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3話:村人の異様なノリ


「・・・リン。 何してるんだ?」


目が覚めた俺 目の前にあるのは・・・・・・・・・うん。



おとぎ話とかでよく見る・・・。



大きいなべに紫のスープ。


スープの中にはカエルやら蛇やらトカゲやらヤモリやら・・・。


わかりづらいか? じゃあ短くまとめるぞ。



悪い魔女がかき混ぜてる 魔法の薬。



こんなもんだろ。



「薬・・・作ってる・・・。」


やっぱり毒薬か!!! ・・・失礼・・・。


「本当に薬か? 飲んだら死んだりしないよな?」



リンは少し黙る・・・。



「たぶん・・・死なない・・・。 あなたなら・・・大丈夫・・・。」




あなたなら死なない=俺以外死ぬ?


何人に試したんだお前!!!何人犠牲にした!!!


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。



「俺も死ぬぞ! さすがに死ぬぞ!!!」


「・・・・・・・・・・・・・・・・・・。」


じーーーーーーーっと俺を見る。


「黙って見ていて」 そう言ってるような・・・。 まぁ・・・予想だがな・・・。



[グツグツグツグツ     グツグツグツグツ     グツグツグツグツ    ]


かれこれ3時間ぐらい煮込んでます。


「もう・・・いいかな・・・。」


メチャクチャ不安。 本当に死なずに済むか?




もし死んだらリンは殺人犯になるのだろうか・・・。


いやいや、俺はもともとこの世界に存在してないわけだから・・・別にいいのか。


・・・よくねぇ!!!  ・・・なにがしたいんだ・・・俺・・・。




「これ・・・飲んで・・・。」


「・・・あ・・・あぁ・・・・・・。」


うわぁ・・・予想以上の紫だ・・・。




俺は怪我とかしてないんだけどなぁ〜。


あいつなりに俺を心配してんのか?


飲むべきか飲まざるべきか・・・。




あいつの想いを尊重して飲むか・・・。(逝くか・・・。)


俺の命を尊重して断るか・・・。



いやいやいや・・・さっき飲むって言っちゃったな。


頭の回転が遅すぎる!!!俺!!!



「・・・・・・・・・??? どうしたの?」


メッチャ見てる。 ・・・・・・覚悟を決めるぞぉぉぉぉぉぉおおおお!!!


「[ゴクッ ゴクッ ・・・・・・。]・・・・・・。」


・・・・・・・・・。死。





「・・・大丈夫?」



「・・・・・・大丈夫なわけないだろぉぉぉぉぉおおおおおがぁぁぁぁぁああああああああ!!!!!!!!!」


花畑とでかい川が見えたぞ!!!


もうすぐであの世に「逝ってきま〜す」 になるところじゃぁあぁあああぁぁぁぁぁあああぁ!!!



「元気に・・・なった・・・。 よかった・・・。」


・・・喜んでる? 微妙に微笑んでるな・・・。


昨日の 俺の名前事件 とは違う笑いだ。・・・と俺は信じたい。



「ねぇ・・・・・・?」


俺の名前を呼びたかったらしいが・・・忘れちゃったからなぁ・・・。


「どうしたんだ?」



「村の人に・・・あなたを紹介したい・・・。」


「・・・・・・いきなりかい!!!」




急展開が多すぎるだろ!!!


せめて「今からこうゆうこと言うよ」アピールしてくれよ!!!


環境対応能力が高い俺でも対応しきれねぇよ!



・・・・・・・・・本当にすまない。 俺は誰に喋ってんだ? 誰か教えてくれ!!!







    【とりあえず村長の家に行ってみました】



「始めまして、この村の村長をしている シン といいます。」


「ほぉ・・・村長にしては結構若いんだな・・・。」


失礼だろ!俺!!! は置いとこう。うん。



村長は俺が思うに 22、3 ぐらいの奴だった。


俺より若いのに村長とは・・・なんとゆう奴だ・・・。




・・・誰か俺の年齢聞いてる? そんな気がするな・・・。


俺は25だ。ったんだよなぁ・・・。 今も25でいいのか?


もしかしてもしかしたら 225? どんな長寿じいさんだよバカ・・・。



・・・誰に喋ってんだよ・・・俺・・・。 いや・・・本当に・・・。




「村長といっても名前だけですよ。 やってることは皆さんとあまり変わりません。」


爽やかな青年だ。うん。 笑顔が輝いてやがる。


・・・俺がオヤジなだけか? ・・・違う! 違うんだ!!!



「畑耕したり・・・。 街に物を売りに行ったり・・・そんなとこか。」


「まぁそんなところです。 あ、お名前はなんと仰るんですか?」


「俺か? いや、俺しかいないか・・・。」



もう 「忘れた」 はダメだな・・・。


カッコイイ名前・・・ カッコイイ名前・・・ 


その前にホントの名前を思い出せ!俺!!!



