第6話 幼馴染み ■
5歳になった。
取り敢えず頭皮の方の危惧は杞憂に終わった。
自分の容姿を川の水面で確認するとそこには雪白の髪、若紫の瞳、母アイリに似た面影の顔が映っていた。
まだこの歳ではわかりづらいのか周囲には女の子と間違われることも多かったが名前もその要因となっているだろう。
“カイリ”という名はこの世界で男にも女にも使われる名前のようだ。
日本でいう“しのぶ”や“まこと”のようなものだろう。
まあ成長期を迎えれば間違われることもなくなるはずだ。
将来は佐藤○一のようなナイスミドルになる予定なのだから問題ない。
「おい!」
問題はないのだが少し煩わしいことにもなっている。
「おい!聞いてるのかよ!」
うーん、まあいいか。
俺は川沿いを歩き出す。
「無視してんじゃねぇ!」
今、喚いているのは割かしご近所のガキんちょだ。
うちの近所には子供が少ない。
もう少し町の中心に行くとそこそこいるのだが、あいにくとウチは町の外れの山陵と街道の間にある
ゲインの仕事柄、その方が何かと都合がいいのだ。
町中に行くには子供にはやや遠い距離だ。
つまりはこの男の子……名前はなんだったけな? ……まあようは遊び相手が欲しいのだ。
しかしもう少し誘い方があるだろう。
しょうがない、ここは大人として少し注意してから軽く遊んでやるか。
俺は余裕を持って振り返ろうとしたときだった。
ガツッ!
何かぶつかる音、いや“殴られる音”がした。
「カイリはあたしと遊ぶのよ!」
……なにやら自分の名前が聞こえた気がしたが気のせいだろう。
俺はまだ振り返っていない。
そう、だから何も気付かなかった。
わずかに振り返りかけていた首をゆっくり戻し、何事も無かったかのように歩を進める。
すると後方から足跡が響く。
ズン、ズンッ
いや、ズンなんて足音はないだろう。
しかし圧迫感と共に脳内で変換再生される。
歩を速める。
ズンズンズンッ
堪らず走る。
ダダダダダッ
効果音が変わり何かが迫ってくる。
(見たら駄目だ見たら駄目だ見たら駄目だ)
自分に言い聞かせ足を動かすも、左肩に小さな手が置かれた。
振り返るとそこにいたのは同い年で金髪のツインテール、人形のように整った顔立ちでやや尖った耳を持つ女の子。
ハーフエルフのレイラだった。
満面の笑みに怒気をにじませ、
「カイリ?なんで逃げるの、よっ!」
肩を引き寄せ振り向かさせられると鳩尾に向かって拳が放たれた。
咄嗟にガードするもその小さな拳は隙間を抜けヒットする。
おそらく彼女ならツバメ返しを使いこなせるだろう。
「かふ、気付かなかったん――」
「そう、じゃあ遊びましょう」
肺から強制的の空気を吐き出されながらも返事を返すと食い気味に言葉が重ねられた。
イラスト練習中なので拙いですが、描ければちょくちょくあげていきたいと思います。
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