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黒龍殺しの付与術師  作者: しきな かいどう
少年期 ~王都編~
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第59話 受付嬢メルヴィ

 ブックマークが100件に!?

 みなさんありがとうございます。

 他の作者さんのように毎日更新とはいかず、相変わらずの更新頻度ですが少しでも楽しんで貰えるモノが書ければと思います。


 翌日さらに投稿予定です。

 ユハナと合流し魔法師団の正門を抜け、商店街が並ぶ大通りへと向かう。


 カイリはユハナと並んで歩くと周囲の女性が皆振り返ることに気付いた。


「魔法師団副団長のユハナ様よ」

「ああー今日もかっこいわー」

「隣にいる子供は誰かしら?お弟子さん?」

「ユハナ様にあんな小さな弟子がいるなんて知らないわよ?」

「まさか隠し子?!」

「嘘!ショック!」

「けどあの女の子も凄い可愛らしいわ。

 きっと相手は凄い美人ね!」

「今まで特定の女性と付き合う事がなかったから油断したわ!」

「でも子供を連れているユハナ様も似合うわね」

「ユハナ様の子供産みたいわー」

「私も!」


 周囲の女性達がわーきゃーはしゃいでいた。



「ユハナさん凄い人気ですね」


「ありがとう。

 なんかカイリ君は僕の子供らしいよ。

 甥っ子なのにね」


「いや、甥でもないですけどね」

(っというか、人気ですねと言われてありがとうって完全にイケメンリア充の返しだよな)


「それに、カイリ君も人気じゃない。

 さっきから同い年位の男の子達がちらちらカイリ君のこと見てるよ」


「ははっ、気のせいですよ」


 乾いた笑いを浮かべて深く考えないようにする。

 二人はそんな調子で商店街を歩くと前から見たことのある女性が歩いてきた。


「あ!カイリさん!」


「?」


 見たことはあるんだが思い出せない。


(誰だっけ?王都に知り合いなんて魔法師団と騎士団にしかいないけどな?)


「…………」


「…………」


「もしかして私のこと忘れてます?」


「……」


 前世から人の名前や顔を覚えるのが苦手で、興味、関心のない者には特にだった。


「あ、ああ、お久しぶりです。

 収穫は無事終わったんですね。

 今年は天気が良かったから野菜が良い値で売れたんじゃないですか?」


「いや、王都に野菜売りにきた農家じゃないから!

 忘れてますよね!?」


 あれ?キャベツ農家の娘さんじゃなかったけ?


「かろうじて忘れちゃいました。

 でもおしかったですよね?」


「かろうじててってなんですか?!

 あと全然惜しくないですよ!

 冒険者ギルド南支部で受付をしていたメルヴィですよ!」


「??」


「それでもわからない!?」


「……ああ!」


「!」


「支部長と不倫していたお姉さん!」


「そのお姉さんだけどあのハゲと不倫はしてねぇ!」


「どうしたんですかこんなところで?」


「はぁはぁ……この度、転勤になりまして」


「ああ左せ――」

「栄転です!

 王都ギルド本部に栄転です!」


「おめでとうございます。

 あ!今、またケーキのお使いか何かですか?」


「そういうところはよく覚えてますね!

 違います!今日は副長からカイリさんを武器屋案内していろいろ遠征準備に向けてのアドバイスをするように指示を受けていまして」


「ああ、それなら僕が代わりにするから大丈夫だよー」


 ユハナが微笑みながら会話に混ざるとメルヴィの目が見開いた。


「何この超イケメン!

 ちょっと軽そうなところがまたいい!」


 ほんとモテるなこの人。


 するとメルヴィは小さい声で「それで『何?本気にしちゃったの?』って弄ばれてみたい」と呟いていた。


 いや、何言ってんだこの人?


「ああ!でも私にはサイファー様が!」


 奇人を前にしてもユハナは変わらずマイペースで首を傾げている。


「僕そんな軽そうかな?」


 軽そうです。


「サイファー君は格好いいし、漢気があるからねぇ。

 けどギルド本部の方ならヨーゼン君とか格好いいんじゃない?」


 ユハナがトリップ状態のメルヴィに声を掛けた。

 そのままほっといて去ろうと思ってたのに。


「副長ですか?

 確かにイケメンですけど、あれ性格ヤバいですよね。

 超腹黒ですよ。

 あ!けどあの性根の悪さなのに私に本気になって、いろんな汚い手で手込めにされるのは全然ありです!」


 知らんがな!

