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旅に出るなら黒板を  作者: 稲村装剝
お疲れ奉公人の現実逃避旅
3/3

動機

 ここ最近、人生そのものに嫌気がさしてきた。


 新しい部署へ配属になってからというものの、とにかく仕事が辛くて仕方がない。


 単純にやりたくないとか好きじゃないとかではなく、根本的に合わなさすぎる。

 そもそも俺に向かないことぐらい分かってただろうに、どうして前の部署から変えさせたんだ。


 先輩の声が怖い、仕事が上手くいかない。

 苦手な俺にこの仕事をさせる必要性が分からない。

 今の職場に居場所がない、相手にされないのが心底辛い。

 上の考えていることが理解できない。


 辞めるか?

 いっそ辞めてやるか?


 いいや、無理だ。

 辞めたとことで、この先どうして食っていくのか?


 退けれず、引けず、進めず、去れず。

 ただただ心の吐瀉物を吐きながら、呪詛と涙を垂れ流す毎日。


 無気力ともやさぐれとも取れないぐずっぐずの気分の中で、ふと見つけた一冊の本。


 最近流行りの、旅行本だ。




「旅、してみるか」


 そう思った時には、本を片手に支払い台の前に立っていた。



 それが、俺の旅の始まり──。

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