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少年Aの異世界漂流  作者: 樹実源峰
第一章 第二部 冒険者ヤンシング編
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第十二話 少年Aと再会

遅くなりました。第十二話です!!

今回はバトル無しですね!!


今回出てくる人物は第一章における重要人物です。

 それはとある少年の話。石に刺さった刀を抜いた英雄の話。


 そんな伝説の始まりは、少年にとってなんの変哲もない一日として終わるはずだった、その始まりがいつもと同じく平凡であったように。


 その少年は、その日も決めた時間に起きて山に行き、木を切る仕事をする。昼食にサンドウィッチを持って夕方まで木に斧を叩き付け切り倒したらそれを持ち帰り村で燃料として売るか、家で燃料として使う。それがその少年の仕事であり、日課だった。


 ただ、その日は不幸な事にその山の主のナックルベアーが現れたのだった。

 ナックルベアーは恐ろしい魔物で、右の拳が異常に大きくなっており、その拳の一撃は人体を粉砕するくらいの威力があるのだから当然彼は逃げた。逃げて逃げて逃げて・・・。そして、足を滑らせたのだ。その体の先にあるのは、宙。崖下には川。助かる訳が無いと、少年は意識を手放す。


 しかし、しばらくすると少年は岸に打ち上げられ一命を取り留めた。そんな少年の前に、岩に刺さった輝きを放つ白い刀があった。


 すらりと伸びる刀身は、すでに暗くなっている夜を照らすかのように明るく、そしてどこか心地いい雰囲気を纏っていた。少年は、その刀に目を奪われて、抜いてしまったのだ、その刀を。そして、彼はその刀とともに世界の命運も担ってしまったのだ。


 そこから先、暫く少年は自身を鍛えて、村の人に見守られながら村を出て、数々の仲間と友誼を交わし、魔物を倒してそして、遂には多大な犠牲を払いながらも彼は魔王を打ち倒したのだ。



 ガンテツの伝説はだいたい、そのような風に語り継がれている。・・・六十年も前の話なので記憶している人間は、この世にはいないことがおおいため正確な真相は分からなかった。

 ・・・そう、本人をしっている俺なければ。


 そんな俺の感想としては、なんて薄っぺらい話なのだと思った。同時に、ご都合主義だな、欺瞞だらけだ、とも。


 そう、嘘がかいてあるのである。

 実際は、まず、最初に、彼は刀を抜いた後村の闘争に巻き込まれたあげく家族を皆殺しにされ、そして村から逃げ去った。だというのに、その村を虐げていた悪徳な領主をはじめ、何人もの悪人を成敗しているし、人間国に襲撃を仕掛けてくる亜人種たちを討った。中には仲間になったものもいる。というより、彼の仲間は亜人の方が多かったらしい。


 そして、魔王を倒し、世界が平和になるとすぐに王は、強大な力を持つ英雄を危険視して皆殺ししようとしていた。彼はそんな王の思惑に気付いて生き残った仲間とともに逃げ去ったのだ。


「英雄なんてろくなもんじゃないのう。儂のかつての中まで天寿をすでに全うした者もいるというに満足に弔ってやる事もできんからな。・・・今いる勇者とやらもそうなってしまうじゃろうな」


