第三十六話
日々の雑務お疲れ様です( ´ ▽ ` )ノ
「にわかには信じられないのだが、こちらの可愛らしいお嬢さんとはダンジョンで出会ったと……?」
日下部さんは目をぱちくりさせて俺に確認する、斉藤さんは驚きのあまり開いた口が塞がっていない。
「はい……俺達もルキの詳しい事は聞けてないんですが、人類とは掛け離れた存在と言う事は分かっています。ここに角もあります」
ルキは家の中でも被っていることが比較的多い大きな麦わら帽子を取り、おでこに生えてる角を見せる。
「「角が生えてる……」」
「まあ儂は王で神じゃからの、儂の事は言えんが、塔の事は教えてやれるぞ」
「「王で神……」」
日下部さんと斉藤さんはまだ困惑している。
「とりあえず、まずお二人にお話ししなくてはならない事があります、俺の〈天啓〉の事についてです」
「南條くんの〈天啓〉とこちらのルキさんが関係があると?」
「はい、俺の〈天啓〉はキーメイカーと言って、キーメイカーで作った鍵でダンジョンに入れる事が出来ます」
「……その鍵を使ってルキさんと出会ったということか?」
「はい、作るときに使う〈天啓力〉の消費量によってダンジョンのランクが変わるんですけど、鍵を製作中にルキが違う世界からこちらに干渉してきて、イレギュラーでルキの世界に続く鍵を作れました」
「解の今の実力じゃ儂と会うことなど夢のまた夢じゃったからの、悪いとは思いつつも多少干渉してでも会っておきたかったのじゃ」
「その会っておきたかった理由は聞いても……?」
日下部さんが真剣な顔で質問する。
「その質問には答えられん」
「なるほど……では塔の中の事は教えてもらえるのかな?」
「それは教える事が出来るぞ」
ルキが胸を張りながら答える。
「俺達もついさっき聞いたばかりなのですが、どうやら俺のキーメイカーで作って入るダンジョンと元々塔の中にあるダンジョンはどうやら別物らしいんです」
「!? ……と言う事はあのスライムのダンジョンとは違うダンジョンがあるという事か?」
「はい、スライムのダンジョンはキーメイカーで〈天啓力〉を1消費して作った鍵だったんです。だからとても簡単だったし、何も分からなかった俺達でも帰還できたんです」
「ではあの東尋坊にある塔の元々のダンジョンはもっと危険だと言うことか?」
日下部さんと斉藤さんが狼狽えながら俺の方を見る。
「ルキはそう言っています」
「そうじゃ、色や大きさでどんな塔かも変わってくるし、攻略を完了しなければ塔は成長し外にモンスターが溢れることになるぞ」
「ちょ、ちょっとまってくれ……! モンスターが外に溢れると言うのは本当か!?」
「現状分かりません、ただ俺達はルキの言う事を信じます」
楓もうんうんと頷いている。
「何か対策はないんでしょうか? このまま何も出来ずに見ているだけなんて……」
斉藤さんは悔しそうに顔をしかめる。
「レベルとステータス、職業を解放してダンジョンで鍛えれば強くなります、常識では考えれない程に……」
「レベル? 職業? 〈天啓力〉の他にそんなものがあるのか?」
「はい、条件をクリアすれば解放出来ます」
俺は緊張しながら話を続ける。
「ただ、それをする事によって今以上に世の中が混乱しないか……と俺は考えてます。犯罪目的に力を使われたら、いくら〈天啓〉を持った人達でも太刀打ち出来ません、それ程レベルと職業は強力です」
「「……」」
日下部さんと斉藤さんは無言で俯く。額には汗をかいており、その量でどれだけ深刻なのか分かる程だ。
少しして日下部さんが口を開く。
「因みにそのレベル、ステータス、職業の解放条件とはいったいなんなのかな?」
「一度でもダンジョンに入ればレベルとステータスは解放されるの、後は紫がかった色の塔を攻略すればそこは職業を与える場所になるぞ、ただまあレベルも職業も無い人類だと、小さい塔でも戦闘に特化した者達でもない限り、なかなかクリアするのは難しいけどの」
ルキが横でこっそり収納魔法から取り出したロー○ルさわやかを飲みながら答える。
「火器等を持ち込んで物量で攻略する、と言う事は出来ないのかな?」
「なんか人類が科学を使って生み出した武器は一切塔では使えなくなるみたいなんです……そうルキが教えてくれました」
「じゃの、弓とか槍とかなら使えるが“じゅう”とかいうものはまず使えんじゃろの」
「なんだって!? なるほど……だから海外の軍隊は塔内で機能しなかったのか」
日下部さんは顎に手を当てて考え込む。
俺は意を決して口を開く。
「それで日下部さんと斉藤さんの許可が出れば、俺達がここから1番近くの職業を解放出来る塔を攻略しようかなと思っています」
「ルキちゃんも私達なら大丈夫と言ってます」
日下部さんと斉藤さんが戻って来る間、俺達が話し合った結果、楓も攻略に賛成だった。
「えっ!?」
「君達が!? 待ってくれ、それは危険じゃないのか!?」
余程ビックリしたのか日下部さんが勢い良く立ち上がって椅子が倒れる。
「す……すまない。取り乱してしまった。ただ現状私達は何も出来ないんだ……。何かしてあげたくても組織として動けない、本当に悔しいが対策を取るにはまだまだ時間がかかる……」
「だったら解達と塔を攻略してお主が矢面にたてば良いのじゃないか? 何か新しい組織の頭になるのじゃろ? 先陣を切れて丁度いいのではないか?」
「「「「えっ……?」」」」
ルキはまたいつの間にか収納魔法から出したであろう差月ヶ○煎餅を食べていた。
てかルキの奴、さっきの話こっそり聞いていたな?
■作者コメント
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