名探偵おにぎり
よろしくお願い致します(^^)
「僕は名探偵おにぎり!どんな事件もまあるく解決!!」
おにぎりくんは名探偵。
どんな難解な事件でもまあるく解決してしまうのだ。
「大変だ!!」
「おにぎり探偵、何か事件ですか?!」
「あぁ、酢豚の中にいたパイナップルくんの姿が見えないんだ!」
「な、なんてこった!」
酢豚の中に必ずと言っていいほど、入っているパイナップルくん。
しかし今やそのパイナップルの姿がほとんど見えない!
「周囲に怪しい動きはないのか?」
「隣にサラダのお皿があるだけで何も怪しい動きはありません」
おにぎり探偵は辺りを見渡し、もともとサラダがあった場所を見つめる。
残っているのはサラダを食べ終わった大きなお皿だけ。
「パイナップルはいない、サラダも食べ終わっている……!!」
「ネタがありませんね。さすがの名探偵でもこれは迷宮入りですよね」
「ふふふ、実はもう答えは私に握られている。これはサケられない事件なのだ。鮭おにぎりだけに」
「!!」
「何者かによって入れられたパイナップル入りのサラダはお父さんに食べられた……つまり」
「………っ!!」
「犯人は少年、君だよ。君はこっそりサラダにパイナップルを移して、お父さんに食べてもらったんだ!」
「な、なんでわかったのぉーー」
男の子は悔しそうに目の前の人物を見つめる。
お父さんにも秘密にしておいてもらったのに。
「ふふふっ、どんな事件もまあるく解決、名探偵おにぎり!だからね。ほら、ちゃんとパイナップルも残さず食べるのよ?」
「はあーーーい、お母さん」
「一緒に食べるときっと美味しいわよ」
そう言ってお母さんは鮭おにぎりを食べて、僕はお肉と残ったパイナップルを一緒に食べる。
う、うーん。まだ僕には一緒に食べる美味しさがわからないみたいだ。
「お父さんもショウタに甘くしちゃだめよ」
「ははは、おにぎり探偵はずいぶん塩味が効いてるんだな」
「あはは!お父さんもおもしろーい!」
おにぎり探偵は甘くはないのだ。
それでも子どもに楽しさと美味しさを伝えるために今日も事件を解決する。