 この前、ガンテツはそう締めくくった。


「・・・ほんと、クソだな」


 そう悪態をついて『英雄ガンテツの伝説』と書かれた本を棚に戻す。そして、宿に帰ると俺とアンジェラの部屋から声が聞こえて来た。


「いいじゃねえか、俺たちとキモチイイことしようぜ、シスター」

「嫌です!!私はあの方のモノなんです!!」

「実在しない神に義理なんて経てずにやろうじゃないか?」


 チッと舌打ちをして部屋に入る。


「ん?」

「お?この部屋の住人か?」


 そこにいたのは、チェーンを腰から下げ顔を真っ白に塗りたくった目の部分を黒く塗った男と、ズボンしか履いていない男の二人組だった。


「あ。もしかしてこの子の友達?わるいね〜今から俺らと遊ぶんだよ」

「そうそう、分かったらさっさとでていきなっ!」


 そう言ってズボンしか履いていない男の蹴りを手で(・・)受け止め、片足を払う。


「グホッ!!」


 無様に地面に倒れる男の顔を足で踏みつけて(未強化)、もう一人の男を睨みつけて言う。


「俺の従者に汚い手で触るな。死にたいのか?」

「ひっ!」


 それで怯えたもう一人の男に追い打ちをかけるため、敢えて踏んでいる力を若干強化する(ただし、本気で踏みつけていない)。


「あがががが!!」

「ひぃぃぃ〜〜〜〜!!!命だけは〜〜〜〜!!!」


 それを見た瞬間、ゴミを捨てて自分だけ逃げ去り、部屋には俺とアンジェラと粗大ゴミが残った。

 そして、今度こそ、俺は攻撃力をあげその男を片手で持ち上げる。そして、窓から出して


「物理現象に介入。この男にかかる速度を10km/m斜め45°上向きに設定する」


 そして、そう呟いた瞬間男は斜め45°に向かって勝手に飛んでいった。男の斜方投射運動が始まった。


「・・・よし、ゴミ処理完了」


 パンパンと手を払ったとき、部屋の外からヒュウ、という口笛が聞こえた。ちらりとそちらを見るとそこにいたのは黒目黒髪の黄色人種・・・日本人か?というか、こいつは


「すげえ手際だな慎也。見とれちまったぜ」

「・・・上野うえのひろしか?」

「おう、大正解だ。久しぶりだな、慎也」

「生きてたのか?」

「なんだ、その俺が死んだかなにかのような言い草は?冷たくねえか?」


 短く切った髪に、整った顔立ちをしていながらも、どこか不良のような雰囲気を醸し出すこいつは、俺の数少ない親友だ。まさか、こんな世界で会う事となろうとは・・・。


「あの日、学校休んでたんじゃないのか?」

「あ〜、不幸な事によ、その日たまたま学校に来てて小便してたら、あんな事になっちまったってわけだ」

「・・・バイクで事故って首スポンって聞いたが?」

「・・・誰の作り話だ、そりゃ」


 しかし、こうして話している限り彼は彼のままのようだった。こんないびつな世界、人間の一人や二人壊れても仕方の無いと思っていたんだが・・・。


「ああ、お前の考えてる事は分かるぜ?ただ、お前と俺は似たもの同士、お前が耐えれるんなら俺だって耐えれるぜ?」

「・・・まあ、そうか」

「しかし、ところでよぉ」


 と、そこでアンジェラの方に目をやる浩。その目には好奇心が宿っていた。


「なぁぁんて綺麗なお嬢さん連れてんだよ。ふーむふむ、この美しさ、さてはエルフか!?」

「鋭いな。どうして分かった?」

「あったり前だろ。ここまで人離れした美貌なら人間以外を疑うべきだぜ?・・・ま、美貌って点じゃ、お前の大切な北見と同じ位って所か」

「な・・・」

「あん?」

「なんでばらすんですか、シンヤ様っ!?」


 と、その時、アンジェラがそう叫び俺の所へ突進してくる。だが、俺はそれを平然と無視する。


「シンヤ様?・・・おいおい慎也。この子とはどういう関係なんだ?」

「どうせお前さっきの一部始終見てたんだろ?俺の従者だ」

「従者・・・?シスターだぜ?」

「・・・なんというか、俺は神として信仰されているらしくてな。まあ、いろいろあった」

「へえ・・」

「ていうか、平然と無視しないでください!!この肩は誰なんですか、というか記憶戻ったんですか!?」


 そうまくしたててくるアンジェラを五月蝿いとばかりにシッシとやってから俺は答える。


「記憶喪失と言ったな、アレは嘘だ」

「なんですって!」

「さて、こいつは無視して話を進めるか」

「ああ。状況の確認か?いいぜ、付き合ってやるよ」

