1/11
0話 始まりの結末
地上から遥か上、雲の上には二人の影が映っていた。
「己の愚かさを悔いるが良い!ガルファンドよ!!
今こそ魔界の大帝王が消える時だ!!!」
真天使騎士団大団長キルファスが叫ぶ。
「ぐぬぅ、真の力があれば負けはしないものを!」
ガルファンドも応じるが、声に張りがない。
「ふっさらばだ!ガルファンド!!!」
『カッ!!!!』
キルファスの掌が眩く光り、次の瞬間、大出力のレーザーがガルファンドに浴びせていた。
「グゥギャァァァァ!!!」ガルファンドの悲鳴と同時に体が凄ざましい勢いで消滅していく。
「うぬぬぬっ最後の力で…」
「ふっ許さん!消えろガルファンド!!」
最後に光が膨れ上がり、全て終わった事を告げる。
消滅を確認したキルファスは満足気に背を向け、天界に飛び去っていった。
塵が一つ地上に落ちていった事を知らずに…。