※ 未知のウイルスで男が俺以外全滅したようです ~世界中の女性が俺の精液で受精させてくれと懇願する話~
NiOさん初の、ハーレム小説。
ハーレムとか読んだことないけど、多分こんな感じですよね!
精液、孕ませ、男性差別、女性差別的な発言がガンガン出ますが。
気にしない方だけ、お読みください。
そういえばNiOさんに珍しい、男主人公モノですね。
では、どうぞ~!
【あらすじ、お話し→お話】 俺の名は蛍野ひかり。
引き籠ってかれこれ20年以上になる、イケイケの45歳だ。
父親も母親も既に死んでおり、金持ちだった彼らの残された遺産を食い潰して生きている。
食事は1日1食、amaz○nで注文して食べている。
届けられた食事はマンションのコンシェルジュが直接俺の部屋へとinしてくれる。
お陰で誰とも顔を合わさずに済むって寸法だ。
そんなに引き籠って何をしているかって?
別に何もしていない。
大体ネトゲ、もしくは寝ている。
あとは、たまに自慰ネタを探してネットサーフィン。
暇潰しに大忙し。
そんな日々を送る毎日だった俺に。
……まさか、あんな転機が訪れるなんて。
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その日の俺は一日中ネトゲをしていた。
つっても、人と話すのはめんどくさいので、大体がソロプレイ。
まさか倒せると思っていなかった超大物を単独撃破できた俺は、その日めちゃくちゃテンションが高かった。
そんな状態でダラダラ街を歩いていると、やたら可愛いキャラを発見。
いつもはしないことだが、気分が高揚していた俺は、思わず話しかけてしまった。
「あの、すいません、お願いが」
『なにかな』
「見抜きさせてもらえないでしょうか……?」
因みに『見抜き』とは、女性キャラクターなどを見てヌく行為である。
オンラインゲームをやっていたら、誰でも知ってる単語だ……たぶん。
親しくもない相手にいきなりこんな単語ぶっこんで大丈夫だろうか。
俺がドキドキしながら彼女の言葉を待っていると。
『見抜きって、何を見抜くの?
どういう意味??』
……え?
まさか知らない奴がいるとは。
これ、むしろ教えておいたほうが親切だろうか。
「見抜き≒4545して精液をペットボトルに詰める簡単なお仕事をすること」
なんだか面白くなってテンションのおかしな返信をする俺。
『なにそれウケるw
きみ、ちん○ん付いてるの?ww
精液入りのペットボトル、送ってくれるならいーよwwww』
おかしな返信が来た。
どうやら、下ネタokらしい。
「送る送る。
単位はガロンだけど、良い?」
『ガロン?』
「1ガロン≒3.8リットル」
『救世主きたww』
なんだかノリノリだなぁ。
救世主の意味がわからんけど。
『え、兄さんおもろいねww
まじで男みたいwww』
「ごわす!」
『ごわすかww』
良くわからないけど、この子は本当に女の子っぽいな。
んで、何故か俺を本当の男と思っていないっぽいぞ。
「ふぅ……」
『いつの間にww
見抜かれたwww』
「2㏄もいかなかった……」
『ガロンで出せガロンでww』
久しぶりのコミュニケーションで少し楽しくなってきた。
「女子がここまで下ネタについてこれるとは思ってもみなかったわ……」
『えははww
え、兄さん、マジモンで男?wwww』
「ここ20年引き籠もりの をぢさむ だよ」
返信、と。
……あれ。
返信が来なくなったぞ。
流石に小父さん宣言に引いたかな……と思っていたら。
『〒※※※-※※※※ ※県 ※市 ※町 ※※の※』
……突然、住所が、送られてきた。
『お兄さんが本当に男だったら』
「うん」
『精液、送って。
いやマジで』
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テンションのおかしかった俺は、彼女の言うとおりに。
ペットボトルに自分の精液を入れて、郵送することにした。
箱に詰め込んで住所を記載、コンシェルジュへのポストに投函するだけなので、やっぱり誰にも見つかることはなかったのだが。
その数日後。
「蛍野ひかり!
