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影、祓い屋、そして狐。1-5

とっっっってもお待たせしてしまって申し訳ありませんでした…

少々体調を崩したり、課題に追われたりと、なかなか書く時間が取れませんでした…

毎日は厳しいですが、これからはきちんと更新していきたいと思います…


※4月14日 誤字修正&微妙に加筆…確認がざる過ぎました…

 5月12日 誤字修正etc. 

 入り組んだ路地を彼女の手を引いて迷うことなく走り抜ける。

 意地でも近道したくて、何度も何度も迷ったことが、まさかこんなところで役に立つとは……

 

 喫茶ブルーマウンテンの前に来た時には、完全に追っ手を巻くことができた。


 「とりあえずここで匿ってもらおう」


 俺は彼女に声をかけた。すると彼女は少し苦笑いを浮かべて


 「……えっと……すごく言いにくいんだけど……」

 「何?」


 「……私たちの目的地って……ここなんだよね……」


 ……うん?


 「待って。今なんて?」



「ここが目的地」


「……」

 


 もう、何も驚かない。

 都合よすぎだと、逆に呆れるくらいだ。

 

 


 ここが目的地ということは、彼女は青山さんの知り合いなのか?


 ここには週に二三回ほど通っていて、時には毎日来ることもあったが彼女を1度もここで見たことがない。

 これだけ足繁く通っていれば、同じ常連のやつは覚えるし、逆に新しい人はそれで印象に残るので間違い無いはずだ。


 「今、君は私をこのお店で見たことないって疑問に思ってるよね。大丈夫、それも、君がさっきから抱えている疑問も全部説明できるから。」


 彼女はすべて見透かしているかのように微笑んで言った。


 「はあ」


 俺は間の抜けた返事しかできなかった



 色々あってものすごく長い時間が経った気がしていたけれど、よく良く考えれば、2時間ほど前にはまだここにいたんだよな……

 たった2時間で俺の人生が取り返しのつかない方向に進み始めてしまった気がする。


 喫茶店の閉店時間は夜8時、鍵がかかっていないか不安だったが、扉は抵抗なくすっと開いた。


 チリンチリン

 

 扉の上部についているベルが鳴る。

 閉店時間を過ぎているので、真っ暗な店内を想像していたが、照明は普通についていて、青山さんはいつものようにカウンターに立っていた。


 「おや? 新君。もう閉店時間を過ぎているよ? 忘れ物でも……」

 

青山さんは俺の後ろから彼女が入って来たのを見てすっと目を細め

 

 「……なるほど、何となく事情の察しはついたよ」


 青山さんは拭いていたカップを置き


「この時間、そしてただの喫茶店のマスターでは無い私には初めましてだね、新くん」


 そういって微笑む


 「えっと……ってことは、青山さんは祓い屋?」


 ならば彼女が知り合いであることも説明がつく。


 「そう、青山さんは私たち祓い屋の中でも特別な祓い屋の1人で、今はこの喫茶店で祓い屋達のサポートをしてくれているの。」


 彼女は続ける。


 「情報を集めて教えてくれたり、ただの武器に紋章を刻んで、穢れに攻撃できる武器を作ってくれたりしているんだよ。」


 青山さんの代わりに彼女が答えた。


 「そんなに大層なものでは無いよ。私は……いや、なんでもない。新人祓い屋の教育なども、今の私の仕事だよ。それで、私に何の御用かな?大体察しは着いているけれどね。」


 青山さんは、ふふふ、と笑顔を浮かべる。

 何か隠し事をしている時、いつもこんなふうに笑う。

 無理に詮索するつもりもないので、俺も笑顔を返して流す。

 

 俺と彼女は青山さんの正面のカウンター席に座った。


 「青山さん、彼に穢れとかの説明を……「そう焦るものでは無いよ。君たち、お互いに自己紹介もしてないだろう? まずはそこから始めなさい。」


 青山さんが彼女を遮って言った。


 そうだ、名前が聞きたかったんだった。危うく忘れるところだった。

 

 「……そういえば……いろいろあったので完全に忘れていました……」


 彼女は座っている椅子を回転させてこちらに向き


 「わたしの名前は、神谷 詞希(かみや しき)です。まぁ、すでにご存じかと思いますが、祓い屋です。高校2年生で、君と同じ高校に通ってます。クラスは5組です。これからよろしくお願いします……はい、君の番。」

 

 かみやしき。しっかりと覚える。


 語呂がいいので覚えやすいと思ったのは秘密だ。


 同じ制服を着ているのに校内で会ったことないなと思ったら、クラスのある階が違ったようだ。

 いくつも科を持つ俺たちの高校では、科によって受ける授業が全く異なる。

 特に1階と2階では進学系の科と実技系の科で分かれているため、移動する際にも会うことはほぼない。


 次は俺の番だ。

 俺は意味もなく咳払いをしてから名乗った。


 「あー……俺の名前は神代新。俺も2年なんだけど……部活は何もしてなくて、よくここのカフェに友達と入り浸ってる。と、こんな感じの何の変哲もない普通の男子高校生です。クラスは2組。」


 名乗り終わって彼女を見ると、彼女は大きく目を見開いて俺を見ていた。

 「神代って、まさか……! 青山さん、ひょっとして彼は……」


 え……? 何か問題があったのだろうか……?

 あれか、呪われた血筋とか過去の因縁……な訳ないよな……


 青山さんはうなずいてこう答えた。



 それはある意味、俺の想像を超えていたし、衝撃的な内容だったけれど、なぜかスッと受け入れられた。


 

「彼は…あの()()()()()()の…神代孝介(こうすけ)の孫だよ」



 

 

おじいちゃんは最強だったようです。


いつかおじいちゃんの戦いの話も書きたいものです。

それよりも早く1章終わらせたい…長い(´・ω・`)

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