「この世界をどう見る?」

「そりゃお前、自由って感じだな。エルフも悪魔もドワーフもいるんだろ?どんな可愛い娘がいるか楽しみだぜ?」

特殊能力スキルは?」

「正直、精神操作系のやつがあればヤバいよなあ。知らんうちに俺が死ぬとか、想像するだけで嫌だぜ?」

「安心しろ、それはなさそうだ」

「・・・?なんでだ?」

「そういう能力はほぼ間違いなく神業級ゴッズで発現できるやつは少ないし、しかも俺は異世界人だからほとんど効かないと、俺は思うからな」

「思うだけかよ・・・。ま、状況は安心度がアップって所か、キハハ、面白いじゃねえか」


 そうして笑った彼を見て俺は何をする気なのが分かった。


「・・・なるほど、殴り込みをかけるのか」

「鋭いねえ。ダチが捕まってたら助けねえといけねえからな」


 チラリ、と見るとその口は笑っていたが目には怒りが宿っていた。アンジェラは怯えたのかいつの間にか俺の背中の後ろで縮まっている。

 浩はおそらく、王都で伊勢怪人を集めているのをしって、勇者の末路が何らかの方法によって分かったか、推測したのだろう。


「本気みたいだな。自信は?」

「Cランクじゃあな。微妙だ。お前は何ランクだ?」

「Bだ」

「ほう、そりゃすげえな、お前が来てくれたら正直助かるんだが・・・」

「愚問だな。行く訳がないだろ」

「・・・だよな」


 そう言って苦笑いを浮かべる浩に俺は答える。


「どうして、俺が縁も縁もない者を助けないと行けない?」

「・・・まあ、お前はそんな奴だよな」

「・・・と、いつもならいうところだが生憎俺にも用事があってな」

「?歯切れワリィな、どうした?って、ああ」


 と、そこで浩は得心が行ったかのようにポンと手を叩く。


「北見か。・・・ふぅん、浮気していいのか?」

「あ?浮気?」

「ほれ後ろ」


 そうして後ろを向くとアンジェラが涙目でこちらを見ていた。ちょっと無視できない雰囲気だったので声をかける。


「なんだ、アンジェラ」

「記憶喪失は嘘だったんですよね?じゃあ、一体何者なんですか?」

「・・・・・」


 そして俺は語った。俺は異世界人だという事や、浩はそのころからの親友だという事を。まあ、かいつまんで、だが。


「そ・・・そんなことが・・・。どうして今まで言ってくれなかったんですか、シンヤ様・・・?」

「冷たく言えば、お前が信用できる人間か分からなかったからな」

「そ、そんな・・・今でもですか・・・?」

「いや、正直従者にした辺りから信頼できていたが話すのが面倒くさかった」

「って、それ完全に怠慢ですよね!?」

「キハハ、なつかれてんじゃねえか。つうか、この娘とはどういう経緯で?」


 そして次に俺は浩に色々と掛かる。この世界に来てからの事を全て。事細かくというわけではないが。


「ふうん、しかし奴隷商人殺害って『悪魔事件』に似てるな」

「ああ。俺がやったからな」

「お前かよ。・・・ふーん、それで?」

「ん?なんだよ、それって?」

「いや殺した罪悪感とかあったか?」


 そこで俺ははじめてその事について考えた。称号に人殺しとか書いていたが、それをすっかり忘れていた。しかし、忘れていたという事は・・・


「ないな。奴等は死んで当然だ」

「・・・そうか」


 そこで暗い顔をする浩。どうかしたのか、と声をかける前に笑顔に戻る。・・・さっきのは一体なんだったんだろうか?


「まあ、何はともあれよろしくなお二人さん。今日から俺もこの部屋に住むんだぜ」

「ああ、よろしくな」

「って、ちょっと待ってください!!男の方と同じ部屋ですか」

「アンジェラちゃん・・・今更な事言うんだな。コイツとさんざん寝てたんだろ?」

「失礼な。そいつは処女だ」

「ってそういう恥ずかしい事は言わないでくださいよ!!」

「っつーことは、お前は童貞か」

「・・・まあ、そうだな」

「なんだ、今の間。・・・まあいいか」


 そんなこんなでわいわいしているとやがて夜は更けて朝となった。その朝日を三人で見ながら、今日は休日にすると決定しいよいよ睡眠をとるのだった。

バトル・・・、あれはバトルってか蹂躙ですね。うん。


さて、今回新登場した浩君。彼はどんな活躍を見せてくれるのか!?乞うご期待!!

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