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少年Aの異世界漂流  作者: 樹実源峰
第一章 第三部 人獣戦争編
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第四十一話 少年Aと人獣戦争5日目1

今回は急いで書いたので誤字脱字があるかもしれません、すみません!


前回のあらすじ:慎也はお腹が減って帰った。

「待って、ねえ、待って!!!」


 僕は見知らぬ女性と男性を追いかけていた。その姿は知らないはずなのに、どこか懐かしさもあり・・・それが僕には不思議だった。


「はあ・・・はあ・・・・、ねえ、待ってったら!!!」


 僕は必死にその女性たちを追いかけるが彼女たちは僕を待つそぶりは少しも見せず、それどころかまるで僕から逃げ出すかのように急速に遠ざかる。途中、その顔は振り返ったかのようだったが、距離が遠いのか、その顔は見えない。それでも、僕はなぜか、この人たちを見失ってはいけないと思いながら走り続ける。


「待ってよ、ねえ!!!」


 そう大声を出して、息を切らして、足が痛くなりながらも僕は走り続けるが・・・・僕は転ぶ。


「あ痛っ!」


 あまりにスピードを出していたせいかズザザーっと地面をすべった僕は立ち上がろうとしたときに膝に痛みを感じて崩れ落ちる。痛みを堪えながら膝を見ると、見るも無残なほどにすりむけていた。前を見上げる。そこに女性と男性の姿はもう、ない。その瞬間、僕の頭は絶望でいっぱいになる。まるで、自分がこの世に生まれてはいけなかったかのように。まるで・・・・僕はこの世界でひとりぼっちかのように。視界が涙でにじむ。喉をしゃくりあげて泣いてしまう。その時、僕は頭を乱暴に撫でられた。


「大丈夫か、坊や」


 その手は、乱暴に僕の頭をなでながら、同時に優しさも感じさせた。ごつごつとした手に優しさを感じたのを僕は不思議に思ったが、次から次へと胸から吹き出す悲しみにその疑問はあっさりと押し流される。


「・・・そうか、悲しいことがあったのかな。なら、泣くといい。きっと君はその権利があるはずだからな」


 その言葉に僕の涙腺はあっさりと崩壊し、滝のように涙が流れるのを僕はどこか他人事のように感じる。この男の人に任せておけばきっと大丈夫と思った。もう、心は砕けそうだったが・・・・。


「・・・坊や、私と一緒に来るかい?家族になるかい?」


 その時、僕の・・・いや、俺の運命は動き出した。


####


 『地獄の扉』、後にそのような名前が付く、大きな穴の上を通る唯一の『かけ橋』を占領している慎也たち一派は、五日目も相変わらず戦争という名ばかりのゲームをするため、両軍の前に姿を現した。だが、この日は、昨日と同じ様な展開にならないだろう、と両軍は予想する。・・・それはなぜなら・・・彼らが主力をほぼ出し尽くしたためだ。


「聞けぃ、皆の衆!!本日は、近衛兵団長のガゼノ・ドロウが出陣するぞ!!」


 ウォォォォォと上がる雄叫び。それほどの期待を背負った男、ガゼノは戦場へと出た。第三勢力を退けよという王命を完遂するために。だが、彼は同時に感じていた。おそらく、それは不可能であることを。だからこそ、彼は


(俺の身一つで、戦争が終結してくれればいいが・・・)


 そのようなことを考えていた。


 同じころ、獣人軍では・・・


「・・・どけ、獣ども」


「・・・う、ぐ・・・」


 赤いマントを翻らせた、黒目黒髪の眼鏡少年、タナカ・エルス・オルタ・ジャスティンガー・フェルドルト・リン・ガーラ・ズベラット・ガーナ・サーラ・カルカランテ・ライトが出陣。こちらも第三勢力を撃滅せよとの命令を獣王からされているが、その内心は、人類軍の主力であるガゼノとは180度異なっていた。


(俺だけで戦争を終わらせてやる。・・・相手の兵士を皆殺しにしてな)


####


 ザッザッザ・・・と音を立てながら歩いてきた兵士たちの中から一人の人物を見て、人類軍側の橋の入り口を守る慎也は怪訝な顔をする。そう、そこにいたのは・・・


「春香か。よく、物怖じせず来たな」

「ええ、シン。たかがあの程度で私の心は折れないもの」


 人類軍の勇者の中で最も期待を背負う少女と、第三勢力の頭の少年は再び顔を合わせた。だが、漂う雰囲気は今から命懸けの戦いを行うようなそれではなく、まるで世間話をするかのよな和やかなものだった。


 だが、それは互いが互いを殺そうとはしてないからであり、兵士たちにはまるで敵わぬ化け物を目前としたかのような緊張感が走る。もっとも、慎也も皆殺しをしようというわけではないのだが、それを彼らに言うのは酷だろう。なにせ、昨日は本物の殺気を浴びせられたのだ。


 恐怖とはそもそも未知から来る。死とは、その未知の究極だ。だからこそ、人は死を恐れ、飯の邪魔などで殺気を放つ意味の分からない彼を必要以上に恐れる。


 一方で春香は彼のことを知り尽くしていると思っているので恐怖は感じていない。彼に殺されるなどとは想像できないのだ。だから、そこに不思議なまでの温度差が生まれそれが戦場に来たはずの兵士たちを縛り、行動不能にしてしまう。だが、攻撃をしない人間を殺すほど慎也は冷酷ではない。先日も指揮官を殺していたのは単純に『犠牲があまりなく戦争を手っ取り早く終わらせる手段』である。ゆえに、彼らは、慎也に立ち向かわないのが生き残る道だったのだが、ここは戦場。その程度のことで完全に死を免れられるわけもない。そう、死因はたった一つでもなく、敵もまた一人だけではないのだから。


