談よ冗談。それは猪の肉」

「え……」

彼女は俺のバカ面を見てまた笑う。

「だっ騙しいたのかぁぁ!!」

「ふふっごめんなさい。ちょっとした出来心で。ふふっあははは」

彼女は笑い過ぎて涙目になっていた。

全く、油断も隙もない小娘だ。

そして俺の方をポンと叩き言う。

「これから地獄が始まるんだから、今のうちに笑っておかないとね」

彼女の台詞に俺はムッとして言う。

「俺は笑ってないがな」

「あは、確かに」

苦笑する彼女を尻目に残りのご飯も食べ切る。

無事ご飯を食べ終わり、少し休憩したら今度は外に連れてこられた。

とうとう始まるのだろう。

アリシアが木刀を地面に刺して(つか)部分に手を置く。

「これから修行を始めるわ。良い?あんたの返事は『はい』か『了解』だけね」

「肯定しかないじゃないか……」

アリシアが不敵な笑みを浮かべる。

「死なないように頑張ってね……」

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