いるんだろう、出てこい!!」
……何故か、俺の部屋のドアをたたく人物が現れた。
こう言うキ○ガイは無視するに限る。
つい最近精液入りペットボトルを女性に配送した俺に言えたものではないが。
そんなことを考えていると。
チュイーーーーーーーーーン!!
……なんだアレ、チェンソーみたいな、円盤が回転して金属を切断するアレ。
アレが、部屋のドアからチラリと見えて。
掛かっている鍵に当たったかと思うと。
激しい火花を散らし始めた。
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突入した警察官に捕獲された俺は、そのままパトカーに連行され。
訳のわからない立派な建物の中に連れ込まれていた。
ど、どういうことだ?
「まさか、本当にまだ男が生きていたなんて……。
しかも不細工なオッサン……」
「ぷっ」
「ああ、おぞましい」
奥の扉から3人の少女が、何やら失礼なことを囁きながらやってきた。
聞こえてるっつーの。
「で、いったい何なんだ。
俺がいったい何をした」
心当たりはある。
例の精液。
本人が希望したとはいえ、あれ、犯罪と言われたらぐぅの音も出ない。
「貴方の送った、このペットボトル」
少女の1人。
長髪黒髪のスレンダーな美人さんが、俺のペットボトルを取り出した。
なんとも淫猥な光景だ。
「鑑定させていただきましたが。
間違いなく、精液でした」
……?
そりゃあ、そうだよ?
「……たぶんこのおじさん、にゅーすみてないよ……」
隣の、やたらロリロリした眠たげな少女が侮蔑したように俺を見ている。
「まさか、あの大事件を。
貴方は、知らなかったの……?」
更に隣の、金髪縦ロールのツンデレ風お嬢様が、目を丸くしている。
「え、まあ。
ニュースなんて、何年も見ていないけど」
俺の1言に少女たちはこれでもかと言うほどに驚いた後に。
「そうですか、では説明しましょう。
もう10年以上前になりますが。
未知のウイルスで、人類の男という種族は、全滅しました」
とても分かりやすく、説明してくれたのであった。
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18年前。
つまり、俺が引き籠り始めてから数年後。
地球を未曽有のウイルス・パンデミックが襲った。
それは、人類のY染色体を選択的に破壊するというもの。
結果、人類の男性のみが、地球上から絶滅したというのだ。
うん。
エロゲとかでありそう。
「もちろんパンデミックが落ち着いた後に。
貴方のような引き籠りの方が、出てきたりしたニュースもありましたが。
結局その日のうちに死にました。
ウイルスが、まだ蔓延していたのでしょう」
「だれも、がまんできなかった。
ひとりぼっちは、さみしいから」
「人類のY染色体を食らいつくしたウイルスが、食べるものを無くして完全に消え去ったという宣言がなされて3年。
生き残っている男性を捜索してはいるものの、今のところ貴方以外の男性は見つかっていませんわ」
ま、まじか。
まさかそんなことになっているなんて……。
「と、ところで、そんな話をするお前たちはなんだよ。
いったい、何者なんだよ」
「これは申し遅れました。
私は桜やよい。
日本国総理大臣です」
「日本国人類繁栄大臣、照山もみじ」
「日本国特級華族、星影さやかですわ!」
……此奴ら、思った以上に大物だった。
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「それで、人類最後の男が、俺である、と」
「ええ、そうなります。
助かりました、貴方がいてくれて。
日本国憲法第104条を制定していて良かった……」
日本国憲法第104条?
