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4礼【アリス】と言う女

※この物語は限りなく事実を元にしたフィクションです※


今回は語り手の私

【シスター・アリス】について掘り下げよう。


一礼『こんにちわ』でも紹介したが

本名は(ハヤシ) 実樹(ミキ)

聖名はアリス・フランシスコ・レトド(林)

地元の教会でボランティアとしてシスターをしている。



生まれは日本。

1995年の1月産まれ干支は亥。

水瓶座のB型 林家の四女である。


座右の銘は

『人類世界全体皆様々姉弟』

鳴かぬ時鳥を詠むなら

『鳴かぬなら 代わりに鳴こう時鳥』と詠む。


姉が3人 妹が1人 弟が1人の6人姉弟。

父と母を入れて8人家族だ。



私は6才の頃から『俺』として【男】として育てられた。



父は社会のゴミ。

同僚や友人からはヒーローであり

私の父としてはクソジジィだ。


小さい頃から悪行が絶えず

大きな事件では学校に引火させた事もあり

父の母親(祖母)はよく頭を下げていた。

私の父の父親(祖父)も借金まみれのクソジジィだった。


祖母の「どんなに悪いことをしても

頼むからヤクザだけには成らないで」

それだけは律儀に守っていても

私からすればやはりクズだ。



母も動揺で社会のゴミ。

落ちこぼれでもご令嬢だった母は

幼い頃から自分の姉達とやりたい放題

薬物に窃盗と犯罪歴は父以上かも知れない。


厳しい母の母親(祖母)に耐えきれず

姉と妹と一緒に日本へ来たが

同じようなキリシタン達と羽目を外しまくり

近所に迷惑しかかけていなかった。

だから殆どの地域の皆様は外国人が大嫌いだった。


主に母達が警察に何度も世話になり

父との喧嘩は何時も絶えなかった。


そんな中 当時姉達と私と妹の5人姉妹だった時に

父は母と離婚しても問題ないように

私を【男】として育てた。



私は当時から弱かった。

内気で静かで大人しくて泣き虫で 何より極度のビビり。

知らない人を見ると直ぐに隠れてしまうため

「当時は4人姉妹だと思ってたわ」と

ご近所さん達から自分の事は認知されてなかった。



そして厄介な事に

私は産まれた時から【聖女】だった。



これが『【姉妹】として【女】としての始めの亀裂だった』と言っても過言ではない。


カトリックにおいて【聖女】の称号は誉れだ。

何せ(キリスト)のお側に選ばれた訳なんだから

キリストが頂点のキリスト教。

その神の妻に成る女性。


聖職の就かない女性でも

教皇様だって頭を下げざる得なくなるのだ。


まぁ それは死んだ後の話になるから

生きてる内に頭を下げられる事は決してない。


つまり そんな聖女様をキリシタンは丁重に扱わなければならない

だから 幾ら錆びだらけの小さな教団だとしても

そこに聖女様が居るのならば

教会からの補助金はかなり良くなる。


しかも教区ではなく全世界の教会からの補助金だ。


そんな聖女様を教会が大切にしないわけない。



だから 母達と教会へ行けば

シスター達や神父様も私をやけに可愛がる



それには勿論

姉達に従姉妹達 同世代の教徒達は面白くなかっただろう。


私は差別された。

教会が【姉達と私】とで差別してたから

姉達は【私】を差別した。



今でも そう受け止めるしかない。



私が目上の教徒達に「可愛い」と言われれば

同世代の教徒達に「ブス」「不細工」「キモい」「出っ歯」と倍に言われ


私が「賢い」と言われれば

「アホ」「バカ」「ボケ」「カス」と倍に言われ


私が「良い子」と言われれば

「クズ」「ぶりっ子」「調子こくな」「腹黒」と倍に言われ


私が「聖女」と呼ばれれば

「死ね。明日死ね。早く死ね。直ぐに死ね。神様が待ってる」と嘲笑われる。


この当時の事は今でも目上の教徒達は知らないだろう。


大人達が馬鹿ばっかじゃない

例え10才に満たない子供だろうと

大人を騙し抜く行動に知恵があるという事実だ。


そして何より私がビビりだったから

昔 勇気を出して告発しようとしたが

バレそうになり 従姉妹達に何度も頭を叩かれた

集団による暴力の恐怖から

黙って堪えて 何時来るか分からない

子供の『飽き』を待つしかなかった。




私は教会へは行きたくなかった。