 ほんとに何言ってるのこの人?

 この人もだいぶ性格、というか性癖がヤバイと思う。


「ははっ、面白いお嬢さんだね。

 まあカイリ君は僕が案内するから本来の業務に戻ってもらって大丈夫だよ」


「わかりました。

 ありがとうございます。

 あ、そうだカイリさん。

 ソフィア様に近々副長が伺うって伝えてもらっていいかな」


「いいですよ。

 ヨーゼンさん忙しいのに何しに来るんですかね?」


「何かクエストの依頼だって言ってました」


「師匠にクエスト依頼ですか?」


「ああそれはね、ソフィアちゃんがたまにしてる小遣い稼ぎだよ」


 ユハナが疑問を解いてくれる。


「はい、緊急性の高い依頼や高難易度の国からギルドにきた依頼を魔法師団の方には内緒でソフィア様にこなしてもらってるらしいですよ」


「え、いいんですか?それ」


「まずいんで周りには内緒ですよ。

 特に魔法師団の方には」


「……」


「?」


 言葉に詰まりユハナを見るとにこにこしている。


「導師はこのこと知ってるんてすか?」


「知らない時もあれば知ってる時もあるよ。

 で知った時は依頼料を大幅に引き下げるし、導師にばれなかったとしてもヨーゼン君がピンはねしてるから本来ほどの大金がソフィアちゃんに入って来ることはない。

 まあソフィアちゃんは普段の給料出てないから緊急クエストをこなして業務と給料がトントンってところだからいいんじゃない?」


「師匠ピンはね気付いてないんですか?」


「彼女はお金に無頓着だからね」


「……あの、」


 カイリとユハナの会話にメルヴィが口を挟む。


「そういえばそちらのイケメンさんは……。

 副長やSS冒険者のサイファー様のことを君付けしたり、ソフィア様をちゃん付けしたり、やけに魔法師団の内情に詳しかったり……」


 今の会話で流石に気付いたようだ。


「あ、僕は魔法師団副団長のユハナだよ。

 よろしくね」


「関係者どころか思いっきり幹部じゃん!

 しかもNo.2!」


「大丈夫大丈夫!

 導師に今の話は内緒にしとくから。

 今回遠征でソフィアちゃんも色々入り用だろうしね」


「良かった!

 ありがとうございます!

 このお礼は必ず!

 もし良かったら今度お食事でも行きませんか!?」


 このお姉さん、イケメンの上に社会的地位が高いと分かったらどさくさに紛れてめちゃくちゃ食いついてきてるわ。


「お礼には及ばないよ。

 ただそのクエストの依頼料なんだけどさ、」


「はい?」


「これから行く買い物が実は経費で落ちなくなっちゃってね、」


「はぁ?」


「だからよろしくねってヨーゼン君に伝えといて!

 もちろんクエストの件は導師に黙っとくから」


「えっ、ちょっ!?」


「後でヨーゼン君に直接領収書持ってくから~」


「えぇー!?」


 待ってください~と叫ぶメルヴィを置いてるんるんとユハナが歩き出す。


「いやー、ついてるなぁ。

 今日は多めに買い物しようっと♪」


 鬼だ。


 道中、少し道草を食ったがその後は何もなく武器屋に着いた。





 武器屋の中に入ると受付に先日の男の子と幼女がいた。


 男の子はこちらに気付かず品を陳列している。

 すると幼女がこちらに駆け寄ってきて抱きついてきた。


「お姉ちゃん!この間はありがとう!」


「どういたしまして」


 幼女との会話でこちらに気付いたのかカウンターの少年がこちらを振り向いた。

 すると顔を真っ赤にさせて口をパクパクさせている。


「一応治癒魔法をかけたから大丈夫だとは思うけどまだ無理しない方がいいよ」


「あ、っ……あのさ――」


 少年がなにやら喋ろうとした瞬間、奥の工房から顰めっ面のお爺さんが出て来た。

 何故か怒っているような?


「ちょっと来い!」


 また面倒事だったらやだなぁ。


 ギルド受付嬢メルヴィは第38話、第43話に一応登場しています。


 今回、カイリが若干ボケっぽいこと言ってますが、彼は関心が無い者の名前と顔は基本覚えません。

 その辺は師弟似ています。

 建前の礼儀は良いので勘違いされますが、年上や偉い人を敬う気持ちはありません。

 礼儀正しいのはその方が面倒が少ないのと、礼儀を重んじるより失礼を疎んじるからです。




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