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黒兎堂  作者: シャン
第1章 開業編
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第1章[開業編]1話

「う…うーん…」


な…なにが起こったんだっけ…?

そうだ…天人の連中から逃げ入った洞窟で…底が抜けて…

…どうやら落下の恐怖で気絶していただけのようだ。

不思議と身体には痛みを感じない…

落ちた…かなり深く落ちたはずなのに外傷もない…運良く奇跡的に無事な落ち方をした…?のか…?

上を見上げてみる…


「うわぁ…これは自力では登れそうに無いな…」


自分が落下して来たであろう頭上の穴を覗く…真っ暗で先が見えないほど深く、その上天井までも距離がある…

すると不意に背後から声をかけられた


「お?目が覚めたかい?」


振り返り辺りを見渡すが誰も…


「上だよ 上上」


目の前にある大きな岩を見上げるとそこには少女らしき姿が見えた


「誰だ…?お前…」

「おいおい命の恩人をお前扱いはないだろう?」

「命の恩人?…そうかお前が助けてくれたのか?」


確かにこの高さから落ちて無事な訳がない、正確には分からないが相当深く落ちたみたいだからな。


「お ま え じゃない、オイラの名前はフーコ!

オイラの「風繰」で落ちてきた所を受け止めてやったのさ

いや〜驚いたよ 突然天井が崩れて人が降ってくるんだもん 酔いも覚めるってもんだ!」


ゲラゲラと爆笑しながらそう言うと少女は酒瓶を口に運ぶ


「[風繰]…?お前のスキルか?」


名称的には風を操る…と言ったような物か?


「だからお前じゃないってフーコさ!あんたは?」

「俺か…?俺は…アリスだ」

「へぇ…見た所獣人か?

黒毛の兎耳ねぇ…かわいいじゃんか」

「そう言うお前は鬼族か」

「だからお前じゃなくてフーコって言ってんだろ!」


フン と言わんばかりの態度でそっぽを向く少女

それにしても…めちゃくちゃお酒臭いな…

少女の頭にある2本のツノ…

あれは間違いなく鬼族のものだ


「ん?この角が気になるかい?

鬼族は珍しいだろう?」

「いや、知り合いに1人居る…

飲み仲間だ。…鬼ってのはみんなそんなにお酒を飲むのか?」


少女の周りには酒樽やら酒瓶が転がっている…


「お!アリスもイケる口か!」

「会って数分で馴れ馴れしいな…

鬼ってのはみんなそうなのか?」

「しかしアリスは運が良いな!オイラがたまたまここに居なかったら、今頃ぺっしゃんこだったぞ!」

「想像したくないな…お前はなぜこんな所に?」

「だからお前じゃない!フーコだ!」

「あぁはいはい!わかったわかった!

フーコはなぜこんな所に居たんだ?

こんな薄暗い場所でお酒なんか…」


頬を膨らませ不機嫌そうな態度を取るフーコ


「こんな所とはなんだ!ここは地底だ!

オイラ達鬼族は地下に暮らしているんだ。

世界の底に広がる

地上とも天界とも違うもうひとつの世界だ!」


そう言うとフーコはぴょんと岩の上から飛び降り近くのまだお酒で満たされた酒瓶を両手に取ると

ついてきてと言い洞窟の横穴へと入って行く…通路になっているようだ

フーコの後を追い通路を歩いて行く


「オイラ達鬼族は遥か昔 お前ら地上で暮らす人族を 自分達の持つ力で脅かさないよう人族の制止を振り切り その生活圏から退く事を決意した」

「あぁ…それなら歴史書で読んだことがある そして人族と鬼族の交流が完全に絶たれる事は無かったが 人族の生活圏で鬼族を見かける機会は極端に減ったと…俺の行きつけの酒場にも飲み仲間の鬼族が1人居るが そいつ以外の鬼族を俺は見たことがない」

「だがオイラ達鬼族はなにも遥か遠くの地へ行ったりなんかしてない 人族が好きだからね 人族の生活を脅かさない だけどできるだけ人族のそばに居たい

そうして考えた過去の鬼族達は 人族の住む遥か地下に自分達の生活圏を築いたのさ」


さぁ到着したぞ!

とフーコが洞窟を抜けた先にある崖下を指し示す


「あそこがオイラ達鬼族が住む地底街だ」


フーコが指し示す方には確かに

街が見える…あれが鬼族の暮らしている街…地底街か


鬼族はめったに姿を見ない種族だとは知っていたが…

遥か地下深くに住んでたのか…


「まさか俺の暮らしてる世界の下にこんな世界が広がって居るとはな…」

「知ってる奴はみんな知っていると思うぞ?」

「えぇ!?そうなのか?」

「まっ 普通に生きている上では滅多に目にする事はないだろうからな。

ここに鉱石やらを取りに来る連中だったり、好んでここに住む連中も居るぞ。」

「俺が無知だっただけか…せっかくだしここにしばらく身を潜めるのもありだな…地上では今頃天人共は俺を指名手配してるだろうしな

なあフーコ、この地底の案内と…

住めそうな場所はないか?」

「あー!良いぞ!ただしひとつ条件がある!」

「条件…?」

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