第三十九話
日々の雑務お疲れ様です( ´ ▽ ` )
俺達は早速、明日のダンジョンの付き添いの為、自分達のステータスの情報共有をする事にした。
【名前】南條 解
[レベル]24
[職業]鎖使い☆1
[スキル]チェイン+1
【天啓】キーメイカー☆1、鑑定(初級)☆2、幸運☆1
【天啓力】880
[HP]156(203)
[MP]86
[筋力]133(173)
[敏捷]111
[魔力]79
[運]90
【名前】佐藤 楓
[レベル]18
[職業]守護者☆1
[スキル]プロテクション+1
【天啓】治癒師☆4、風神☆4
【天啓力】1653
[HP]153
[MP]166(216)
[筋力]104
[敏捷]150
[魔力]182(236)
[運]23
【名前】■■■◾■
[レベル]2
[職業]■■■■(元)
[スキル]闇魔法(初級)、光魔法(初級)、収納魔法(初級)
【称号】■■■
[HP]70(140)
[MP]110(220)
[筋力]60 (120)
[敏捷]60 (120)
[魔力]150 (300)
[運]1(2)
明けゆく森のダンジョンからだいぶ変わった所もあるが、まず大きな点は俺と楓の職業に☆が1つとスキルに+1が増えたことだ。
楓はまだ試してないが、スキルの+1は単純にスキルの強化だった。
ルキにも聞いてみたが職業の☆が上がるにつれて新しいスキルの取得とスキルの強化があるらしく、今回は強化のみであった。しかし、使ってみて分かった事だが明らかにチェインの力強さが上がっている様に感じた。
「てか、ちゃんと次からは私も誘ってよ!」
「悪かったよ、俺も楓に負けたくないなって思ったらいてもたってもいられなくなったんだよ」
そう、そして次に俺自身の強化についてだ。淡い死者のダンジョンでは楓が大活躍で、楓にステータスや〈天啓力〉を離される不安から、ルキと2人でダンジョンに潜ったのだ。
ダンジョンをクリアしたという事後報告に楓は“ずるい!”と怒っていたが、男としてのプライドやら矜持やら諸々で動いてしまった所が大きい。
そのおかげでレベルと〈天啓力〉は伸びたけど楓に悪いなと思ったから次は黙ってダンジョンに行くのは辞めとこうと思う。
ちなみにルキと潜ったダンジョンでボスを倒した際に出る宝箱のドロップアイテムはちょっと豪華な薬草1枚だった。
〈天啓力〉を20消費した鍵だったのだがそのショボさに俺は目が点になった。
その時はルキが宝箱を開けたのだが、聞いてみればステータスの運が高いと良いアイテムがドロップする確率が上がるらしい。
何故運の低いルキが開けてしまったのか……。
「そ、それにしてもルキは結構な数の敵を倒したのにレベルがまだ2なんだよな?」
俺がすかさず話題を変える。
「そうじゃの、人類の成長速度は早いからの。ただ儂は1レベル上がる毎のステータスの上昇率は高いぞ」
確かにレベル1上がっただけでかなりステータスが増えている。
種族によって成長速度が違うとは思ってもみなかった。ちなみにルキにどんな種族なのかと聞いてみたものの“秘密じゃ☆”とはぐらかされてしまった。
……
…………
……………………
「本当にトイレのドアが別の世界に繋がっているのか……?」
「不思議ですね」
翌日、時間通りに日下部さんと斎藤さんが来て、早速ネェガさんの道具屋でアイテムを購入する為、4人はトイレのドアの前に立っている。
2人には異世界の道具屋があってそこで色々と買うことができるという事だけ伝えてある。
「向こうの通貨は俺達が持ってますんで、お二人は遠慮なく装備やアイテムを選んでください」
「南條くん、すまんなぁ」
「申し訳ないです……いつか必ず何かお返ししますので……」
「いえいえ、お二人とも気にしないで下さい、安全の為です。何かあってからじゃまずいですからね」
「ここで立ち話もなんだし早くネェガさんのお店にいこー!」
楓に急かされ俺は鍵を使いドアを開ける。
そこには、こぢんまりとはしているが、細かいとこまでしっかりと手入れが行き届いたネェガさんの道具屋が目の前に現れる。
