表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
THE TOWER OF PRINCESS タワーオブプリンセス  作者: 池田瑛
1章 冒険のはじまり
8/72

6 誰が為の剣

 俺が、オズヴァルトのいた教会の前から泉の方へと向かっていると、エインセールが俺は呼びにやってきた。

「デジレさん、お姫様たちはこっちです。なんだか、眠りについてしまった、いばら姫、ルクレティア様の事で揉めているようなんです」


「いばら姫?」と俺は、エインセールに尋ねる。


「あれ? ご存じ無かったのですか? いばら姫であるルクレティア様は、この世界の均衡を保ち人々を導く『聖女』様なのです。3週間ほど前から『呪い』によっていばらの塔のどこかで眠りについているのです。そして、塔の中で眠っているルクレティア様の御姿を見たものが無く、今必死に騎士が塔の中を探し回っているという状況なんですよ? 塔の中に魔物が現れてしまって、捜索は思うように進んでいないようですが……。デジレさんは、声に呼ばれて、いばらの塔ピリシカフルーフにたどり着いたのですから、いばら姫、ルクレティア様に呼ばれたのだろうと思っていたのですが」とエインセールは、首を傾げている。


「う~ん。呼んでいる人の姿を見たわけじゃないからなぁ。声ははっきりと覚えているのだけど。いばらの塔が、ルクレティア様のいる場所なら、俺はルクレティア様に呼ばれたんだと思う」


「まぁ、いばらの塔にデジレさんは入るわけですから、デジレさんを呼んだ人に会ってみれば分かりますね。ただ、ルクレティア様もいばらの塔のどこかで眠っていらっしゃるということなので、ルクレティア様がデジレさんを呼んだという可能性は高いかもしれません」とエインセールは、俺の視線の前で、両手を腰に当てて胸を張り、自分の名推理を誇るかのように言った。


「まぁ、それが誰だったとしても、俺を呼んだ人の助けになりたい」


「『呼んだ人の助けになりたい』ですかぁ。なんだか、デジレさんは、その人に恋をしているみたいですね」とエインセールが俺をからかう。


「親父が死んでから、ずっと一人で暮らしていたからね。誰かに必要とされるってことが嬉しかったのかも知れない。あと、死んだ親父から、『いつか、お前を本当に必要としてくれる人が現れる。だから、強くならなきゃいけない』って何度も言われていたからね」


「そうだったんですか。それでデジレさんは、あんなにおつよいんですね! そろそろ泉に到着しますね」とエインセールは嬉しそうに空を飛び回りながら言った。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