表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

下手な芝居

作者: 天江 蜜柑
掲載日:2020/12/19

とある都市のとある高層ビルの屋上。

時刻は深夜。

そこに1人の中年男性が『KeepOut』の柵を越えて立っていた。

『あと1歩でこの世から去ることができる』

男は身を投げ出そうとしていたのだ。

しかし、最後の1歩を踏み出せずにいた。

いざ、決心をしたはいいが、これこれ2時間が経過していた。

「飛ばないのですか?」

突然、後ろから声をかけられた。

振り向こうとすると、

「振り向かなくても構わないですよ。人の顔を見ると思いとどまりますから」

男性の声だった。しかも、男を行為を止めるような感じはない。

「私が最後の1歩の手助けをしてあげましょう」

男の反応に構わず声の主は勝手に話続ける。

「さぁ、思い出してみましょう。会社では上司によるパワハラ。先方には、自分のミスではないのに頭を下げまくり罵詈雑言を受ける。辛いですよねー」

「・・・・・・」

「家に帰っても邪魔者のように扱われる。貴方は家族のために働いているのにも関わらず、感謝もされない」

「か、家族は・・・・・・」

男の言葉も聞いていない。

「さぁ、さぁ、さぁ!飛び降りて楽になりましょう!」

「家族は悪くない!!」

家族についてのことが逆鱗に触れて、男は振り向いた。

そこにいたのは、20代くらいの青年だった。見ると、黒色でボロボロのマントを纏っていた。

「誰なんだ、お前は!他人様のことを好き勝手言って、いい加減にーーーー」

怒りに身を任せて、青年を非難しようとしたが、彼が右手に持っているモノが見えて男は血の気がひいた。

"鎌"だった。

男は急いで柵を越えてその場をあとにした。



「行ってしまわれましたか。ならば、それはそれでよし。負の感情を大量に溜めた魂の方が価値がありますからね」

そう言い残すと、男の姿は闇夜とともに消えていった。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