「こ、これは……すごいな、何か映画の1シーンを体験しているみたいだ……」
「ファンタジーですねぇ……」
2人からそんな感想が出る。
確かに、木で作られた店内にポーションの薬品ぽい匂いが仄かに香り、棚には見たことが無い色々なアイテムが並べてある風景は俺達の世界じゃ味わえないからなぁ……。
「おう、よく来たな。そいつらが前に話してた2人か?」
「そうです、今日はよろしくお願いします。こちらが日下部さんと斎藤さんです」
「日下部です。……こ、言葉が普通に通じるな、どうなってるんだ?」
「さ……斎藤です、よろしくお願いします」
「おう、俺はネェガだ。さあ、装備を選んでやる」
「一応我々が使っている物を持ってきたのだが使えるかどうか見てもらえないか?」
そう言って日下部さんは持ってきていた警棒とボディーアーマー、透明なライオットシールドをネェガさんに渡す。
「ふむ、この棒は低級なモンスターは倒せるが後々きつくなりそうだな。この服は、何か入っているのか? すまん、見たことない素材だからよく分からんな。この盾は……珍しいな、なんで透明なんだ? かなり軽量だが衝撃にも強そうだし、それなりに大きさがあるのに透明だから視界が遮られない……」
ネェガさんはライオットシールドをコンコンと叩いて確かめている。
「どうだろうか?」
日下部さんが興味深く鑑定しているネェガさんに催促する。
「棒と服はあんまり詳しく言えねぇが、この盾は物理的な攻撃には中々に優秀そうだな、魔法を使ってくる敵にでも会わない限りしっかり仕事してくれそうだぞ。ていうかこの盾良いな、数があるなら売ってくれないか?」
いつの間にかネェガさんの目が商談モードの目になっている。
「す、すまん。それは売れないんだ……」
(でしょうね)
「そうか……残念だ。まあこの盾と服は良いとして剣くらいは買っとけよ、流石に攻撃手段が“殴る”だと後々大変だと思うぞ」
「確かに、武器は大事だからな。1つ売ってもらおうか」
「ああ、そうしよう。南條さん、いいですか?」
「分かりました、お二人に合う武器をネェガさんに見繕ってもらいましょう」
そうして少しの間ネェガさんを待っていると、ネェガさんから日下部さんと斎藤さんに武器を渡される。
「あのー……なんで日下部は剣なのに、私はでっかい斧なんでしょう?」
斎藤さんは目を点にして俺の方へ問いかけてくる。
その姿は優しそうな顔と武器の斧(確かあれはハルバードと言ったか)のギャップが可笑しくて少し笑ってしまった。
楓は普通に笑っていた。
「斎藤お前……ぶわっはっは! 似合わねぇな!」
そして日下部さんは大笑いしている。
「あの、ネェガさん。私は何故斧なのでしょう?」
自分のキャラとかけ離れている武器に戸惑っている斎藤さんはネェガさんに理由を聞いた。
「斎藤は絶対この武器がいいと思う、長年色んな人を見てると何となく合う武器が理解るようになるんだ」
「そんな……」
「む、その感覚は分かる気がするぞ」
いまいち釈然としてない斎藤さんとは違い、日下部さんはネェガさんの言葉に共感している。
「武器も選べたし後はポーション何個か買って早くダンジョンに行こ行こー!」
楓が待ちきれない様子なので、会計を済ませてさっさと戻る事にした。
「お、帰るのか? 解・楓、また例のやつ持ってきてくれよ」
「分かってますよ、次の機会にでも……」
「はーい」
「“例のやつ”とは何なんですか?」
斎藤さんは不思議そうに聞いてくる。
「あ、あれですよ、ダンジョンで手に入れたアイテムとか!」
「そうですそうです! 別に悪い事はしてませんよ!」
「「……」」
日下部さんと斎藤さんから“絶対何か隠してるな?”という疑いの目を向けられる。
こんなにも完璧な説明をしたのに何かを感じ取られるなんて……警察って凄いなぁ!
■作者コメント
ここまで読んで頂きありがとうございます<(*_ _)>
まさかの斎藤さんの武器はでっかい斧でした( ˙ㅿ˙ )
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