 ドンッ!という音ともに、まるで天から槌を振るわれたかのように地面の一部が陥没する。当然、そのクレーターに生命はない。先ほどおびえていたものも、逃げるチャンスを伺っていたものも等しく死を迎えた。


「かっはっはっは!!脆い、脆いぜ、人間!!」


 ドサリと、空から落ちてきた人物がそう哄笑する。その人物は、赤いマントを羽織り眼鏡をかけた黒目黒髪の少年。そう、第一位強食者のタナカ・エルス・オルタ・ジャスティンガー・フェルドルト・リン・ガーラ・ズベラット・ガーナ・サーラ・カルカランテ・ライトである。


 その彼は、ひとしきり哄笑したあと、慎也の方を見て口を開く。


「なあ、人間なんて簡単に死ぬと思うよな、雨川ぁ?」

「・・・田中か?」

「え・・?田中君・・・?」


 いきなり現れ、人間軍を攻撃したような態度の田中に慎也は混乱する。彼からすると、勇者の側についているはずの田中は自軍を攻撃したように見えたからだ。それは、人間国に付いたクラスメイトを把握していないことに加え、獣人軍が誰一人としてこっち側にこれるはずがないと思ったが故にそう判断したが、それにしては春香も混乱しているので本当に何が何だか分からなくなってしまった。


 だが、その混乱も次の彼の言葉で収まることとなった。


「まさか、お前も重力の特殊能力スキルを持ってたなんて思わなかったぜ。だが、同じ特殊能力スキルを持つからこそ、お前の考えもわかる。人間は脆い・・・だよなあ?」


 スーッと冷えていく頭で慎也は考える。地獄の扉と後に呼ばれる大地の裂け目。人間軍と獣人軍が互いに互いを攻撃できないのは、単純に裂け目が大きすぎるから・・・ではない(・・・・)


 その理由は、単純。その裂け目を上から飛んだり、飛ばしたりしたものに対して、奈落の底へ落ちるよう何十倍もの重力をかけるからだ。もちろん、これはすでにスロットの一つに発動条件から記録してあるので半自動的に発動するので、鳥の獣人はおろか、投擲した槍の一つすら相手の戦場へ届いていない。重力をかけられれば、鳥は自身の体重を翼で支えられないし、武器は空中で方向転換も何もできないからだ。


 だが、この方法もたった一つだけ破る方法がある。それは、まさに自身の重力をあやつり、この裂け目の上で倍加する重力を打ち消せばいいのだ。そうすれば、落ちることもなく向こう岸へと、橋を渡らずに行けるのだが、慎也はまさか重力を操る特殊能力スキルに目覚めた者などいないだろうとタカをくくった結果こうなった。結局世の中うまくいかないものだと、慎也は思いながら、相手の情報を得たことを喜ぶ。


 戦闘においては、相手の情報を得れば得るほど有利になる。相手の戦術をしっておけばそれだけ対処がしやすくなるのだから。敵として確定した今は少しでも情報を集めることを決意する。


 そして、同時に彼が獣人軍ということは春香も狙われる可能性があると思い、彼は油断をしなかった。だから、相手の調子を崩すように言葉を選んで話しかける。その方が、戦いやすいからだ。


「人間は弱い・・・か。まあ、そうかもしれないが、そういうお前も人間だろう」

「ハッ、んなわけないだろ。この世界に来た俺たちは最強。ただの人間(・・・・・)と一緒にするなよ」


 ニヤニヤしながら、答える田中を見て言葉の選び方が甘かったかと思って慎也は話しかける。


「じゃあ、何だ。お前は超人類とでも言う気か?」

「ああ、そうだ。まさに俺こそ超人類だ」


 そういってかっはっはと笑う田中を見て、慎也はつぶやいた。


「・・・日本で見たようなパシられ屋の面影が全く残ってないな。ほんとにこいつは田中か?」

「・・・ああ?」


 ぎろりと睨む田中に、今のワードが逆鱗かと思った慎也。無意識で言ったがな・・・と思いつつも繰り返し言うことにした。


「ふむ、前のような弱弱しい面はなくなったな、田中。なんかいいことでもあったか?」

「・・・るせえぞ」


 予想以上に効いてる、と思いながら慎也は言葉を続ける。


「しかし、赤いマントとは・・・。お前、そういうのに憧れていたのか?まったくダサい・・・」

「口を閉じねえと殺すぞ」


 ひときわ感じる怒りの気配にしめたと思いながら慎也は・・・


「は?いきなり怒り出してどうした?」


 とぼけて見せる。それを見てタナカは怒りで顔を真っ赤にして手を慎也に向ける。


「潰れろ!!」


 何百Gという重力が、慎也を襲った。

 今回はすみませんが、かなり雑だと自身で反省しています。そのうち直すかもしれません。・・・もちろん、設定にかかわる部分をあまり改変する気はないですが、すこし言い回しや、文章間の説明などは後々付け加えていこうと思います。

 ・・・正直、一回読み返しましたが、どう言葉を付け加えるべきか迷ってしまってこのようなことに。土壇場で書くものではないですね。次回はもっと余裕をもって書きます。

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