……いつの間にか、憲法が改正されていたらしい。
まじかよ。
「日本国憲法第104条?」
「にほんこくけんぽう だい104じょうの1。
ちきゅうじょうにだんせいがはっけんされたばあい。
にんしんかのうなじょせいは、ぜんいんにんしん、もしくはにんしんするどりょくをしなくてはならない、というほうりつ」
めちゃくちゃだ。
女性を産む機械としか考えていない。
しかし、この法律は、男性不在の中で。
女性が可決したことになる。
つまり女性しかいない衆参各議院の3分の2以上が賛成して。
女性しかいない国民の過半数が賛成したのだ。
「104条はある意味人権無視の法律ですわ。
これが無ければ、これから先、貴方の精子が受け入れられない女性もいるかもしれませんからね。
因みに、現れた男性が、ちゃんとした精液を提供できるかはわからないでしょう。
貴方のような庶民が、庶民相手ならともかく。
我ら華族や貴族の面々と、マトモな子供が出来るか甚だ疑問ですから。
なので私は、貴方と子供を成す最初の女性に選ばれましたの」
……つまり、本人の意思を無視して。
俺はいくらでも女性を孕ませることが出来る、というわけか。
そしてこの縦ロールはめちゃくちゃ高飛車だが。
結局俺とまぐわりたいわけだ。
「しかもこのウイルス、女性にも効いているみたいで。
例え女性が子を成したとしても、その子供は女性だということです」
「こうかがきれるのは、なんせだいかあと。
ほんとうに、めんどうくさい、ういるす」
「頭が痛いですわ……」
……なんだそれ。
つまり、生まれた子供も全員女。
男が生まれるのは、まだまだ先の話。
子供も俺の精液が無いと、次の世代を残せない、ということ、か?
「中年の臭いオッサンですが、いないよりはマシです。」
「かおをみなければ、なんとかなる、あと、はなせん」
「感激しなさい。
貴方程度の人間が、名門・星影家に遺伝子の一部を残すことが出来るのですから!」
3人が思い思いの言葉を吐いて、胸を張って大喜びしている。
……いやいや。
ここまで話が来たら、阿呆でも分かる。
ここにいる4人の中で一番偉いのは。
……俺、だぞ?
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「蛍野様の気分を害してしまい申し訳ありません。
どうぞ頭をお踏みください」
「う、ご、ごめん、な、さい、うう、う」
「け、汚らわしい星影血族の私めに、どうか蛍野様の、ゆ、優秀な精液を注ぎ込んでください」
俺は、全裸で土下座する3人の頭を順番に踏みつけながら笑う。
「そうだ、お前ら。
ちゃんと立場は分かっているのかンー?
我が名は、蛍野ひかり。
地球最後の男性にして、救世主。
言わば、アダムだぞ?」
平伏する3人を眺めながら満足した俺は、高らかに宣言した。
「よかろう、この日本、いや、この世界の女性!
全員孕ませてやろうではないか!!
ふは、ふは、ふはーっはっはっはっはっはー!!」
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カプセルの中に、四肢の無い男が横たわっていた。
男は鼻の管を通して、亜鉛を主体とした栄養剤が胃へと送られていく。
陰嚢に突き刺さったチューブから、定期的に白色の液体が吸引され、瓶に詰められ、冷凍されていく。
そう。
男は、俺だ。
こんな、非人道的な行為を日本で行えるなんて。
日本国憲法第104条。
その1があるなら、なぜその2がある事を考えなかったのだろう。
女性の議員と、女性の国民が考えた、非道な法律。
簡単に言えば。
もし、男性が発見された場合。
その男性には、精液を吐き出すための道具になってもらう、という法律だったのだ。
絶望する俺の脳波を読み取った測定器は。
髄液へ脳内モルヒネに似た毒性の無い麻薬物質を打ち込む。
同時に溢れ出す、多幸感。
「おめでとうございます。
貴方は間違いなく、人類のアダムですよ」
黒髪の少女が笑った。
「あなたのせいえきをつめたこびんは、せかいで1000まんえんとかのねだんがついている。
まちがいなくあなたは、にほんのきゅうせいしゅ」
ロリロリした少女が、笑った。
「星影家の威信をかけて、貴方には長生きをしてもらいます。
最終的には、脳味噌と精巣だけになってもらう予定ですが。
100年、150年……もしも男性が出現しないのであれば、200年でも」
金髪縦ロールが、笑った。
3人の少女が笑う中。
俺の感情を読み取った測定器は。
髄液へ脳内モルヒネに似た毒性の無い麻薬物質を打ち込んだ。
溢れ出る幸せな気持ちに抗えず。
少女たちと一緒に。
俺も、笑った。
みんな幸せ!
ハッピーエンド!
あ、一応、ちゃんとしたホラーも書いております。
お暇でしたら是非。
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