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黒龍殺しの付与術師  作者: しきな かいどう
少年期 ~王都編~
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第1部 エピローグ

 ~王都郊外にある丘~


 丘の上にある墓地のとある一つの墓石の前に白いローブを纏った蒼髪の女が立っていた。


「やっほー!

 きたよ~」


 墓参りには似合わない気楽な声をあげて「よっこいしょ」とその場に座る。

 右手には酒瓶、左手にはグラスが二個握られていた。


「高い酒は弟子に没収されちゃってさぁ。

 代わりにあたしがいつも飲んでる酒の中でもお気に入りのやつ買ってきたから。

 これも結構高いんだからね!

 臨時収入をババアに取られないように隠しておいて正解だったわ」


 そう言ってグラスに注ぐと、一つは墓石前に置いた。


「前に弟子とったって言ったじゃん。

 ちょっと変わった子でね。

 あたしやクラウスだけでなくババアやユハナ、サイファーまで巻き込んでさ。

 そういうところがキミと同じようにも見えるんだよね。

 でも違くて……何て言うんだろうね。

 人との付き合いを難なくこなすように見えるけど、あるところで人との距離感を保とうとしてるのかな。

 同じ弟子でも君とは真逆だね。

 君は人との距離感とか気にせず詰めてくるから。

 まあ君の場合、弟子というよりは悪友って感じだったけど」


 グラスを傾けながら懐かしむように笑う。


「そうそう、今年も咲いてたよ」


 袋から赤い一輪の花を取り出しグラスの脇に添える。


「毎年来てたけど、ちょっと遠出の用でしばらくは来れそうにないんだ。

 帰ってきたら顔を出すね」


 自分の持つグラスをくいっと飲み干し、まだ中身のある酒瓶を墓石横に置く。


「それじゃあまたね、イーリス」


 蒼髪の女が立ち去るのと入れ替わるように赤髪の男と金髪の女が花を持って丘を登ってくる。


 蒼髪の女は歩きながら晴れた空を見上げた。

 よく雲ひとつない青い空と言うが、空には真っ白な雲が浮かんでた方がいいと彼女は思う。

 空に向かって大きく伸びをする。


「んっー、いい天気だぁ」





 それから数日後、王国の英雄率いる黒龍討伐隊が出発した。

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