プロローグ
「明日ねw陰キャw」
陰キャ。このクラス内での自分の呼び名。
別に否定してるつもりはない。本当に自分でも陰キャだと思ってる。
こうやって罵声を浴びさせられながら毎日過す。俺の生き方にはそれくらいしかないから。
どうせ言い返せないし。陰キャだから。
今日も帰って、寝て、起きて、また明日も学校に行って…
もう嫌だ。生きる気力もない。何もしたくない。
携帯の通知が鳴る。
「…誰」
ツイッターのDM通知だ。最近浮上してないから通知が溜まりまくってる。
『最近見ないけど生きてる?』
ロ…グア?…そんな奴いたな…。
リアルが忙しいから浮上しないだけですよ|
リアルが忙し|
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…
やっぱ返信いいや…どうせいなくなるんだから…所詮ネットの付き合いだし…
今日はもう寝よう…明日も学校に行かなくちゃ。
???「なんで…なんで!頼むよ!」
誰かの叫び散らしている。
???「頼むよ!外せよ!なあ!」
うるさい。黙ってくれ。
???「頼む助けてくれよここから出して…」
誰かに腹を蹴られた。
"自分"「…った…なんだよ…」
目を覚ますと、謎の空間にいた。椅子が円形に12個並べられ、その中心にブラウン管テレビがポツンと。
???「ねえ…落ち着いてって…」
???「頼むなんで…なんで俺が…」
他の12人もここに集められた人間らしい。
一つ気が付いた。ここにいる全員に名札のような物が服についている。
"オサシミ"「ねえ…とりあえず落ち着いて?」
"かしわもち"「嫌だ…嫌だ…なんで俺が…なんで…」
"あおい"「な……え?どこここ…」
"ログア"「…え…何これは」
"いちか"「うあ…頭痛いなんだここ…」
"よざくら"「…どうなってんの?」
"アイランド"「ん…え…誰?」
名札に書かれてる名前には見覚えがあった。
全員、ネットで知り合った人の名前を付けている。
自分には"ギルベルノ"と書かれた名札が付いている。
ギルベルノ「…かしわ?君、名札にかしわもちって…」
かしわもち「!…お前…ギルベルノか…?ギルベルノも巻き込まれて…」
オサシミ「とりあえず落ち着いて…?…何が起こってるのか知ってるなら、私たちに教えて?」
彼女の名前にも見覚えがあった。あの人がオサシミさん…か?
かしわもち「人狼ゲーム…」
かしわもちと書かれた名札を付けた人が呟いた
"のえる"「人狼ゲーム?…あの人狼ゲーム?」
"ペプシ"「あなた…ログアさん…?なんで…」
ログア「…皆俺のサーバーで見たことあるメンツだ…」
"イリ―"「あなたが…ログアさん…?…皆見たことある名前付けてる…」
"ファルコン"「あ…ここで皆なんで…」
まだ状況が把握できない中、突然テレビの電源がついた。
『人狼ゲームへようこそ!』
『いきなりですがあなた達には』
―殺しあってもらいます―
無機質なテレビの画面には、その言葉だけが映し出された。