「? どうかしましたか?」


タイムアップだ!チクショウめぃ!!!



「あ〜・・・うん・・・・・・ジャックだ・・・よろしく・・・。」


世界中 すべてのジャック君・・・すまない・・・。


できるだけカッコイイ名前で 世界に3人ぐらいしかいない名前を考えたんだが・・・。


思いつかなかった。 許してくれ・・・。



「ジャックさんですか・・・。これからよろしくお願いします。」


笑顔で返される言葉。


嘘を言ってしまった自分が恥ずかしい・・・。



「村人・・・集めてきた・・・。」


リン!!! いつもイキナリ出てくるな!!!



「それでは・・・行きましょうか。」


「そこまでしなくてもいい気がするんだがなぁ・・・。」



頭を掻きながら 外を出る。



「・・・人が意外に多いな・・・。」


見渡すかぎりの 人! 人!! 人!!!


名前がない=小さい村 じゃないのね・・・。



「新しく、ここで暮らすことになったジャックさんです!」


ここは学校か! 転校生の紹介みたいになってるじゃねぇか!!!



「・・・よろしく。」


恥ずかしい。 普通に恥ずかしい。


まさかここまで緊張するとは・・・。



「ねぇねぇおっちゃん!」


「俺はまだ25だ、お兄さんと呼べ。」


『えぇぇぇぇぇえええええええええぇぇぇぇぇえええぇぇぇええぇぇぇぇぇえ!!!!!!』



村中に村人全員の 驚きの声 が響く・・・。



「俺ってそんなに老けてるか?」


とりあえず村人全員に聞く。



『老けてる!!!』



口をそろえて言葉を返してくる。



「・・・村人に言われるのはまだいい・・・だが!!!


なぜリンまで驚く!!! お前が驚くのはおかしいだろ!!!」



まさかの裏切り。



「25・・・ありえない・・・。」


「今のは軽くショックだ。」


そんなやりとりをしたあと


村人含め全員で笑いあう。



「おもしろい奴だなぁ。 こんど一緒に酒飲もう!」


「酒飲めないんで、やめときます。」



『えぇえええぇぇぇぇぇぇぇぇええええぇぇぇえぇえぇぇえぇぇぇぇぇ!!!!!!』



なんだ? 酒が飲めない奴ぐらいいるだろう。



「いやぁ・・・にぃちゃんから誘ってきそうだぜ?」


「人を見かけで判断するなぁぁぁあああああぁぁ!!!!!!」



また全員で笑いあう。


もう疲れた。 いつまで続けるきだよ・・・。






結局 夜まで続いた。







「にぃちゃん! 明日からウチで働かねぇか?」


さっきの 酒おじさん が話しかけてきた。


「どんな仕事だ? なんでもするぞ。俺は。」



俺の生きがいは仕事だからな。


・・・明らかな嘘だ。 仕事が好きなわけあるかぁ!!!


誰かが 「第一印象は大事だよ」 って言ってたはず。


俺はそれを信じてる。



昨日の夜から思うが・・・。


俺の言葉遣いが荒くなった?


実感なしじゃコンニャロウ。



「俺はフレディ。花屋をやってんだ。 


そんでにぃちゃんに頼みたい仕事はな・・・・・・」



ごついおっさんのくせに花屋かよ。


しかもフレディって・・・。



「よく聞こえない。 なんて言った?」


「だからな! ゴニョゴニョゴニョゴニョ・・・。」


「・・・ふざけんな変態エロオヤジ。 殺すぞ!」


「頼むよにぃちゃん。 な?助けると思って!」



この変態エロオヤジが・・・。


なかなか話が合いそう とか思った自分がバカみたいだ。


ホントに殺すぞ 糞オヤジ。


今俺は 本当に怒ってます。


人を見る目がない 自分に怒ってます。



「その仕事・・・引き受ける・・・。」


「リンちゃん! ありがとうな!」


「・・・って ちょい!ちょい!ちょい!ちょい!!!


なに勝手に話し進めてやがる!!!」



「可哀相・・・手伝ってあげて・・・。」


無口の女の魔力ってやつか?


一言一言にすごい重みがある。


断りたくても断れない。 そんな魔力を持ってやがる!



「絶対に断「お願い・・・。」チクショゥ・・・。」


俺には無理だ。


あいつの魔力はありえないくらい大きい。


断れねぇよ・・・。 あのオヤジだけだったら断れた だが!


リンが出てきたら・・・ 無理。



「にぃちゃん! じゃあ明日な!!!」


上機嫌のオヤジ 殺してぇ・・・。


「リンのバカヤロウ・・・・・・。」


「いいことしたから・・・笑って・・・。」



笑えねぇ・・・。


絶対笑えねぇ・・・。


明日なんかこないでくれよ・・・。


あのオヤジを呪い殺したい気持ちでいっぱいだぜ・・・。






泣けるぜ・・・。



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