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ルームシェアin僕の目  作者: ムラサメ
8/11

8話 癒着

すぐにそのまま白い部屋のソファに寝かされた。

『オレ様に任せておけ!まぁ大家さんは、ここから高みの見物をするが良い!』

ガルはそう言い、部屋のカーテンを開けた瞬間、明るい光が差し込んできた。

そして外の景色も一緒に…ニタニタした蟷螂顔が見下ろしている姿が…


『ぎゃぁぁぁーっ!』ってあれ?

外の音が聞こえない。まるで静止画みたいだ。

『ここは大丈夫だ。あと数分はな。』


そうか…僕は自分の目の中から見ているのか…。


『おっしゃー!行くってくるぜ!!』

ガルは部屋の橋にあるはしごを上って行った。


『はしご!?』

よく見るとロフトの様な作りになっている。

おいおいコイツいつの間に俺の体を改造したんだ?ちょっと登って覗いてみると、2階は黒い部屋になっており、中央のコックピットのような椅子に座っていた。

うん!何も見なかったことしよう。そそくさと白い部屋に戻る。


『うぉぉぉー!!何も見えねー!!』

叫び声が聞こえた。

ドタドタドタッ

慌てて凄い勢いで降りて来た。


『ダメだ!見えねー!力が足りないせいで操れるのは、体の一部分位だけだ。どうする!?』

おいおい勇ましく行った割にもう詰みかよ!


ドゴッ

部屋中が揺れる。

地震か!!二人は壁に吹き飛ばされる。

窓を見ると、外で体が地面とキスをしていた。

やばい!このままだと確実に死ぬ!!


『しゃあぁねぇ!!!魔核の力が落ちるが、仕方ねぇ!!!』

えっと思った瞬間、ガルは右目の頬骨あたりに左手を掛け、ビキビキと自分の顔を引き裂き始めた。

なんと右目を含む顔の三分の一を切り離してしまった!えぇー!!!

驚きは止まらない!そのままそれを僕に頭の右側に被せてきた!ジュワァァァまるでミミズと癒着していくような感覚が続く…。

うげぇ気持ち悪いよ!!

『人が命を賭けて昏核を分けてんだ!文句言うな!!』


ある一瞬を境に違和感を何も感じなくなった。

何度も瞬きをしていると、馴染んできたのか今までよりも視力が格段に良くなったようだ。

ただし右目だけ…。

これじゃ完全なガチャ目じゃないか…。


『左目を閉じろ。よしっ閉じたな!』

急にガルが指示を飛ばしてくるのに、応じる。

『よし、こっちの左目と繋がった。』

どういう原理だ?どうやらガルの左右の目は、連動しているようだ。

というか、ガルは顔が三分の二しかない状態だが大丈夫なのか?


『これで戦えるぞ!!』

本人は元気そうだから、大丈夫なのだろう。


ドゴォォォン!!前回よりデカイ地震がやってきた。僕は天井に叩きつけられてるのに、ガルはよろめきながらも身軽に2階に登って行った。


窓の景色が今度は天井だ…。

白い部屋の壁も大きなヒビがいくつも入っている。

やべっ!もしかしてこのままだと体が持たずに、死ぬんじゃないか?

下手したら、勝っても死ぬ…。

このままでも死ぬ…。


『カス魔界人!よぉく見とけ!!』

僕の絶望も知らずに、ガルは今までで一番楽しそうに叫んでいた。


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