エセ女神の末路
「どうしてあいつは、あたしの言うことが聞けないの!観察してみたけどあいつは、ただのサブカルチャー好きの孤児よ。」
「お前には、そんな風にしか見えないのか?」
「えっオリアス様!?」
一人で愚痴を言っていた自称女神をオリアスと名乗る神が見ていた。彼は、祐太のいく世界の最高神と呼べる存在だ。
「全く、お前のやんちゃは、ほとほとウンザリしていたが、今回ばかりは、許せないどうしてあの子に我らの力を与えず、我らの支配下に置けなかったのか?」
「お言葉ですが、オリアス様。私はあの子を観察しましたが、普通の一般男性にしか見えませんでした。」
「お前の目は節穴か?」
「ど、どうしてそのようなことを言うのですか!?」
「では、聞こう。あの子の両親が亡くなった時の様子は見たのか?」
「そっそれは.....」
実を言うとこの女神、半ば職場放棄をしていて、第一印象で判断してその後は、遊び呆けていたのだ。人としても全くダメなのである。
「そうだと思って、観察をしていてよかったよ。取りあえずこれだけは言える。あの子は、我らが畏れ多いあの存在に気に入られる素質がある。」
「なんですって。」
「そしてその時がきた場合、お前の存在は消失するだろう。まぁ、あの子が言っていたエセ女神というのは実に正しい表現だ。自分の役目を全うせず。自分の欲望に忠実なお前は、もう女神でもなんでもないな。お前の存在が消えるその時まで、自由に過ごすがいい。」
実質、処刑つきのクビだ。その言葉にエセ女神は、驚愕し、これからの自分を想像し、考えることを放棄した。実に愚かで哀れなものである。