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俺は母親を安心させる為に、62歳で初めてお見合いをして結婚相手を見つけると決意した!

作者: 七瀬





“俺は母親を安心させる為に、62歳で初めてお見合いをして

結婚相手を見つけると決意した!“




・・・俺は62歳になった今でも、未婚、独身、彼女なしの男。

仕事一筋で今までずっとやってきたのだが、健康だった母親が病気になり、

“母親が大好きな俺は毎日、母親が入院している病院にお見舞いに行く事に!“

もう仕事は、“後輩たちに全て教えている!“

俺が居なくても十分、仕事は勝手に進めて行けるのだ。

俺が母親のお見舞いに行くと? 母親の隣に入院している女性ひと

とても美しく、俺は一目惚れしてしまう。

当然! 彼女には旦那さんもいて、大きな子供もいる女性ひとらしい。



『あら? また来てくれたの~』

『・・・ううん、どうも!』

『“息子さん、毎日! お母さんのお見舞いに来てくれるんですね!“』

『まあね! この子は3人兄弟の一番下の末っ子だから幾つになっても

可愛くて仕方ないのよ~!』

『“お母さん想いなんですね!“』

『・・・まあ、それほどでも。』

『勿論! ご結婚されてるんでしょ、奥様は凄く幸せ者ですねぇ~』

『い、いえ、この子はまだ“独身なんですよ、どこかにイイ女性ひと

はいないかしらねぇ~』

『“今、おいくつなんですか?“』

『62歳です。』

『・・・あぁ、今まで一度もご結婚されてないんですか?』

『はい。』

『でも? 直ぐにイイ女性ひとが現れますよ、私も夫と出会った

のは私が30歳の時ですから、まだまだ男性なんだし! ステキな女性

が現れますよ。』

『・・・それならいいんですが、』

『“じゃあ、一度! お見合いしてみるかい?“』

『えぇ!?』

『もう62歳でなかなか出会いがないんでしょ! じゃあ、先ずは

お見合いが良いんじゃないのかい?』

『・・・・・・』

『“私も、紹介できる女性ひとが居たら、紹介しますよ。“』

『ありがとうございます。』

『じゃあ、もう帰んな!』

『うん、じゃあーまた明日来るね!』

『またおいで。』

『うん。』





俺は母親の隣のベットの女性ひとに勝手にフラれる。

でも? その代り、ステキな女性ひとが居たら俺に紹介して

くれると言ってくれた。

でも? “あれは本気で言った訳じゃないと直ぐに気づく。“

俺みたいな62歳で、一度も結婚もした事がない男に紹介する女性

なんて何処にいるのか?

それに、見た目も薄毛で少しお腹が出てるぽっちゃり中年オヤジだ!

こんな男を女性だれが好きになってくれるんだ?




・・・ただ、母親が話してくれた“お見合い“は俺の心に引っかかった!

お見合いなら? 何度かすれば女性だれか俺の事をイイと言ってくれる

女性が一人はいるかもしれない。

それならと俺は、“一世一代の決断をし、お見合いにかける事にしたのだ!“

お見合い用のスーツを買い、薄毛も育毛で増やし、ぽっちゃり体系も、

ジムに週5回通うようなるとスリム体型になり筋肉も付いた。

これでお見合いに行ける準備は完璧だ!

ここからが勝負! 俺は初めてお見合い相手に会うことにした。




『は、初めまして! ゴホン、ゴホン、スミマセン! 声が裏返って

しまって、緊張してるから声が、すみません、』

『長野さんは、“今日がお見合い初めてなんですか?“』

『あぁ、はい! 初めてです。』

『そうなんですね、でもリラックスしてください、そんなに堅苦しく

なくていいんですよ。』

『・・・あぁ、はい、』

『長野さんって、きっと凄くイイ男性ひとなんでしょうね。』

『えぇ!?』

『“凄く真面目そうだから。“』

『あぁ、まあ、そうかもしれません!』

『ご家族は? お父さんやお母さんは元気なんですか?』

『・・・あぁ、父は既に亡くなっています、でも母はまだ元気ですよ!』

『そうなんですね、もし? ワタシと結婚したら? お母様と同居とか

考えていらっしゃるんですか?』

『えぇ!?』

『・・・ワタシは、同居はちょっと、』

『そうなんですか、』

『もし? お母様と同居するような事があるなら少し考えさせてほしいかなと

思っています。』

『・・・あぁ、はい、』

『あぁ! 長野さんは、どんな女性ひとがタイプですか?』

『好きなタイプは? 優しい女性ひとがいいですね。』

『そうなんですね、ワタシも相手の男性ひとは優しい人がいいです。』

『“スミマセーン! お時間になりました、今日はここでおしまいです。“』

【ありがとうございました!】





 *




『長野さん! お見合い相手の女性がまた長野さんに会いたいと連絡が

あれば、今度は相手の女性の連絡をお教えしますので、結果が出るまで

少しの間、お待ちください。』

『・・・あぁ、はい!』




・・・数日後、俺はお見合いをセッチングしてくれた会社から連絡あり、

今回のお見合いは、相手の女性から正式にお断りしたいと連絡があった

と伝えられる。

勿論! “初めてのお見合いで上手くいくとは思っていなかったが、“

想像以上にショックでその日俺は、一人部屋で泣いてしまった。

こんなにしてまで俺は、“結婚“をしなくてはいけないのか?

こんなに傷ついて、いや? これからも傷つき続けてまで俺はお見合いを

するものなのかと疑い始めたのだが、どうしても母親を安心させてあげたい!

その一心で俺は心を奮い立たせ、“今後もお見合いをする事を決意する!“



ただ、“きっと断られる事もいつかなれるのだろう。“

慣れても慣れても、“お見合いは上手くいかないかもしれない!“

何百人、何千人、何万人の女性と俺はお見合いしても結婚できない

かもしれないのに、ひたすら可能性がないままお見合いを続けていくのか?

そんな不安に負けそうになる!

それでも、“全ては母親を安心させたいと言う想いの為に、、、!“




俺はまたお見合いと言う戦場に足を運ぶ。

何度転んでも立ち上がって、俺はまたお見合いをするのだ!



最後まで読んでいただいてありがとうございます。

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