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9.とある第2王子の執愛

 兄上、お疲れのところ申し訳ありません。お時間は取らせませんので。


 どうしても、一言お礼を申し上げたかったのです。


 兄上のおかげで、僕は愛するエリカと婚約することができました。

 無事に今日の夜会で婚約を発表することもでき、安堵しているところですよ。

 兄上のご助力には本当に感謝しています。


 ……ええ、確かに兄上は積極的に何かをなさったわけではありませんね。


 でも、国王陛下の代理を務める立場にいらっしゃる兄上は、僕たちの動きを把握しながら、あえて何もなさらなかった。


 僕がディアナ嬢を婚約者に据えたときも。

 そのディアナ嬢を断罪し、婚約を破棄したときも。

 さらに、ディアナ嬢を密かに処理したときも。

 そして、エリカと新たな婚約を結んだときも。


 兄上がこれらの行いを黙認して下さらなければ、ハロルドがどんなに優れた脚本を書き、僕たち役者がどんなに巧く演じたとしても、この大団円を迎えることはできなかったでしょう。


 ええ、もちろん、これからも気を抜くつもりはありませんよ。

 エリカを僕の婚約者の座から引きずり下ろそうと狙っている連中は多い。

 エリカの実家はしがない男爵家。当主自身に野心はなく、人柄は良いが謀略などには疎い方です。僕がしっかりしなければ、エリカを守ることはできない。肝に銘じていますよ。


 ただ、ディアナ嬢の一件で、反乱分子はある程度把握できましたからね。

 ディアナ嬢との婚約後にオルコット家に近付いた者達。その中に、僕を利用して兄上の王太子の座を脅かそうと企む連中のほとんどが含まれていることでしょう。

 僕にも母にもそんな馬鹿げた野心はないというのに……。


 これから、ハロルドやカールと協力して、不穏な連中を1つ1つ潰していくつもりですよ。


 誰にも僕とエリカの邪魔はさせない。


 僕の愛はエリカだけのもの。


 そして、兄上がそれをお認め下さる限り、僕の忠誠は永遠に兄上のものです。

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