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自殺見送り人  作者: 葛籠抜 優利
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死に損ない

この世は生きにくい。

どんなに善人であろうとどんなに悪人であろうと関係ない。

いい人は利用され、悪い人は人を利用して幸せになっていく。

こんな世の中に疲れて死にたいと考えることは人生で一度はあるだろう。

だが、死ぬのもまた辛い。

勇気がとてもいることだ。

苦しく痛い。

死ねればいいが失敗すれば後遺症が残るかもしれないという爆弾付き。

生きるのも辛ければ死ぬのも辛い。

こんな世の中どうすればいいんだ。

悩んで悩んで人は死んでいく。

その悩んだ時間はとても美しく、儚い。

私は、そうやってずっと悩んで死ねずにいる元サラリーマンだ。

有名企業に勤め、そこそこ偉い位置にまで行き、お金もあり、家庭もあった。

私にも幸せはあった。

とても短く儚いものだった。

自分で壊してしまった。

本当にいろいろあったんだ。


今は売れない画家をしている。

この心にある真っ黒い物を絵にして生きている。

こんな汚くドロドロな真っ黒いものでも、好き好んで買う人もいる。

絵の世界はよくわからないものだ。


私はこの前ネットを見ていると、同じ画家としてとても気になる記事を見つけた。


「自殺見送り人?」


自殺見送り人というものをやっていると言う画家の記事だ。

簡単に言うと自殺したい人の姿を見送ると言うものらしい。

そのお代にお金ではなく、自殺の姿を写真に一枚。

それと何故死にたいのか、そのエピソードを聞かせて欲しいらしく、それを絵の題材にするらしい。

最初は何だこれと思って数日はそんな事は忘れていた。

でもふと、本当にこんなものを頼む人がいるんだろうか?そして、本当にこんなことをしている人がいるんだろうか?

とても興味が湧いた。

自殺見送り人とはどういうものなのかこの目で見てみたい。その人に会ってみたい。

私は、この記事のメールアドレスに自殺をしたい人を装ってメッセージを送ることにした。

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