第01話 人生とは
ーーキーンコーンカーンコーン
とある学校のチャイムが鳴り響く。
「やっと帰れる〜」
「今日さ駅前に新しくできたカフェ行ってみない?パンケーキがすっごく美味しいんだって!」
「金欠だしバイトでも始めようかな〜」
授業から解放され教室の中が騒がしくなるが、一人黙々とゲームをやっている男子生徒ーー
「おい、黒木進路調査表まだ出てないぞ期日は今日の放課後までだからな、忘れてんのか〜?それと、ゲームなら家でやれ!」
「先生、今の時代ゲームでも勉強出来るんですよ?」
「話を逸らすな進路調査表を提出しろ」
「すいません、直ぐに提出します。」
ーークスクス
「あいつゲームの事となると喋り出すよな普段は無口なのに(笑)」
「仕方ないじゃんゲームが友達なんだから失礼だよ」
「それもそうだな」
ーー言いたい放題だな…まぁ、お前らみたいな人種と今更話す気も無いんだが。速攻で終わらせて帰るか
ーー1時間後ーー
「ありえねー、まだ1学期なのになんであんなに執拗に訂正させられるんだ?嫌がらせか?まぁ、終わったからよしとするけど」
納得のいかない様子で急いで靴を下駄箱に入れ下校する
いつもの通学路を歩き家に帰る、横断歩道に差し掛かり青になったのを確認し渡りきる。
ーーあれ、そういえば今何時だろう…うん?携帯、携帯っと…ない、あれ?嘘だろ学校かよ…仕方がないが戻るか
横断歩道の信号が点滅する
ブウウウウウウウウウウーーーンッ
少し離れた場所から激しい車のエンジン音が聞こえる
ーーうおっ、赤になるじゃん
エンジン音が先ほどより近くに聞こえる
ーーえ?
気がつくと車のヘッドライトがこちらを目と鼻の先から照らしている、やたらとクラクションが聞こえる。運転手は相当険しい顔をしいたーーキキーーーーッ、ゴッッ!!!
ーーう……ん……?……やけに騒がしいな……身体中が痛い……
青年を囲む様に人集りができている
ーーそういえば俺轢かれたのか……あ、さっきの運転手さん焦った顔で電話してるな……そして何だこの人集りは?……おいそこのJK共写真なんか撮ってんじゃねー!……ダメだ声も出ない……それに体があちこち痛かったけど段々痛みが引いてきた……何だか凄く眠くなってきたな。
静かだ、これが走馬灯ってやつか……色々とやり残したことあるんだけどな…あのゲームのエンディングはどうなるんだろう?……ってこの状況でもゲームのことかよ!もっと別にあるだろ!思えば色恋沙汰も俺の人生にはなかったな。と言うか友達と呼べる奴も果たしていただろうか……最後に口聞いたの誰だっけ……母さん。呆気なかったな、俺の人生……
目頭がうるうるしてくる……別に泣いてはいないよ?ただなんかもうちょっと生きてたら今の自分を変えれてたのかな?まぁ、もう遅いけど……
ーー来世では友達100人できます様に
辺り一面が白で覆われていく




