表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

2/3

ゼロド

次話を読んでいただきありがとうございます。


ゼロドとなった彼は、これからの事を


 それから六ヶ月、ジャンから機神人類のゼロドになった男は、機神伯爵フィアンマの邸宅で調節を終えていた。

 ゼロドは、機神を取り出す。

 右腕から機神が出現、それは白い装甲の翼を備える鎧の巨人、機神だ。

 自在に機神を出せるようになったゼロドの隣に、機神伯爵フィアンマこと、ナカタは拍手して

「素晴らしい…そこまで制御できるなら、心配はない」


 ゼロドを自分が具現化させた機神を背に

「しかし、信じられません。自分の…その…王国と帝国は、緊張関係で。それが…」


 機神伯爵フィアンマは肩を竦めて

「国とは一長一短ではないのだよ」


 そこへ、一人の女性が近付く。フィアンマの妻アリシアだ。

「アナタ…お父様が…」


 アリシアが向いて示すテラスのテーブルに、アリシアの父親の帝国陸軍少将のガジリットの姿があった。


「行こう」とフィアンマはゼロドに妻アリシアと伴って、ガジリットのテーブルに来る。


 ガジリットは立ち上がり

「見事な機神だ。先程から見せて貰って、その実力を確認させて貰ったよ」


 フィアンマはお辞儀して

「ありがとうございます。義父様」


 ゼロドがガジリットを見つめて

「信じられません。帝国の少将が…王国の平和を…」


 ガジリットはフッと笑み

「軍人だからといって戦争を好むのは、大きな間違いだ。何時だって戦争を好むのは、愚かな支配欲と強欲に取り憑かれた者達が始めるのだよ」


 ゼロドが不安な顔で

「でも、自分にそんな大役が務まるのでしょうか?」


 ガジリットは、肩を竦めて

「君には、それを成し得る力が宿った。それには意味がある」


 ゼロドは頭を掻いて渋い顔で

「前まで、ただのポーション職人が、いきなり、世界を動かす影の仕立て屋になれって…」


 フィアンマが首を傾げ

「そうかな…君には、その素養がある気がするよ。勤勉だし慎重だ。見極めようとする姿勢がある。それは一番大事な長所だと思うよ」


 ゼロドは渋い顔で

「生兵法ですよ。一人でそういう政治や科学に、魔法技術、心理学と、色んな本をかじった門外漢です」


 ガジリットが

「どちらにせよ。君は王国側の人間だ。都合が良い…それだけだ」


 ゼロドが溜息を漏らして

「過度な期待をされても答えられませんからね」


 フィアンマが

「その冷静な判断が出来るだけ十分だ。では…現状の報告だ」

と、ポケットから縮小させた魔法地図を取り出してテーブルに広げる。


 その地図は、帝国と王国の堺を示したモノだ。


 ガジリットが、王国側を指差し

「現在、帝国のとある貴族の私兵が、王国に侵入。王国を装って、帝国に侵攻するプランが始まろうとしている」


 ゼロドが

「それを自分が防ぐのですね」


 フィアンマが

「いいや、違う。君は、その偽装した帝国貴族の私兵に、君の機神を提供して、ある程度、この山まで、侵攻を成功させろ」

と、その侵攻先にある帝国領地の山を示す。


 ゼロドは顔を引き攣らせて

「えええ…そんな、でも、えええ?」


 ガジリットは

「まずは、君を王国内部に食い込ませないといけない。無論、侵攻した領土は、帝国が全力を持って取り返しにくる。その時は、直ぐに撤退しろ」


 フィアンマが

「そこでの領土争いはそれで、一時的に収まるが…王国は、機神を作れる君を必要とするだろう。そこが狙い目だ。まずは、帝国独自の兵器、機神が…王国でも作れるようにする事が、最初のステップだ」


 ゼロドは肯き

「分かりました。で…利用した私兵達は…?」


 ガジリットが

「君の一存に託す。偽装の私兵達は…十代後半の若造達らしいからな」


 ゼロドは、腕を組み渋い顔で

「使い捨てるも、使い残すのも好きにせよ…ですか…」


 フィアンマが

「残して使えば、帝国にとっても面白い事になるから…良いんじゃないかね」


 ゼロドは「はぁ…全く…」と溜息を漏らした。

次話もよろしくお願いします。

ありがとうございます。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