影、祓い屋、そして狐。1-6
最近、体調崩したり、忙しかったり色々あったので更新が出来ませんでした…
続きを楽しみにしてくれた人を長い時間待たせてしまいました…申し訳ないです…
少し短めになってます……いい感じにきりが付いたので……
※5月12日 加筆修正……流れが若干変わってます。
やっと1-7の執筆ができそうです……
穢れ、祓い屋……
それにおじいちゃんや青山さんはその祓い屋で……
これは本当に現実なのか?やっぱり夢なんじゃ……
そう考えてしまいたくなるが、あの時の肩の痛みを思いだす。穢れに取りつかれ、常人ではありえない力で殴られたあの痛みは絶対に夢ではない。
おじいちゃんが伝説の祓い屋……
それをスっと受け入れられたのは、まだ何も状況が理解出来ていないせいで現実感が無いからかもしれない。
でも、それを聞いて俺はおじいちゃんが時折見せたどこか遠くを見るような物憂げな表情を思い出した。
今思うと、あの表情の奥には深い悲しみがあった気がする。
ひょっとすると、ものすごく大きな何かを、たった一人で抱えていたのかも……
それを皮切りにどんどんとおじいちゃんとの思い出が蘇ってくる。
◇
おじいちゃんはとても優しい人だった。
まだ俺が小さい頃、おじいちゃんは俺とたくさん遊んでくれた。
川へ行って釣りをしたり、森を歩いたり……とても、とても楽しかった思い出。
俺は……おじいちゃんが大好きだった。
でも、人にはいつか命が尽きるときが来る。
おじいちゃんは、俺が小4の時に亡くなった。
俺は悲しくて、寂しくて……忘れたいと、忘れようと、思い出さないようにしていた。
いつしか俺は、本当に忘れてしまって……
◇
「新君?」
「えっ?あぁ……なんでもない。」
いつもなら明るく、穏やかなBGMの流れている店内だが、営業時間を過ぎている今はとても静かだ。
電車の通る音。
バイクのエンジン音。
どこか遠くからは救急車のサイレンが聞こえてきた。
「なぁ……今日はもう帰ってもいいか?」
きっと、今の俺は説明されてもちゃんと理解できないだろう。
だから、1度自分の中で整理する時間が欲しかった。
「でも、新君はもう穢れと無関係じゃないんだよ?穢れについてきちんと知っていてもらわないと新君の身が…」
「詞希君」
また青山さんが彼女の言葉を遮り、続けた。
「彼には時間が必要なようだ。こちらの世界について彼に教えるのは、明日にしよう」
そして青山さんはこちらを向いて微笑む。
「でも…新君はもうあの穢れに狙われているんですよ?何も知らないでもし襲われでもしたら……」
彼女は俺を本気で心配してくれているようだ。
青山さんは少し考えて
「ならば詞希君、君が彼を守ってあげなさい。それでいいだろう?」
「えっ?でもそれは流石に……」
彼女には彼女の予定があるだろう。それは遠慮しておくべきだ。
「そうですね……確かにそれがいいかもしれませんね」
「えっ!?」
「それじゃあ、新君、君を家まで送っていくね。今日からあの穢れを討滅するまで、私が君を守ってあげる」
「え? あぁ……え?」
こうして、俺は夜道を女の子に守られながら帰ることとなった。
……女の子を守るのが男の役目なんだけどな……
結局、俺の家までの帰り道、彼女とは何も話さなかった。
……俺のコミュ力の低さを恨んだのは言うまでもあるまい。
正直この先の展開を迷ってます……
文章の神様は気まぐれなのです……