しかし 家へ帰っても

姉達の中では【家に帰っても私は妹ではない】のだろう。

【家に帰っても教会の聖女】の私を無視し続けた。


それを妹も見て真似をする。


父親は外国人が大嫌いだ。

いやどちらかというと『母達のせいで 外国人が嫌いになった』だ。

ご近所さん達も正にこれが理由だろう。


だからじゃなくても

姉達がテンション上がって騒げば

「うるさい!!」と私まで頭を叩かれる。


姉達3人とは歳が3つ2つしか変わらないので

多分 顔の見分けが出来ないのだろう。

流石に当時3才の妹だけは叩かれなかった。


でも私は何も喋ってないのに急に叩かれて

理不尽で悲しくて痛くて泣いた。


しかし私はよく泣くため 更に怒られた。

姉達はそれを横目にクスクス嘲笑う。

妹も一緒になって私を馬鹿にする。


「お前は直ぐ泣く お姉ちゃん達を見習え!

叱られたくなかったら うるさくするな!!」


何時も怒鳴り声が聞こえる気がするくらい

私は父の声を聞くのが恐ろしかった。


「でも お姉ちゃん達がーー」と言おうとすると

「口答えするな!お前は直ぐに人のせいにする」と更に怒られる。


勿論 お姉ちゃん達は口裏を合わせなくても

「ミキも喋ってた」と嘘をつく。

妹もお姉ちゃん達の真似をする

そうするとお姉ちゃん達が何時も褒めるからだ。




私は家へは帰りたくなかった。




そんな中 父は突然 私を「男として鍛える」と言い出した。


当時は それをすんなりと受け入れた。



当時6才の時に身に起こった事件。

近所の仲が良かったキリシタンのオジさんに

拐われそうに成った事があった。


今でもたまに腕を掴まれ引っ張られた

あの感覚を覚えている。

あまりの恐さに声が出なかったのを覚えている。

体が動かなかったのを覚えている。


【聖女として金に成るから拐った】と表では記載されているが

後に私への考慮の嘘だと分かった。

裏の真実はオジさんが【小児性愛嗜好者】だったから

『細くて黒髪で目が大きくて可愛くて大人しくて何時も独りぼっちの可哀想で逆に愛おしくてーーー』と

後半は何て言ってたのか覚えていない。


父の怒鳴り声もあって

私は男性への恐怖が更に増していた。


当時の私は女を棄てる事に【爽快さ】さえ思えた。


『聖女じゃなくなるから』

『女じゃないからイジメられない』

『男は泣かないから』

『私は女じゃないからーーー』




そんな事はなかったーーー




教会は関係ないから【聖女】として扱われ

男に成ったのだからと『俺』と自分を呼び始めた為

更に皆からイジメられて

なんならシスター達に叱られた。


【男だから泣かない】じゃなく

『男なら泣くな』と叩き込まれる。




『私は男なのか? 俺は女なのか?』

この疑問は 後に私を大きく成長させてくれる。




でも 男に成ってから

女の自分よりは多少マシな生活が送れていたので

この平穏を維持できるように男である態度を貫いた。


でも『男に成るなら格好いいのが良い』と思い

私は絵本の【王子様】を目指した。


だから自分の事を『俺』と呼んでも

女性を敬い 常に紳士な態度を心掛ける。


シスター達からは

『本当は聖女様として居てほしいけど

でも こっちの方が絶対に良い!!』と裏で言われていたし

見た目もあって 私の王子様はかなり人気だった為

『これが正解だったんだ』と思った。


しかし同じ教会の同世代の男の子からはよく思われていなくて

『こっちもどうにかならないかな?』と観察してれば

下品やお笑いに下ネタが好きな男の子が多く。


私も彼等の前でだけ【面白い奴】を心掛けたら

すんなりと受け入れられ 私は一気に打ち解けた。

なんなら「お前が一番面白い」と言われる程

私は初めて同世代の子供達から認められた気がした。


が 男性に恐怖があった為

同世代の男の子でも 出来る限りの距離を取っ手はいた。


【面白い奴】の俺は 思ったよりも女の子からの評判も良かった。


お姉ちゃん達も「此方の方が好き」だと言ってくれた。



完全に【私】は居なくなり

【俺】に成った瞬間だった。

思いが募りすぎて 続く感じです。

すみませんが もう少しお付き合いください。

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