4話 大家さん?
「お、大家さぁあん!!?」
思わず素っ頓狂な声を出してしまった。
コイツ何言ってんだ、いつから僕が大家さんになってんだ。
『昨日から引っ越したからよ。まぁ人間で言うところの引っ越しの挨拶ってヤツだ。』いけしゃあしゃあと棒人間は踏ん反り返りながら言った。
「………」絶句した。
「おい!それ引っ越しというより不法侵入だぞ!
大体僕は認めないぞ!とっとと出て行け!!」
『それは出来ない相談だな。』
いきなり絶望に落とされたっ!?
「何でだよ!虫だったら外で生きていけるだろ!」
『だから虫じゃねーって言っただろ!ましてやオレ様を虫と一緒にするな!!』
なんか滅茶苦茶怒っているらしい。
「オレ様って言ったけど、一体オマエ何様なんだよっ!」
『よくぞ聞いた!聞いて驚くなよ。オレ様はな!
魔界の大帝王ガルファンド様だっ!!!』
「………」
『フフン驚いたか??』
「………誰?」
『なっ!!………』
その場を沈黙が支配した…。
「よく分かんねぇけど、出てってくれないか?」
『…まぁオレ様を人間の下っ端のオマエが知らなくても仕方がないか。まぁ訳あってオレ様は力を失っていてな。外に出るには力の回復が必要なんだ。』
「まさか、力を取り戻すまで此処にいると?」
『そういうことだ。早速理解してもらえて嬉しいよ。
そういうことだ、よろしくな大家さん!』
「………なっ!!」
まさかの絶望の二度づけだった。